
9月17日決勝ラウンド2日目レポート
決勝2日目 ― 総評 ―
プレーオフまでもつれた最終日
池田勇太選手が本大会2度目の優勝
ANAオープンゴルフトーナメント最終日は、台風18号の影響もあり、強風が吹き荒れる難しいコンディションの中スタート。
首位でスタートした今平周吾選手、ツアー通算2勝目を狙う時松隆光選手、そしてホストプロの池田勇太選手が、白熱の優勝争いを繰り広げました。
最終18番ホールを首位で迎えた池田選手でしたが、ここで痛恨のボギー。時松選手、今平選手と三つ巴のプレーオフにもつれ込みます。プレーオフ1ホール目、池田選手と時松選手がベタピンの距離につけ楽々バーディを奪ったのに対し、今平選手がバーディを取れず脱落。2ホール目に突入します。2ホール目、共にフェアウェイから放ったセカンドショットは池田選手が再びバーディチャンスにつけたのに対し、時松選手はグリーンをとらえられずボギーをたたき悔しい敗戦となりました。
Position | Score | Player | Total |
---|---|---|---|
1 | -13 | 池田 勇太 | 275 |
2 | -13 | 今平 周吾 | 275 |
2 | -13 | 時松 隆光 | 275 |
池田選手はプレーオフ2ホールを連続バーディで制し、2010年に続き2度目のANAオープンチャンピオン。ツアー通算18勝目、そして生涯獲得賞金10億円突破という偉業を、思い入れのある輪厚で成し遂げました。
第45回のANAオープンは最後まで目が離せない優勝争いとなり、大きな盛り上がりを見せました。来年の第46回ではどのようなドラマが繰り広げられるのか、ご期待ください。
決勝2日目
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決勝2日目
― 選手コメント ―
池田 勇太選手 13アンダー(1位)FR 71

──終盤はスリリングな展開でしたね?
自業自得ですね。最後にボギーを打ってプレーオフに持ち込んでしまったので。プレーオフはバーディしかないなと思ってやった結果、2ホール共にバーディだったので大きかったですね。
──プレーオフ1ホール目の2打目で、先に時松プロがピンに寄せました。その後に池田プロがピンに寄せたのは簡単ではないと思いますが、どういう心境でしたか?
「やるなあ」という感じでした。やってくれるなと思って。やり返そうと思った。
──(ホストプロとして出場する)思い入れのある大会で優勝です
そういう気持ちがこの試合にはある。
──スポンサーである(ANA主催の)大会で、ジャンボ(尾崎)さんも7回勝った大会です
自分が子どものころに見ていた試合。このゴルフ場が好きだし、大会が好き。スポンサーにもなってくれている試合ですし、ホストとしての大役を果たさないといけない。色々な思いがある。
──そういうプレッシャーがありますか?
そりゃありますよ。あるから、勝つのが大変。
──去年2位だったリベンジを果たせたという気持ちがありますか?
それはないですね。
──プレーオフ2ホール目のセカンドを打つ前はリラックスしていましたか?
本戦の17番と18番の方が緊張感ありましたね。プレーオフになったら“スッパリ”抜けましたね。プレーオフの方が楽にできました。
──(ボギーとなった)本戦18番セカンドは右ラフからのショットでした
ライが悪かった。打ったら、ああいう結果になってしまった。しょうがないなという感じ。距離も中途半端でしたし。
──“スッパリ”抜けましたか?
もうあとはやるしかない。そういう気持ち。
──本戦の17番18番は表情が柔らかく見えましたが?
普通にやっていて、“緊張しているな”と思う時がたまにあった。

──本戦でのラウンドはいかがでしたか?
8番でボギーを打ってしまって、下手すぎて自分に腹が立った。そこからはズルズルやっていた感じ。でも意外と皆がスコアを伸ばしていなかったので、15番辺りから、もう一度やろうかなと。
──(難しいパーパットだった)16番はどのような心境でしたか?
16番はアンラッキーとしか言いようがない。自分が良いと思えるようなアプローチができたし、多分スピンも入っていたと思う。2バウンド目がカップ左手前のフチに当たったので前にいってしまった。あれ(パーパット)が入らなかったらキレていたと思います。そこは神様が見ていてくれたのかなと思いますね。
──KBCも今大会も狙って勝てて、次は地元の千葉です
勝ちたい試合を言ったらきりがないですが、来週が千葉の開催ですし、よく遊んでいるゴルフ場なので、しっかりと優勝争いがしたい。優勝を目指して頑張りたい。
──最年少生涯獲得10億円突破です
そう書いてあったね。でもこれからドンドン抜かれるでしょ。こういう記録は抜くためにあるし、抜かれるためにある。
──10億円という数字は10年間で積み上げてきたものだと思いますが?
1年1億稼いだってこと?へぇー。まあまあですね。
──今週は流れが良くないとお話しされていましたが、その中で勝ましたね
今日も流れは良くなかったですけど、不思議ですね。
──時松プロが池田プロのことを「勝ち切る力がすごい」と言っていましたが、流れが悪い時の修正点は?
流れが悪かったり頭にきても、何かをしようとか変えたりは一切ありません。頭にきたら怒ります。嬉しかったら笑います。無心になるというのはあるかもしれませんが。今日納得がいくゴルフができたのはプレーオフの2ホールだけですね。
──台風で帰りの便が飛ばないかもしれません
早く帰りたいの。
──今季残りの試合に向けていかがでしょう
あと何試合ですか。11試合ですよ。11勝とは言いませんが、毎週勝つつもりで頑張ります。
──セッティングは前回優勝時と替わっていないようですが、替える予定はありますか?
コース的に何かをやる必要がない限りは替えないと思います。
──ワールドランキングを年末までに50位以内にとお考えですか?
マスターズのこともあるし。年始から試合に出させていただくことも考えると、去年は年末で33位だったと思うので、それに近い数字まではいきたいと思っています。ランキングを上げて損はないですから。
──体重は去年の今頃と比べてどうですか?
8キロ増えました。海外を見据えて。
──飛距離はどれくらい伸びましたか?
15から20ヤードじゃないかな。
今平 周吾選手 13アンダー(2位タイ)FR 70

──プレーオフに敗れて3位、今日のゴルフはいかがでしたか?
前半はいい感じできていたんですが、後半でスコアを落としてしまったのは悔しいですね。自分のポジションは常に意識はしていました。ボードがあるところは確認していたので。
──最終の18番ホールのパットはどれくらいでしたか?
4メートルくらいですかね。
──「あれが入っていれば」と感じますか?
そうですね。まあ、しょうがないですね。
──15番の3パットは?
ラインが上から難しかった。少し強く入ってしまった部分はある。
──去年4位で、今年は3位です
相性がいいのかはわからないですが、成績がいいということは相性がいいということなんでしょうね。
──プレーオフの経験はありましたか?
学生時代はあるけれど、プロでは初めて。先週、マッチプレーをやっていたので、雰囲気は似ている。でもあれだけ先に近くにつけられたんで。それでラフだったので、ちょっと厳しいですね。
──優勝を経験してからの優勝争いというのは?
気持ちは変わらないですね。緊張とかもあまり変わらないです。
──今後に向けての手応えはつかめましたか?
秋は大きいトーナメントが続くので、そこに調子を合わせていければなと思います。手応えをつかんできた感じはあります。優勝は逃しましたが、上との差を縮めて、どっかで優勝して、賞金王を目指したい。
──今後のポイントはどこでしょう?
パッティングですね。最後、バーディを入れるのはパッティングなので、もう少し練習して自信をつけたいですね。

時松 隆光選手 13アンダー(32位タイ)FR 72

──プレーオフ2ホール目で敗退、最後は惜しかったですね
(ゴルフは)いい感じになっていますが、結果が一番なんで。最後はちょっと右から攻めてもよかったのですが、フェアウェイからだったし、残りも80ヤードくらいだったので。番手もさっき(1ホール目)と同じだったので、3(バーディ)を獲れる可能性が高いと思って左を頑張って狙ったんですが。その結果なので、まあ悔しいですね。
──最後のアプローチミスが響きました
オーバーして狙ってもよかったんですが、一応パーを獲りたかったので。ふんわりいこうとしたのがちょっと食われてしまった。緊張をしていたのも間違いないですが、下手ですね。

──今週は自信がついたのでは?
そうですね。今日は風が吹いたので序盤はあたふたしていましたが、後半はなんとなくずっとバーディ外しだったので、その辺はいい感じになっていると思います。
──プレーオフの1ホール目はすばらしいショットでした
そうですね。悔しいですね…。久々です、結構悔しいのは…。相手が相手とは言え。(今シーズンの状態から)ここまでこられたので、あわよくばという気持ちはあったんですが。
──2ホール目のセカンドショットでグリーンを外しました、理由はありますか?
ピッチングです。1ホール目よりも5ヤードくらいバックしていたんで。1ホール目はハーフショットで、2ホール目はノーマルに打ちました。本来なら右なんですがマッチプレーの状態なので、しっかりピンを狙っていってこぼれたのが敗因ですね。まあ、右に打っていたとしても悔いが残っていたと思います。
──池田プロの強さを感じましたか?
今日は勇太さんもそんなにいいプレーじゃなかったと思うんですが、その中で結果は1位なんで。悪いなりにまとめるのは僕よりも数段上だなと感じました。まあ、僕は調子が良くてこれだったので、悪い時にどれくらい少なく上がれるかというのは勇太さんが数段上だし、そのあたりを学べました。悪いなりに修正する力がないといけないと思いました。
──今後の目標は?
今日のプレーは自信につながります。風が吹いたんですがオーバーパーせずにこられたので、また来週に向けていい感じでいければなと。本当にいいきっかけになると思います。ずっと(予選を)落ちていたので。本当、後半戦は大きい試合も多くて出場選手も減ってくるんで、その中で出られるんでそれはしっかり活かしていきたいです。