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Inspiration of JAPAN

ANA Professionals 青い翼にかけた想い #07 ANA 客室乗務員 島本彩里 お客様の「笑顔と安全」を守る客室乗務員の舞台裏

良質なサービスは当たり前。空の“価値”をどれだけ高められるか 飛行機に乗る際、最も長い時間接しているスタッフであろう。美しく、凜としていて、言葉遣いや所作が行き届いている。だがそれは仕事のごく一部…約3割程度に過ぎないという。残りの7割。それが、すなわちこの職務の真骨頂である。
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一期一会だから、常にベストを尽くす

「かつて憧れていた客室乗務員の仕事のイメージとはぜんぜん違いましたね。スケジュールもタイトですし、体力勝負の部分も大きいです。ただ、コミュニケーションを取る仕事なので、お客様とふれあえたり、笑顔をいただけるのが、やりがいにつながる部分なんです」国際線ともなれば、10時間以上お客様とご一緒することもある。サービスを規定通りに提供するのは当然。ゆえに、“+α”が大事だという。「人って、第一印象で決まると思うんです。特に機内の場合、お客様とは一度しかお話する機会がないことが多いですから。私たちの挙動で、旅の思い出を台無しにしないために、そしてお客様にどうしたら笑顔でいていただけるかを考えます」お客様の名前を覚え、路線ごとに違うワインの銘柄を頭にたたき込む。徹底したサービスを心がけてはじめてできる仕事である。

サービス3:安全7。お客様を“守る”ということ

「息子さんがドイツ旅行をプレゼントして下さったという老夫婦のお客様を、帰りの便でサービスさせていただいたときのことをよく覚えています。旦那様が体が不自由でいらっしゃったので、『旅行が楽しめなかった』と奥様が漏らしていたんです。機内食をお召し上がりにならなかったので、消化のいいうどんをお出ししたんです。そうしたら喜んで下さって、その後に通常のお食事も全部召し上がって下さって! 後日奥様から『いい思い出でした』という旨のお手紙を頂いたんです」島本がもっとも大事にしているという仕事上のエピソードだ。お客様から感謝の言葉をいただけることが何よりの喜びだというが、客室乗務員の仕事は“サービス”にとどまらない。「もっとも大切なことは、もしものための備えです。入社したあとの訓練では、保安に関することが圧倒的な割合を占めていました。たとえば火災時には冷静に火元を確認し、順序を守って手際よく作業することが求められますし、臨機応変に“完璧”な作業が必要になるんです」訓練の割合では、サービスが3に対して、保安に関するものが7になるという。笑顔の裏には、お客様の安全を守るという職責があるのだ。
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向上するサービスのなかで自分が向かうところ

「昨年から羽田からの国際線のフライトが増えたことで、お客様の利便性は格段に向上していると思います」羽田発の国際線の搭乗業務が増えたという島本。キャリアは現在5年目だ。さらにエコノミークラスに加え、ビジネスクラスのサービスを担当しているという。「経験に応じて、できる仕事の範囲も増えていきます。たとえばファーストクラスでは、お食事の内容も変わればサービス物品も増えます。また社会情勢やビジネスのトレンドなどにも見識を深める必要があるんです」一見ハードルは高そうだが、その職に就いているスタッフからすれば、それらは“できて当然”のスキルとなる。「その先はチーフパーサーという目標があります。チームをまとめられるようなリーダーシップを持ったスタッフになりたいですね」聞けば一昨日、シアトルから帰ってきたという。明日からは「国内線が続いて、月末にフランクフルトへのフライトです」と語る。ハードスケジュールのなか、疲れの片鱗も見せない笑顔を見ていると、ファーストクラスでスマートなサービスを提供する彼女の将来を、想像せずにはいられない。
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