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2023年9月17日
決勝ラウンド
2日目・総評 レポート

2023年9月17日現在の情報です。
谷原秀人選手のショットの写真

 決勝2日目 総評

天候:曇り、気温:24.2℃、風向:南南東、風速:3.9m、ギャラリー数:3,128人

若手からベテランまで大混戦の中、谷原秀人選手が逆転優勝

 初日から降雨によるコースコンディション不良の影響があった、第49回ANAオープンゴルフトーナメント。予選ラウンドが3日目までずれ込み、第3ラウンドが終わったのは3日目の日没後17時57分。しかし、最終日は予定通り朝からスタートし、曇り空の下、白熱の優勝争いが繰り広げられました。

 最終日をトータル16アンダーの単独トップでスタートしたのは、ツアー3勝目を目指す香妻陣一朗選手。その香妻選手を追うのは1打差2位の吉田泰基選手、さらにトータル13アンダーの谷原秀人選手や、トータル12アンダーでこの日32歳の誕生日を迎えた石川遼選手、今平周吾選手、杉山知靖選手たちでした。

 注目を集めたのが、首位と5打差のトータル11アンダーでスタートした、ツアープロ1年目、初出場の前田光史朗選手。序盤から連続バーディで滑り出すと、一時は単独首位に立つ快進撃をみせ、多くのギャラリーを沸かせました。最終的には首位と1打差の2位タイとなりましたが、その名を一気に知らしめる活躍でした。

Position Score Player Total
1 -18 谷原 秀人 270
2T -17 前田 光史朗 271
2T -17 宋永漢 271

 ただ、この日の主役は谷原秀人選手。熟練のコースマネジメントとベテランらしい安定感あるプレーでスコアを伸ばすと、12番ホールでこの日4つ目のバーディを奪い、単独トップの前田選手と並びます。そして、17番ホールでグリーン奥のカラーから6メートルのバーディパットを決めて、ついに単独トップに浮上。最終ホールをパーで締め、5バーディ・ノーボギーのトータル18アンダーで、逆転優勝を決めました。

 谷原選手は今シーズン2勝目、ツアー通算19勝目を挙げました。本大会は17回目の出場の谷原選手。2014年ではプレーオフの末宮本勝昌選手に敗れましたが、9年越しのリベンジとなりました。

 2024年のANAオープンではどのようなプレーが観られるのか─
1年後の輪厚が今から楽しみです。

 決勝2日目
選手コメント

谷原 秀人選手
18アンダー(1位)FR 67

CAと並んで優勝カップを谷原秀人選手の写真

──優勝した率直な感想をお聞かせください。

 まさかですね。(今年優勝した)JPC(JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP)もそうですし、そこまで勝てると思ってやっていなくて。詰まって、勝てちゃったという感じです。詰まってくるとなんか強いみたいですね。

──輪厚でなかなか勝てないことは、かなり意識していたのでしょうか。

 それはずっと思っていましたね。

──2014年のプレーオフで敗れたこともでしょうか。

 よく覚えています。

──中盤以降、前田(光史朗)選手との争いになっていることに気づいていましたか?

 いや、16番に来るまではわからなかったですね。16番でしっかり見て、あ、並んでいるんだな、みたいな。

──17番ではバーディーを取らなくてはいけないという感じでしたか?

 そうですね、17番18番で取れば勝ちか、という感じでした。

──17番の2打目、3打目は厳しい状況でしたか?

 思った以上にライが悪すぎて。セカンドショットはとりあえず右の3打目が打てるところまで出てくれればいいなという感じでした。そうしたら思いのほか転がってくれて、それで次の3打目もすごくライが悪くて。なかなかうまく打てるような状況じゃなかったんですが、とりあえず奥まで運べばまだチャンスはあるかなという状況だったので。手前より奥を狙ってしっかり打ちました。

──カラーからどんなライでしたか?

 フックですね、まさか入ってくれるとは。あそこからは何年もやっていますし、なんとなく雰囲気をつかめているというか。今週ずっとパッティングは非常に冴えていたので、そういうのもあって、結構ラインが読めていたと思います。

──今週パターが好調だった要因は何でしょうか?

 イギリスとスコットランドに行ってきたんですが、イギリスではこういう感じのグリーンでして。毎日悪天候でウェットな状態で、フェアウェイの芝も刈れないくらいでした。そして、毎日プリファードライという中でやっていたので、ちょっと近いような感覚はありましたね。

──勢いのある若手の前に立ちはだかるのに、必要なことは何があると思いますか?

 何も必要ないんじゃないですか? 同じ舞台でやれるだけでも結構楽しいというか。金谷(拓実)くんや生源寺(龍憲)くんなんか、2人とも僕のジュニアクラシックで教えていた子で、お前ら小学生だったのになあって話していたんですけどね。本当にうれしいですよね。そういう若手と一緒にプロとしてプレーができて、楽しかったですね。

──最後、ウィニングパットを残そうとは思わなかったでしょうか?

 いやもう、この年になってそれはいいかなと思って。そこまでガッツポーズも出てこないかなと。17番でガッツポーズしちゃったので、いいかなみたいな。

──セガサミーカップ後、海外はアジアンツアー2試合のみですか?

 それだけです。

──試合以外の期間は何をしていましたか?

 家族サービス。一緒にいる、ということです。

──他の選手では試合に出ずに調整というのはなかなか聞かないですが・・・

 疲れてきているんじゃないですかね? この年になって、小さい子もいますし、息子も大きくなってきてサッカーをやっているんですが、見に来てほしいとかいろいろ事情がありますよね。そんな中で、自分はちょっとほったらかしじゃないですが、ヨーロッパにも長く行っていて、何カ月も会えないという状況だったので。もうちょっと(家族との)時間を増やしてもいいんじゃないかなと。

──詰まってくると強いというのは、なぜだと思いますか?

 普段通りできるというか、そこまでプレッシャーがかからないのが強みなんじゃないですかね。

谷原秀人選手が優勝カップを持ち、CAと並んでいる写真

──それは何年前くらいから感じはじめましたか?

 何年とかはないですね。多少は緊張感をもってプレーしますが、昔みたいに震えるだとか、そういうのがちょっとずつ減ってきているのだと思います。

──賞金王争いに参加できる位置に来ましたが、参戦する意識はありますか?

 そこまで来たんですか?意識は全然ないです。あったらたぶん全部の試合に出ますよ。

──今週、活躍したクラブは何でしょうか?

 全部ですね。クラブやシャフトはコロコロ変えていますが、プリファードライもあった中、今週はこれがベストだったということです。

──今日はピンチには動じず、チャンスは逃さないというように見えましたが、詰まっていたからでしょうか?

 どうですかね。どこがピンチでどこがチャンスだったかわからないくらい淡々としていました。ピンチと思っていないのかもしれないですね。余裕でもないですが、まあボギーでもいいやみたいな。

──そこがベテラン力というものでしょうか?

 そこまでガツガツはしていないですよね。

──この大会に勝ちたかったと話していましたが、ANAオープンの重みや本大会をどのように考えていますか?

 今年で49回というのもありますし、これまで錚々たるメンバーが優勝されています。どの大会もそうなんですが、ジャンボ(尾崎将司)さんの名前があったり、青木(功)さんの名前があったり、いろんな方の歴史というか、そこに自分の名前を刻めるという・・・それだけですよね。そこに名を刻みたい。

──逆転優勝ばかりだがそれでいいのか、というのは若い選手への叱咤でしょうか?

 それもありますね。僕なんかで逆転できちゃうの、みたいな。このおじさんに届かせなかったぞとか、そういうのがもうちょっとほしいかなと、自分なりには思います。勝てたからうれしいですよ、でももうちょっと伸ばせる選手がいたんじゃないかなとは感じますね。

──パターで大切にしていることは何ですか?

 ずっと同じなんですが、僕はロングパットの練習しかしないです。ショートパットはほとんどしないですし、まずタッチを合わせること。この2カ月くらい日本ツアーから離れていましたが、イギリスとスコットランドに行った以外は基本練習をしないですね。パターはまったく握らないくらい。普通のショットはやりますが、ラウンド以外はパターの練習はしないですね。

──する必要がないという考えだからですか?

 タイプにもよると思うんですが、神経質に1メートルを一生懸命極めるみたいになると、逆にイップスになっちゃうんですよね。やり過ぎはよくない、手が動かなくなる。そういう経験もしたことあるので。感じたまま、そこにボールが打てれば良いという考えだけなので。

──ロングパットとは10メートルくらいですか?

 5メートルから10メートルくらいで。上り下りをずっと練習する。基本的に3パットの回数というのが少ない。まあ多い時もあるんですけどね。その時は全然成績もだめなので、タッチが合わない時点で。

──大きなミスのないフェードを打っている方が、飛距離を出すよりも安定性が高いですか?

 ドローもずっと打っていて、打てるといえば打てるんですけどね。とりあえずそこにおいていければいいや、というような感覚ですね。どれだけ距離が残ろうが、とりあえずグリーンに乗せられたらそこで勝負できるので、無理して振る必要もないかなという感じです。

──谷原さんの背中を追って30歳、35歳になってからゴルフがうまくなるようにしていきたいと話している若い選手たちがいました、キャリアの中で一番うまいという感覚はありますか?

 いや、若い子は今でしょ(笑)!努力すれば報われる、ってよくあるじゃないですか。たぶん、努力し続けなければ報われないです。するだけでは報われることって少ないと思います。努力をずっとできるか、だと思います。今週もうまい若手と何回か回りましたけど、この子もう少しマネジメント良かったら優勝できるなっていう子もいました。そこが経験値の違いなのかなと。若い子は学べる場がいっぱいあります。そういうこと考えずに突っ走っていってほしいです。35とか40歳とかまだまだ先だし、自分だってその年の時は考えていなかったし。

──努力の継続が大事と気づいたのは、いつですか?

 20代の時からやっぱり練習していないと思っていました。若い子を見て、そこが少ないなというのはありますね。それだけスイングができていればしなくてもいいかもしれないですけど。

──ゴルフの最大の目標は何ですか?

 ないですね(笑)。今週なんかも34ホール回ってクタクタですけど。若い選手が出てきているからこそ、まだ続けていられるのかもしれないです。これが同世代ばかりだったら、嫌になってやめているかもしれないですし(笑)。入れかわりの刺激とか、忖度なく、尊敬の部分もあります。選手どんな子だろうが、リスペクトできる部分っていうのはあります。若い選手の刺激をもらっているから、頑張れているのかもしれません。

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