スポーツのルールを知らなければ、その競技を楽しめないように、現代美術にも「ルール」というものが存在します。
マルセル・デュシャンという作家がある展覧会で「泉」と称して「トイレの便器」を作品として提示したとき、それは革新的な「ルール破り」でした。当初の目的とは違った使われ方をした「レディメイド(既製品)」、つまり芸術作品として展示された既製品の最初の出来事でした。
「ルール」を知れば、その作品、作家を好きか嫌いかを越えて、美術史上のどんな「ルール破りをしているのか」、という楽しみ方が出来るようになる、というわけです。そんなことを書きつつも、私自身は、もっとも古い表現方法かもしれない「ペインティング」を主体として、絵を描いたり、アニメーションを作ったりしています。インスタレーションや映像、デジタルアートなど新しい表現媒体があるなかで、です。
今回、作品に描かれているモチーフには、日常で見かけるモノも多く登場しますが、「そのもの」とは別の「現代のことがら」への比喩が隠されています。もしくは意味そのものを「無」にしている作品もあります。
これらの作品を通して、「半径数メートルの港」(つまり日常、そして空港)から「なるほど!」と発見する、楽しさに気づいて頂けたら、と思います。
Coppi