第20回 Coppiさん(こっぴ) 2009年12月1日(火)〜1月29日(金)

アーティスト紹介

Coppi Coppi
 プロフィール
1980年 千葉県生まれ
2006年 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業
美術大学を卒業後、広告制作会社にデザイナーとして勤務。
GEISAI マイアミ出展、受賞を機に本格的に制作を開始した


 
展示風景
出展
2008年 GEISAI マイアミ
2009年 SCOPE NewYork(hpgrp GALLERY東京)
  Destination NY group show など

受賞
2008年 Matthew Higgs 審査員賞受賞(GEISAI マイアミ)

パブリックコレクション
2008年 The Arenberg Foundation(スイス)

2009年12月に、マキイマサルファインアーツでの個展「日々の発見のつらなり」を予定している。
「苔と近くと遠く」(ANA展示予定作品)
「苔と近くと遠く」
(ANA展示予定作品)
「デスク」(ANA展示予定作品)
「デスク」(ANA展示予定作品)
「計算の果て」(マキイマサルファインアーツ展示予定作品)
「計算の果て」
(マキイマサルファインアーツ展示予定作品)

展覧会タイトル: 半径 数メートルの港

「空を洗うひと」
「空を洗うひと」

「経済工学と 鍋の吹きこぼれ」
「経済工学と 鍋の吹きこぼれ」
 日々のさりげない景色のなかに、はっとする瞬間があります。
それは当たり前の価値をガラリとくつがえすチカラを持っているように思います。

最近、気づいたことといえば、「鍋が吹きこぼれる様子」について、です。
あぁ、まるで2008年末のアメリカから端を発した経済危機を象徴するような有様だなぁと。
もともとの資本(鍋の具材)にたいして、どんどん肥大してゆき、最後には、もとの具が何であったのか分からない、ほかのモノに置き換えられ、つまるところ、市場(鍋)のストップが効かなくなって、ドドンっと大きく弾けてしまいました。そういう「ありさま」の「置き換え」を日常に見つける。

現代美術というのは、ほとんどの人にとって、実に取っ付きづらい世界であると思います。それは、美術館に行っても、分からない作品がたくさん有るのですから、なおさらです。ひとつには、まず、たくさん見に行ってみる、ということがヒントになるかもしれません。古いものから新しいものまで色んな種類を見ると、好きか嫌いか、分かる作品か全く分からないか、徐々に自分の「ものさし」が形成されていきます。そうすれば、しめたものです。

そこで登場するのが「ルールを知る」ということです。
「ものさし」
「ものさし」
「動物化する書類」
「動物化する書類」

 スポーツのルールを知らなければ、その競技を楽しめないように、現代美術にも「ルール」というものが存在します。

マルセル・デュシャンという作家がある展覧会で「泉」と称して「トイレの便器」を作品として提示したとき、それは革新的な「ルール破り」でした。当初の目的とは違った使われ方をした「レディメイド(既製品)」、つまり芸術作品として展示された既製品の最初の出来事でした。

「ルール」を知れば、その作品、作家を好きか嫌いかを越えて、美術史上のどんな「ルール破りをしているのか」、という楽しみ方が出来るようになる、というわけです。そんなことを書きつつも、私自身は、もっとも古い表現方法かもしれない「ペインティング」を主体として、絵を描いたり、アニメーションを作ったりしています。インスタレーションや映像、デジタルアートなど新しい表現媒体があるなかで、です。

今回、作品に描かれているモチーフには、日常で見かけるモノも多く登場しますが、「そのもの」とは別の「現代のことがら」への比喩が隠されています。もしくは意味そのものを「無」にしている作品もあります。

これらの作品を通して、「半径数メートルの港」(つまり日常、そして空港)から「なるほど!」と発見する、楽しさに気づいて頂けたら、と思います。

Coppi


「茶室」
「茶室」
「もうすぐふゆ」
「もうすぐふゆ」
アートプロデューサー・橋本 誠のコメント
 私たちを取りまく日常のライフシーンの中で巻き起こる出来事や事柄に焦点をあて、滑稽に切り取るCoppi。彼女は、日々めまぐるしく変化する大都市、東京での現代の生活を中心に、伝統的な日本画の材料とペインティング材料を用いて表現しています。

慌しい現代社会の光景に、時にはうんざりさせられることもあることでしょう。彼女の作品の中には、日常のそんなシーンを切り取りながらも日々を楽しくする小気味よいスパイスが仕込まれていて、私たちに新しい発見を与えてくれます。

新作《desk》は「ファイルだらけのデスク」をモチーフに、情報が溢れ、抱えきれなくなっている、そのデスクの主の心理状態を比喩して描いています。また別の作品では「吹きこぼれる鍋」をモチーフに、金融危機で混乱する社会的状況に置き換えて表現をしてみたりしています。どのシーンも、身の回りでありふれているワンシーンではないでしょうか。

今回の展示テーマは、「半径数メートルの港」です。私たちは旅先に安らぎやレジャーを求めて出かけますが、旅を終えればまた日常生活に戻っていきます。その日常をいかに楽しく過ごしていくか。
身近なものにまなざしを向け、そこから楽しいイメージの飛躍を試みる彼女の作品にはそのヒントが隠されているようです。
 
橋本 誠
橋本 誠(アートプロデューサー)
1981年東京都生まれ。横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程卒業。
ギャラリー勤務を経て、2005年よりフリーのアートプロデューサーとして活動。2009年より東京文化発信プロジェクト室勤務。
主な企画に「都市との対話」(BankART studio NYK/2007年)、「The House-気配の部屋」(日本ホームズ住宅展示場/2008年)、「KOTOBUKIクリエイティブアクション」(横浜・寿町エリア/2008〜)など。

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