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夏休み、海外ドライブ旅のススメ!
出発前の準備や注意点をチェック

2017.05.18ANAオリジナル

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ドライブ

海外を旅するなら、車を使って移動を充実させたいと思う人も多いはず。しかし、海外の運転は勝手のわからないことも多く、右側走行の国がほとんどのため、簡単には手が出しづらいもの…。そこで世界各国の運転事情を知り尽くす自動車評論家の桃田健史さんに、海外でレンタカーをするときの基礎知識や、ドライブしてみたい国として人気のハワイ、アメリカ本土、オーストラリアの運転事情を詳しく伺いました。どれも基本的な知識ですが、知らないとトラブルにつながりかねないことばかり。知ればきっと海外での運転も身近なものに感じてくるはずです!

国際運転免許証だけでなく、日本の免許証こそ携帯必須!

国際運転免許証だけでなく、日本の免許証も忘れずに!
国際運転免許証だけでなく、日本の免許証も忘れずに!

海外で運転する際、まず必要になるのが国際運転免許証の取得です。日本の運転免許証を持っていくと、運転免許証センターや免許更新センターで20~30分もあれば簡単に取得できます。費用は2400円ほど。手続きは意外に簡単ですが、最近では各国で免許証携帯の事情も変わりつつあり、現地で注意しなくてはいけないことも多いといいます。

「ハワイでは、国際運転免許証を携帯する必要がないという話をよく聞きますが、これは日本人が多く滞在しているための単なる慣習で、ハワイ州だけが特別に不要というわけではありません。そもそも国際運転免許とは、ジュネーヴ条約(条約締約国が道路交通法を共通に解釈するという条約)で定められた免許証であり、条約に締約した国だけに有効な免許証です。つまり国際運転免許証は、日本の免許証を有効にするための一種のサブ的なものなので、運転時には国際運転免許証と日本の免許証の両方を携帯する必要があると思ってください」(桃田さん、以下同)

最近ではハワイやアメリカ本土のほか、ヨーロッパなどでも「ジャパニーズライセンスを見せて」と言われることが増えたそう。日本の免許証は必ず持っていく必要があるのですね。

海外では、スマホのGPSマップをナビとして使用すべし

ナビよりもスマホを使うのがおすすめ 写真提供:トリップアドバイザー
ナビよりもスマホを使うのがおすすめ
写真提供:トリップアドバイザー

では実際に現地へ到着して、レンタカーを借りるとき、注意すべきことはなんでしょうか。

「知らない道を走るのでカーナビゲーションが必須になりますが、海外ではナビがあまり普及していません。日本の車には当たり前のように設置されていますが、海外のレンタカーには基本ついていないため、1日20~30ドルのオプションで借りることになります。しかも、借りられるのは小さな簡易ナビで、電源はシガーライターから取るような非常に旧式なもの。使いにくい場合が多いでしょう」

そこで桃田さんがおすすめするのが、スマートフォンのGPSマップ(Google mapなど)を使用する方法。ただしこの場合は、海外専用のレンタルWi-Fiをきちんと用意しておく必要があります。知らずにデータローミングでGPSを使い続ければ、多額のパケット料金を請求される恐れも。

「日本と同様、アメリカやオーストラリアでも運転中の携帯所持は交通法の違反になるため、スマホを手に持ってマップを見ながら運転というのは避けるべき。車内に設置でき、充電も可能なスマートフォンスタンド、クレードルを持っていくと、とても便利です」

また、意外に困るのが給油。レンタカーは満タン返しが基本ですが注意すべきポイントは?

「最近、アメリカのディスペンサーは自国で発行したカードのみに対応するようになったため、日本のクレジットカードを使えない場合が多くあります。アメリカのガソリンスタンドは基本セルフなので、クレジットカードが使えない場合は、現金を使うか、敷地内にある小さな建物でお店の人にクレジットカードでチャージしてもらいましょう。多めにチャージして、給油後に差額を戻してもらうのが賢明です」

右側走行ゆえの落とし穴とは?

フロリダのフリーフェイ 写真提供:桃田健史
フロリダのフリーフェイ
写真提供:桃田健史

いざ道路を走行するとなったとき、一番心配なのが右側走行であること。オーストラリアは日本と同じ左側走行なのでこの心配は不要ですが、アメリカ本土やハワイは右側走行ゆえの独特のルールがあり、注意が必要です。

「日本やオーストラリア、イギリスなどの一部の国を除いた諸外国は、基本右側走行。加えて、車はすべて左ハンドルです。日本でも以前、左ハンドルの外車が流通していましたが、今ではほとんどの車が右ハンドル。つまり海外では、右側走行で左ハンドル、というなにもかもが逆の状態になります。慣れてきても油断は禁物。ファーストフードやコンビニエンスストアの敷地内から道路へ出るとき、周りに車がなく、ふと日本にいる感覚で左へ曲がってしまってヒヤッとしたという話も山ほど聞きます」

逆走を防ぐためのコツは、常に自分がセンターライン側にいることを意識することだとか。一歩通行の道以外では、自分が歩道側にいたら逆走しているということになります。

サンフランシスコ市内の通りの様子 写真提供:桃田健史
サンフランシスコ市内の通りの様子
写真提供:桃田健史

また、知っておかないと危険なのが、「赤信号時に右折が可能」という右側走行ならではのルールです。

「アメリカ全土やハワイでは、一部のエリアを除いて、ほとんどの交差点で赤信号時の右折が可能です。これを知らずに、右折レーンで赤信号停止していると、後ろからクラクションを鳴らされることも。また目の前の道路が一方通行であれば、一旦停止して左折することも可能です。反対車線の車が左折のために急に目の前に飛び出してくることもあるので、注意が必要。『No turn on red』と書かれた標識があり右折や左折が禁止されている場所も一部ありますが、8割以上の交差点で赤信号時の右折・左折が可能なのです」

そのほかに、知っておくべき基礎知識はこれ!

サンフランシスコ市内 写真/桃田健史
サンフランシスコ市内
写真/桃田健史

ほかにも、アメリカ本土とハワイは「km表記」ではなく、「マイル表記」が一般的。標識も車のメーターも「マイル表記」なので、速度感覚が掴みづらくなります。ちなみに、オーストラリアは、日本と同じ「km表記」なので、心配は必要なし。

「1マイルは、1.6km。もしメーターが40マイルを指していたら、60kmの時速が出ていることになります。アメリカやオーストラリアなどの諸外国は、高速でも下道でもみなかなり早い速度で走行しているため、マイル表記も相まって気づかぬうちに100km/h以上出していたなんてこともざら。道はボコボコしていきなり狭くなったり、急カーブも多いため、雨で急ブレーキを踏んで曲がりきれずに激突…なんて事故がとても多いんです」

また、海外の高速道路はほとんどが無料ですが、一部、フロリダやシカゴ、ニューヨークなどに「toolway」や「turnpike」と呼ばれる有料道路があるそう。じつはアメリカのETCカードは全米共通ではないため、現金所持が必須だとか。チャイルドシートについても日本と同様、オーストラリやアメリカでも義務化されており、アメリカにおいては州ごとに細かく規定があります。7歳以下の子供がいる場合はレンタルしておくのが確実でしょう。

「道路標識も日本のように丁寧ではなく、道案内の標識も直前に出てくることがほとんど。私は30年以上海外で運転していますが、道は間違うこと前提で運転しています。基本、勝手のわからない道ですから、間違っても戻ればいいというおおらかな気持ちで運転することが、事故を起こさないための秘訣かもしれませんね」

海外ドライブのポイント

  1. 1. 免許証は、日本の免許証と国際免許証の両方を携帯すること
  2. 2. 右側走行、マイル表記などの慣れないルールに注意すること
  3. 3. 有料道路や給油で必要になることがあるので、100ドル程度の現金は持っておくこと

国際運転免許証は簡単に取得できても、知らないとまずいルールや重要な知識は自分で把握していく必要があります。トラブルを避け、楽しい旅になるよう、渡航先のドライブ事情は、しっかり事前に予習していきましょう!

【取材協力】
桃田健史さん
自動車評論家。モータージャーナリストとして、世界各国の自動車産業の取材を続ける。アメリカ、ヨーロッパ、中国、中近東など、世界各国に長期滞在する生活を3O年以上続け、レンタカーを含めた各国の運転事情に通じている。レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説や海外モーターショーなどテレビ解説も担当している。
ブログ:http://www.kenjimomota.jp/blog/