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道南の食卓

 函館の「船上活〆神経抜き釣鰤 下山スペシャル」

昔から一本釣りでブリ漁を行っている函館市戸井地区。現在は地区をあげて「船上活〆」などによるクオリティ管理に取り組み評価も高まっているが、さらに「船上神経〆」を施しオンリーワンのブランド魚として出荷しているのが、今年で漁師歴27年目を迎える、第21明宝丸の下山明仁さんだ。
時期により漁場は変わるが、取材時は港を出発してわずか5分たらずの近場での漁。下山さんは作業効率を上げるためにトローリング漁法を採用している。針を海に落とし、船を加速。釣り糸から伝わるわずかなサインを左手で感じ取り、右手で船を操縦する。釣り上げたブリは傷が付かないようスポンジの上で血抜きを行い、海水を流し込んでいるタンクに頭からまっすぐに入れ、放血を促す。すかさず針を海に落とし、次の漁にとりかかる。船上でひとりきりの慌ただしい作業。その合間に、放血後のブリの延髄に締め具を打って完全に締めたのち、神経索にワイヤーを挿入し「神経抜き」を行う。この間、まったく無駄な動きがない。処理したブリは水氷で冷やしながら帰港。水揚げ後は自宅の作業場で計量され、4kg以上のものは1尾ずつ箱に入れられるが、なかでも6kg以上の良型は「下山スペシャル」と命名され、専用のタグを付け出荷する。

函館の「船上活〆神経抜き釣鰤 下山スペシャル」 イメージ画像
函館(戸井地区)
下山明仁さん

「戸井地区では一般的にはブリ漁を5月〜12月に行っていますが、私は少しでも魚体が大きくなる7月から漁を行うようにしています」と、下山明仁さん。

第21明宝丸
下山 明仁(しもやま あきひと)さん

ブリは背中からさばくため、扱いやすいよう頭を右向きに。また、小口の客でも買いやすいようにと、小さめでも1尾ずつ箱詰めする。こういった出荷先への細かい配慮も、鮮魚店や飲食店に喜ばれている。

箱詰めイメージ

「鮮度保持の基本は完全放血すること。だから当然のごとく活〆を行っていたのですが、それだけだと筋肉の収縮が起き、身やけ(筋肉が持っている熱で、身が変色してしまうこと)を起こしてしまうので、神経も抜くことにしたんです」と下山明仁さん。近年注目が集まっている「神経〆処理」は、その迅速で繊細な技法から、「魚が締められたことに気づかない」ともいわれるほど。それだけに難易度も高く、一朝一夕にできるわけではない。それを下山さんは独学で習得したというのだから凄い。
船上での忙しい作業中も、下山さんはブリを釣り上げるたび、1尾ずつ4つの項目をメモする。水揚げした日、処理を行った時間、水揚げした場所、水深。「下山スペシャル」を出荷する際には、タグとともにこのメモも添えられる。「神経〆したブリは熟成させることでより美味しくなります。料理人が熟成の時間を計算しやすいよう、これらの情報を伝えています」と下山さん。「自分は美味しいブリをめざして、正直な魚を作るだけです」と謙遜するが、そのこだわりには感服してしまう。当初は、ワイヤーを入れた跡から「傷モノ」扱いされることもあったというが、いまでは市場でも、一般のブリとは別に、「下山スペシャルの競り」が行われるまでになった。

「下山さんのブリを4年ほど前から使っています。熟成して4日〜7日のブリは最高に美味しいですよ。今では彼のブリしか使っていません」と話すのは、「梅乃寿司 さくら通り」の大将・金丸正善さん。それまでは、定置網漁で捕れた一般的なブリの腹身だけを市場で買っていたそう。しかし定置網でとれたブリは、漁の際に魚が暴れることで内出血を起こすことが多く、買ってきた身をすべて使えないこともあった。今は、使いたい日を下山さんに伝えると、熟成期間を逆算してブリを届けてくれるという。「いつもキッチリ仕事をしてくれて、助かっています」と、下山さんへの信頼も厚い。
店で丁寧に熟成されたブリは上品な甘みがあり、これがブリであることを食べた後で知って驚くひとも多いという。「ブリが旬を迎える秋になると海が時化ることも多く、漁は大変ですが、下山さんが命がけで捕ってきてくれるから感謝しながら大切に使わせてもらっています」。

梅乃寿司 さくら通り
大将・金丸 正善(かなまる まさよし)さん

ほんのりピンク色をした美しい握りで
ブリの美味しさを改めて知る

「下山さんには、いつも腹回りのしっかりした『小顔』のブリをオーダーしています」という金丸さん。まず内臓と血合いをていねいに除いてから、低温で熟成していく。2日目くらいまではゴリゴリとした硬さがあるが、4日目くらいなると甘みがのって身もやわらかくなり、その美味しさのまま7日目くらいまでいただけるそう。「刺身ももちろんいいのですが、ウチのシャリは酢の香りが立っているので、このブリがよく合うんです」。おそらく多くの人にとって「初めての味」となるこのブリ。ぜひ実際に目と口でその味わいを堪能してほしい。「ブリの塩焼」は腹身を使用し、じっくりと焼いた逸品。皮と身の間が美味しいので、上品な甘みと脂身が楽しめ、酒の肴にもピッタリなひと品だ。

調理風景
「ブリの握り」1貫400円

「ブリの握り」1貫400円
「ブリの塩焼」1,000円

金丸さんと下山さん 「ブリの塩焼」1,000円

「出荷すれば終了、ではなく、美味しいものを届けるという責任を果たしたいから」と下山さん。プライベートでもときどき「梅乃寿司」に顔を出し、金丸さんと情報交換を行っているそう。

店舗紹介

ていねいな仕事が生きる寿司の名店

5月には桜のトンネルができる桜が丘通りに店を構える名店。先代が森町で開業し40年以上という老舗で、9年ほど前に函館に移転。道南の旬の食材を厳選するほか、全国の美味しい魚介を築地からも直送。7月〜12月には戸井や大間など津軽海峡産の本マグロも味わえる。おすすめは、季節のネタが楽しめる「おまかせ握り」11貫4,000円。食材の特性を熟知し、ひと手間加えて握られた1貫は、噛みしめるたびに味わい深い。

梅乃寿司 さくら通り

函館市柏木町1-19

■TEL 0138-55-3133
■営業時間 12:00〜14:00(ラストオーダー13:30)、
17:00〜22:00(ラストオーダー21:30)
■定休日 日曜
■駐車場 7台

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