自分に正直に
自分の言葉で発信する

リオ大会閉会式内で行われた次の開催都市・東京へのフラッグハンドオーバーセレモニーに主要キャストとして出演し、世界から注目される存在となった義足モデルのGIMICOさん。そもそも義足モデルになったのは、素材として写真や映像といった作品の一部になりたかったからだと語る。そして、作品を見る人に自由になにかを感じたり考えたりしてもらうため、素材であるGIMICOさん自身がメッセージを発することは避けようと、インタビューなどの仕事は断ってきた。ところが、リオ大会をきっかけに仕事内容に変化が生じた。

「インタビューやトークショー、ラジオ出演などを通じて自分の声をお届けする機会が増えました」

この変化の最大の要因は、自分の内面にあるという。

「キャリアを重ねるにつれて、創作物の素材となること以外の方法で表現できないかと考えるようになっていました。ちょうどそのタイミングでリオ大会閉会式に関わり、インタビューのオファーをいただきました。もともと文章を書いたり話したりするのが好きなタイプだったこともあり、このチャンスを活かして言葉での表現に挑戦してみようと思いました」

こうしてマスメディアに登場する機会を増やしながら、一方で、短文を投稿する「ツイッター」や、写真がメインの「インスタグラム」といったSNSを使い、そのときどきのできごとや想いを自分の言葉で発信している。このSNS、一種類を使いこなすだけならなんとかなりそうなものだが、複数を使い分けるとなるとそれなりの話題や手間が必要になる。そのため、複数のSNSから同一の情報を発信するケースが少なくないのだが、GIMICOさんの場合、ツイッターを「言葉遊び」、インスタグラムを「絵遊び」と表現して、その特徴ごとに使い分けているのだ。そこにも表現者としてのセンスや細やかさが感じられる。

「SNSを使えば誰でも自由に発信できるからこそ、できるだけ自分らしいものを発信していくことが大切だと思っています。それを面白いと思って気に留めてくれる方がいたらラッキーですよね」

とはいえ、なにかメッセージを伝えなくてはなどと堅苦しく考えているわけではなく、見たことや感じたことを気軽につぶやくことに徹している。ただし、一つだけ大切にしていることがある。

「インタビューでもSNSでも、うそをついたり、リップサービスをしないことにしています。そのため、時期によっては発言内容が180度違うことがあるかもしれませんが、人はときの流れとともに変わっていくもの。変化を恐れず、その時点での本心や事実を発信し続ければ後悔することもないと思っています」

自分にも人にも正直に――。信念を貫ける芯の強さと誠実さがGIMICOさんを内面から輝かせる。それが見る者の心を打つのかもしれない。

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