ANA

Inspiration of JAPAN

ANA Professionals 青い翼にかけた想い 「楽しむ」を提供する仕事に求められる器量 人も旅も好きな男が、心を砕いてきたこと 旅を楽しく演出する一方、旅程と安全に気を配る。…こう書くとなにやら特別な才能が必要なように思えるが、重要なのは、“旅行”に対して真っ向から向き合う気持ち。すなわち、仕事に向き合う当たり前の努力のなせる技なのだ。

ANA Professionals #06 林 正実 ANAセールス 添乗員

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初現場が初舞台。以来、旅行一筋20年

「特に添乗員になりたいという思いはあまりなかったんです。たまたまワーキングホリデーで1年弱ニュージーランドで過ごした経験もあったので、なんとなく」「英語を活かせる仕事に」という思いもあって、漠然と添乗員を目指したという林 正実。養成過程を経て、ANAセールスの“即戦力”として採用されたのはその約2年後のことだ。「9月入社で、最初の添乗は9月23日出発のアメリカ東海岸のツアー。先輩と一緒に10名ほどのお客様をご案内したんです。入社後の新人研修を兼ねていて、その内容は『基本的にすべてご案内する』というもの。ガイドは全て任されました」一通り学んだとはいえ、人生初のアメリカ。電車の切符を買ったことすらないなかで、ご案内することの難しさは想像に難くない。そこで夜の自由時間に翌日の目的地を見て回り、“自習”を重ねた。「突き放されたのではなく、当たり前の仕事環境に置かれたということなんです。負けず嫌いなこともあって、『やってやる!』と乗り切りました」まさに“現場で体で覚える”仕事なのだ。

制約のなかで全力で楽しませ制約を超えて旅行者を守る

現場で蓄えた知識はもちろん、度胸も融通も必要である。「トラブルも多いですからね。飛行機は飛ばないが、お客様にご帰国いただかなければならない。さてどうするか。ありとあらゆる手段を頭の中で考えます。たとえば数年前、ローマにいたときにアイスランドの噴火で飛行機が飛ばなくなったんです。しかしドイツのフランクフルトなら成田行きが飛ぶと分かって、先回りして座席を押さえました。そのうえで各所と連携し、どうにかローマからフランクフルトまで行く段取りを付けました」加えて、“楽しむ”という気持ちも必要だという。「制約のなかでどれだけお客様を笑顔に出来るかが勝負です。だから旅先で時間が空いたら、レストランを開拓したり、“冒険”します」もちろんそれは帰国後に社内で共有する。かくしてこんな“心意気”は評価され、林は日本添乗サービス協会主催の優れた人材を表彰する「ツアーコンダクターオブザイヤー2013」で会長賞を受賞している。
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旅行の添乗だけではない添乗員の仕事

最初の仕事から20年経ち、経歴を評価されるに至っても、「いまだに緊張します」と林は笑う。「お客様に会う前は特にそうですよ。自分の理想のツアーを楽しんでいただけると実感できたのは、この数年でようやく。一期一会ですから、ツアーのたびに毎回お客様との別れがつらいですね」いわば、出会いと別れを繰り返す仕事だ。それだけに、旅をより印象的なものにするのも仕事である。「たとえばANAのワンダーアースは、通常のツアーにはない企画やサービスを提供するこだわりの海外旅行です。その思い出を撮り下ろした写真とともに添乗員がアルバムにしたり、手作りの“旅日記”をお客様に後日お送りします」現地だけでなく、陰に日向に、お客様のためベストを尽くす仕事だ。「ただ、自分が楽しくなればお客様にも楽しんでいただけませんからね。苦労もありますが楽しい仕事だと思いますよ」
真冬の早朝の成田空港。集合時間の1時間前に団体カウンターでお客様の到着を待つ林の姿があった。聞けば、ドイツのクリスマス市を見学するツアーだそう。お客様はもちろんのこと、きっと林自身も楽しみであるに違いない。ANAセールス 添乗員 林 正実

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