平成9年度事業計画について
〜羽田空港における真の競争促進と国際線ネットワークの向上を目指して〜
全日空では、本日2月5日(水)、平成9年度事業計画をとりまとめました。
平成9年度は、構造改革推進を目標とした弊社中期経営計画(平成7〜9年度)の最終年度であるとともに、羽田空港新C滑走路の供用開始に伴う発着枠配分や3〜5年後の需給調整規制の廃止に伴う新たな展開が予想されるなど、今後の弊社経営にとって重要な時期を迎えます。 現在、羽田空港の新規発着枠の配分基準懇談会において今春以降の発着枠について議論がなされていますが、1月17日に提出した発着枠配分に関する弊社の要望書ではエアーニッポンを含め新規35便分の枠を要望、新規開設空港路線として佐賀(大館能代:ANK)、少数便となっている路線として稚内、庄内、(中標津、石見:ANK)、新規参入路線として女満別、帯広(石垣、宮古:ANK)、最低競争単位の確保として青森、徳島、この他にも北海道、本州内、中四国、九州、沖縄等の高需要、高利用率路線として各路線の要望をしています。 配分に当たっては、便数の平準化や経営基盤の格差是正といった競争促進に逆行する観点ではなく、航空会社の経営意欲の向上を促すためにも、平成8年12月5日の行政改革委員会の規制緩和小委員会の提言にある通り航空企業間の競争促進に資する配分がいかに実現されるか、弊社としてはまさに大きな期待を寄せています。なお、来年度の羽田新規発着枠が未定であるため、決定内容については改めて事業計画に反映致します。 今回の生産規模(座席キロ)の対前年比は全線109.2%、国内線101.5%、国際線125.6%を計画いたしております。航空機は年度中11機の増機、5機の退役による年度末138機体制を計画いたします。併せて機材稼働時間の対前年2.8%向上を図り、生産性の向上を通じて生産力の強化に努めます。 国内線においては、規制の緩和・撤廃や競争促進という大きな環境変化がある中で、羽田空港の発着枠拡大への対応を始めとして更に国内線のネットワークを強固なものとすべく路線便数計画を策定轤{ーイング76700へのスーパーシートの設置によりスーパーシート提供座席の拡大等による営業力強化等を計画します。 国際線においては、膠着状態にある日米航空協議の早期の進展と解決を期待しています。これに伴い、関西〜米国線、とりわけホノルル線を計画していきます。国際線事業基盤の強化を図るため、日米及び日中等の航空協議の進展状況を踏まえ、ビジネスチャンスを獲得していくとともに、効率的な路線ネットワークの確立を目指し、内・際及び際・際における接続ネットワークの強化、アジア路線へのボーイング777投入を計画し、大幅な利便性の向上を図ります。 弊社といたしましては、安全運航を大前提に更なるネットワーク拡充を進め利用者の皆さまのご期待にお応えしていくとともに、最終年度となった中期経営計画の完遂に向けて全社を挙げて取り組み、競争激化の時代を勝ち抜く経営体質への転換を図るべく収益性・生産性の一層の向上を進めてまいります。 詳細については下記をご参照ください。
- 事業規模
- 座席キロ
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全 線:
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対前年比109.2%を計画いたします。
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国内線:
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対前年比101.5%を計画いたします。
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国際線:
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対前年比125.6%を計画いたします。
- 機材稼働時間
対前年比102.8%を計画いたします。
- 機材計画
ボーイング767−200型機の退役開始に伴い、97年度末よりエアバス321型機を新規に導入します。またボーイング777−200型機国際線仕様機を新規導入し、97年9月よりアジア路線に導入する計画をします。全体では新規に11機の機材を導入、5機の機材を退役させ、年度末138機体制を計画いたします。 - 国内線事業計画
- 事業規模
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提供座席数:
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5,894万席(対前年比100.6%)を計画いたします。
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旅 客 数:
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3,778万人(対前年比101.7%)を見込みます。
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利 用 率:
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64.6%を見込みます。
- 新規路線開設および増便計画
- 環境条件が整い次第、名古屋及び福岡からの新規路線を各々1〜2便(1日当たり)計画するとともに、その他ローカル路線の新規開設路線を計画します。
- 「岡山〜札幌線」のデイリー運航化を計画します。
- 「高松〜札幌線」のデイリー運航化を計画します。
- 「山口宇部〜札幌線」を週3便から4便へ増便の計画をします。
なお、羽田関連路線については、羽田空港の新C滑走路供用開始に伴う発着枠拡大への対応として、新規参入や少便数路線の増便、および高需要・高利用率路線の増便を配分が決定次第調整します。 - 新機種投入計画
- エアバス320の以下路線への投入を計画いたします。
成田〜札幌線 山口宇部〜札幌線 福岡〜沖縄線
- 国際線事業計画
- 事業規模
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提供座席数:
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486万席(対前年比124.4%)を計画いたします。内、成田発着は238万席(99.3%)、関西発着は211万席(144.4%)。
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旅 客 数:
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318万人(対前年比123%)を見込みます。内、成田発着は168万人(101.1%)、関西発着は125万人(140.3%)。
- 成田関連路線
- 「成田〜シンガポール線」増便
サマーダイヤより現行週5往復から6往復への増便を計画します。 - 「成田〜香港線」・「成田〜北京線」投入機材変更
9月より現行の機材に加えてボーイング777−200型機を投入します。 - 「成田〜パリ線」直行化
サマーダイヤよりモスクワ経由便の直行化を図り、ウィーン経由便の運航曜日を変更します。
- 関西関連路線
- 「関西〜米国線」新規開設
「関西〜米国線」については、日米航空交渉の進捗を踏まえ新規路線の開設を計画します。 - 既存路線の増便
・「関西〜ウィーン線」については、5月より1便増便して週3往復の計画をします。 ・「関西〜バンコク線」については、サマーダイヤより1便増便して週7往復の計画をします。 その他路線の増便については、2国間の航空交渉・調整の結果を経て、下記路線において増便を計画します。 ・「関西〜ロンドン線」の増便の計画をします。 ・「関西〜香港線」の増便を計画をします。 ・「関西〜クアラルンプール線」の増便を計画をします。 ・「関西〜ブリスベン〜シドニー〜関西線」の増便を計画をします。 - 「関西〜ローマ線」運航形態変更
サマーダイヤより「関西〜ローマ線」を往路のみモスクワ経由便に変更します。 - 「関西〜上海線」・「関西〜香港線」・「関西〜シンガポール線」投入機材変更
9月よりそれぞれ、「関西〜上海線」についてはボーイング777−200型機を、「関西〜香港線」・「関西〜シンガポール線」については現行機材に加えてボーイング777−200型機の投入を計画します。
- 新規路線
- 「広島〜グァム線」新規開設
当該路線の新規開設を計画しています。
以 上 |