
9月16日決勝ラウンド1日目レポート
決勝1日目 ― 総評 ―
めまぐるしく順位が変動した決勝初日
小平智選手と時松隆光選手が首位浮上
ANAオープンゴルフトーナメントも遂に決勝ラウンドに突入。予選を通過した64名の選手が、定刻のアウト8時10分、イン8時15分にスタートしました。
この日は朝から晴天に恵まれ、上位選手は軒並みスコアを伸ばす展開。ムービングデーと呼ばれる3日目は、文字通り昨日から大きく順位が入れ替わりました。
3日目を終えて首位に立ったのは、小平智選手と時松隆光選手。共にスコアを大きく伸ばし通算13アンダーで優勝に王手をかけました。1打差12アンダーの3位タイには、自身の9ホール最少ストロークタイの29をマークし、65のビッグスコアをたたき出したホストプロの池田勇太選手。そして、3日目も安定したゴルフでスコアを伸ばしたベテラン手嶋多一選手がつけます。さらに1打差の11アンダーに、昨年の本大会4位だった今平周吾がリベンジに燃えています。
Position | Score | Player | Total |
---|---|---|---|
1 | -13 | 時松 隆光 | 203 |
1 | -13 | 小平 智 | 203 |
3 | -12 | 池田 勇太 | 204 |
3 | -12 | 手嶋 多一 | 204 |
今シーズン予選通過がわずか4回と不調に苦しむ時松選手ですが、「思ったようにショットが打て、パットもしっかり入っている」とショットは好調。パッティングにもいい影響を与え、強敵ぞろいの優勝争いの中心に立っています。
もう一人の首位である小平選手は今シーズン優勝こそないものの予選落ちは“ゼロ”。抜群の安定感で、現在賞金ランキングは5位。「気負いはない」という言葉通り、今後の賞金王争いの主役となるべく今シーズン初優勝を狙います。
混戦模様の今年のANAオープンもあと1日。最後まで目を離せない優勝争いにご注目ください。
決勝1日目
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決勝1日目
― 選手コメント ―
小平 智選手 13アンダー(1位タイ)3R 66

──本日6アンダーで首位浮上ですね
今日はいいゴルフができたんじゃないかと思います。調子もいいですし、ショットもアプローチもパターも今日は良かったので、ノーボギーで回れたんじゃないかなと。
──今日は組の雰囲気もいいように見えました
そうですね。(今平)周吾とは前から仲がいいですし、手嶋さんも僕のキャディさんと仲が良かったりして、和気藹々とできました。しかも、二人ともバーディをいっぱい獲ってくれたので、それにつられてバーディが獲れたような気がします。今日はボギーを打ちそうな、ピンチらしいピンチはほとんどなかったです。ショットが良かったので。
──昨日は悪いといっていた「運」はいかがですか?
今日は下もあまり悪くないですし、泥もつかなかった。ショットもよかったですし、いいこともなければ悪いこともなかったので淡々とできました。毎日こういうゴルフができればいいんですが、なかなかできないんで。ショットはベタっと付いたのはなかったですが、4番ホールがまあまあ良かったですかね。中途半端な距離で意外と寄ってくれた感じです。

──課題などはありましたか?
今日はアイアンの距離感が合ってなかった。なかなかバーディチャンスにベタっとつくのがなかったですし、だから連続バーディもなかったんです。気合が段々入ってきて、ちょっと奥に行くことが多かったので、チャンスに付けられなかった。ここは奥につけると速いので、もう少しアイアンがつけば。
──明日はいよいよ最終日です
ここ最近は最終日も調子がいいですし、優勝争いも経験していますし、気負いはないですね。本当にそろそろ優勝しないといけないと思っているので、そういうプレッシャーをかけながら自分と戦っています。その中で今日はいいゴルフができましたし、明日もその中でいいゴルフをしたいと思います。本当に(2017年3月に入籍した)美保と一緒にトロフィーを持つことが目標なので、それだけを考えて頑張りたいです。
──奥様から応援とか励ましはありましたか?
ないです。僕がされたくないので。たぶん僕がやっているゴルフと、向こうがやっていたゴルフは違うので、それに励ましとかはいらなくて。僕は僕のゴルフをするだけ、向こうもわかっています。やっぱり女子と男子ではゴルフが違うので、その理解もあるので。付き合い始めた時に試合を見にきて「女子と男子ではやっているスポーツが違うような気がすると」彼女が言っていたので、だから励ましもないんじゃないですか。
──明日勝つために必要なものは?
本当に今日みたいに落ち着いて淡々とできれば優勝はできると思いますし、今日みたいなゴルフをして負けたら、僕よりもすごい人がいたというだけなので。自分のゴルフを心掛けて、目標のスコアに向けて頑張るだけ。相手を見ずに頑張りたい。毎日5アンダーを目標にしていたので、目標は20アンダーに設定。20アンダーで負けるのならしょうがないかなと。まあ、目標は20です。
時松 隆光選手 13アンダー(1位タイ)3R 65

──本日7アンダーで昨日5位から首位タイです。好調の理由は?
わからないですけど、思っているようにショットが打てています。入れたい距離のパットもしっかり入っています。ショットが良いから流れでパターも良かった感じですね。(チップインやロングパットを決めた)5、8、9番はまぐれですね。前半はまぐれが続いてしまいましたが、後半は良い内容のゴルフだったと思います。(後半のバーディは)プロらしいバーディでした。
──後半のピンチはいかがでしたか?
全部パーオンできていたと思います。ピンチっぽいピンチはなくて、長くても10メートルくらいに乗っていました。6番くらいですね、悪い癖が出てしまいました。シーズン序盤から夏場までショットが悪かったのですが、今回久しぶりに予選通過ができました。良いゴルフにはなってきていたのですが、6番だけは春先の悪い癖が出ましたね。完全に体が止まってしまい左の林に行ってしまいました。それ以外は曲がっても(想定の)範囲内に収まってくれているので、それが好スコアの要因だと思います。
──ゴルフの手応えを感じていますか?
そうですね。前半はたまたまみたいなところもありましたが、後半は良いプレーができました。獲れるところやロングで獲れたし、我慢するところでしっかり我慢ができました。良い内容でした。
──数カ月前、今の状況は予測できましたか?
できないですね。日本オープンの予選会で久々に60台を2日連続で出すことができました。それまで自信を失っていたのですが、今やっていることが間違いなかったなと自信を取り戻すには良い試合になりました。そのおかげで今週も良い流れでできていると思います。
──自信が確信に変わりましたか?
明日次第だと思います。多分明日は(池田)勇太さんとかと一緒だと思いますが、引けを取らないプレーができればやっていけると思います。明日もこのプレーができれば自信も少しずつ取り戻していけると思います。まだ戻ったとは言えませんが、今やりたいことができているのでこのスコアになりました。
──明日の前半が重要ですね
そうですね。明日は1年を通して一番強い賞金王争いの人と回るので。優勝はしたいですが、回る方と自分の今はどう違うか、何が足りないかをしっかりと把握したいと思います。

池田 勇太選手 12アンダー(3位タイ)3R 65

──(自身の9ホール最少ストロークタイの29をマークし、65のビッグスコア)今日は絶好調でしたね?
前半が良くて、後半が悪かったというだけのゴルフ。前半はチャンスも活かせたと思うし、流れに乗って付くところ付くところ入りそうなラインだった。そういうのが続くとこういうスコアというのは自ずと出るんだろうなと思った。その逆を後半はさせられたという感じですね。後半ももちろんチャンスはあるんだけれど、わけのわからないラインばっかりという感じ。ラインも読んだ通りに打っているけれど、結果的に入っていない。

──昨日ショットが乱れていたという話がありました
ショットはまあまあ。乱れてはないけれど、乱れるというのは流れが悪いから乱れるわけで。ショットの調子は悪くないし、パターも悪いわけではない。でも、自分のイメージというか、考えと相違した場合としなかった場合がある。
──(前半は好調も後半はイーブン)こういう終わり方に関して
気分悪いしかない。
──優勝争いになると思います
それはそれでチャンスをせっかく作れたから、明日また頑張ればいい。今はまだそういう気分にはなれないけれど、明日の朝にはそういう気分になって最終日を楽しめればいいんじゃないかなと思う。
──明日の目標は?
あわよくば前半は今日と一緒で、後半も同じようなゴルフができればいいんじゃないですか。やってみないとわからないけれど、行けるところまで行きたいね。