第 9 −31号


全日空の研究開発“赤外線検査法の航空機整備への適用”が
日本科学技術連盟の奨励報文賞を受賞


全日空が行った“赤外線検査装置による非破壊検査方法の航空機整備への応用”に関する開発研究が(財)日本科学技術連盟の奨励報文賞を受賞いたしました。
表彰式は7月3日、4日に開催される第27回信頼性・保全性シンポジウムで行われます。

信頼性・保全性シンポジウムの奨励報文賞は、信頼性・保全性で優れた技術開発活動に関する論文(報文)に対し与えられます。過去26回のシンポジウムで特別表彰としてこの賞を受賞したのは5例のみで、当社整備本部技術部 山本茂晴主席部員が発表した「赤外線検査法の航空機整備への適用」は長い歴史の中で6番目の奨励報文賞受賞です。

赤外線検査装置(サーモグラフィー)による非破壊検査は、試料から放射されている赤外線エネルギーを高感度赤外線放射温度計で計測し、得られた温度分布から試料を検査する方法で、他の検査法と同等またはそれ以上の高い精度を有しています。
他の検査法では必要な電磁波や有機溶剤を使用しないため人と環境に優しく、また携帯可能な装置で可能な非破壊検査法です。

全日空は整備本部技術部で約3年をかけて研究を行い、この技術を航空機整備へ応用し、検査作業の効率と航空機品質を向上させることに成功しました。実用化した検査手法の中には、ボーイング社の認定を受け非破壊検査マニュアルに設定されたものもあります。
全日空が航空機整備に応用した赤外線検査装置による非破壊検査方法の概要は以下のとおりです。

  1. ハニカム材の水分侵入検査(ボーイング社の承認取得)
    主翼補助構造パネルの検査では、これまでX線を使用していたため作業の制約が多く多大な工数を要していましたが、この方法により部品を簡単かつ短時間で検査できるようになりました。
  2. 容器内充填度の検査(ボーイング社の承認取得)
    容器を取り外して重量を計測する方法に代え、容器を装着したままで内部の液面レベルを計測することにより充填度を検査することが可能になりました。
    貨物室消火ボトルの充填度検査では、2人×7時間の工数が2人×1時間に削減されました。
  3. 電気/電子装備品の故障探求検査
    作動状態にある装備品/カードの温度分布状態を検査することにより不具合個所の特定や不具合傾向の把握が可能となりました。
    電子機器内のカードの検査では、1人で7時間かかった作業がわずか10分で完了できるようになりました。

    以 上