支えてくれる人たちのためにも、
頂点を目指したい

梶原選手が東京大会を現実の目標として意識したのは2019年1月のこと。日本代表合宿にて、東京大会に向けてダブルスのペアが発表されてからだという。その際、具体的な到達点も設定した。

「どうせ出るんだったら頂点を目指したいと、シングルスとダブルスの両方で金メダル獲得を目標に据えました」

とはいえ、その時点ではどちらも国内で2番手。そのままだったら、頂点はおろか、出場も難しいと自覚していたという。それでもあえて表彰台の一番高いところを目指すことにしたのは、どこかで満足してしまいそうな自分にカツを入れたかったからと明かす。しかし、その根底には中学時代の野球チームでの教えがあった。

「野球チームのコーチには常に、やるからには一番を目指せ、と言われていました。一番を目指すのとそうでないのとでは、練習内容も取り組み方も全く違いますから」

実際、東京大会の金メダルを意識しながら国際大会に参戦するようになると、自分の課題がはっきり見えるようになったという。

「間近で見て感じたトップ選手は、体力もチェアワークも僕とは全然別もので、もっとやらなければ、と切実に感じました」

試合後は、試合展開や反省点をノートに記した。試合を、そして自分自身のプレーを冷静に振り返ることで、「ここをもっとがんばろう」と思い、それを「がんばれば、もっと強くなれる」と前進へのエネルギーに変えた。

「試合で見つけた課題は所属チームでの練習で克服に取り組みました。練習への意識も高まり、より主体的になったと思います」

その結果、成績もぐんぐん向上。ついには2019年10月のデンマーク国際大会で、シングルスとダブルスの2冠を獲得する。これは梶原選手にとって国際大会初タイトルでもあった。「世界ランク1位と2位の選手が出場していなかったことも一因」としながら、手ごたえも感じたと語る。

「この大会で、チェアワークの感覚がつかめたような気がしています。うまく言えないのですが、『あ、こんな感じか』という感覚があって。それが勝利につながったと思います」

その翌月に行われたヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2019でシングルス・ダブルスともに3位となった梶原選手は、世界ランクも上昇。東京大会出場圏内に入ると、さらにその翌月の12月、日本障がい者バドミントン選手権シングルスで初優勝。国内トップに立つとともに、目標の金メダルも射程圏内に捉えた。

競技を始めてからわずか3年目。そう考えると、急成長ぶりには改めて驚かされる。その要因を問うと、梶原選手はしっかりとした口調で答えた。

「コーチや家族はもちろん、練習環境を整えてくださる方々がたくさんいます。そういった周りの方たちの協力が一番です。特に2019年度は高校3年生だったのですが、校長先生が『行ってこい』と背中を押してくださったおかげで世界を回れました。それがなければ、今の僕はいません」

だからこそ、勝利への想いも強い。

「支えてくださる方たちのためにも、負けられない。勝ちたい、勝たなければと思います。つくづく、パラバドミントンって、個人競技でありながら個人競技じゃないなと思います」

背後にいる仲間の想いを感じながら、コートに入り、対戦相手と対峙する。それはさながら、マウンドに立ち、バッターと対峙するピッチャーのようだ。「仲間の想いを背負いながらプレーするのは慣れていますから」――。そう頼もしく語る梶原選手。彼を頂点へ押し上げるものがあるとすれば、それは、多くの仲間たちの声援と、それに応えたいとまっすぐに競技に取り組む梶原選手の姿勢そのものだろう。

取材・文/TEAM A
※新型コロナウイルスの感染拡大で健康面を考慮し、今回はリモートでインタビューを行いました。

2020をきっかけに、もっと高みへ! ANAの挑戦

新しい時代にふさわしい、
新しい旅のカタチづくりに挑戦中です。

今回ご紹介するのは「ANAトラベラーズ オンラインツアー」です。

2020年初頭より、世界的に移動の機会が減っています。しかし、このような大きな環境の変化は、新しいチャレンジをする絶好の機会です。また、このような状況の中でも旅をしたいとお考えのお客様はたくさんいらっしゃいます。

そのため、国内・海外の旅をお届けするANAセールスでは、新しい時代にふさわしく、かつANAグループらしさあふれる新しい旅をお届けしたいと、新企画を立ち上げました。それが、パソコンやスマートフォンから気軽にご参加いただける「ANAトラベラーズ オンラインツアー」です。

オンラインツアーの実現に向けて社内でプロジェクトを立ち上げたのは、2020年10月、そこから1か月弱という短期間で新商品の企画からリリースまで行ったのですが、これはなかなか挑戦的な取り組みでした。特に発売から開催日まで時間が限られていたため、どのぐらいのお客様にご利用いただけるかなど、見えない部分もありました。しかし、おかげさまでこれまで想定以上のお客様にご利用いただけ、まずは安堵しております。

オンラインツアーで工夫したことの一つは、お客様にライブ感を感じていただくことです。そのための方法として、チャット機能を使ってお客様からご質問を募り、画面を通して回答するなど双方向のコミュニケーションができるようにしました。途中、音声が聞き取りづらくなるといったテクニカルな問題も発生しましたが、お客様にはお楽しみいただけたようで、「想像以上に楽しく、おもしろかった」といったお声をいただきました。何より、私たちにとっても、またほとんどのお客様にとっても初体験のことで、お客様とご一緒に新しい旅、新しい世界へ踏み出せたことに感慨を覚えました。

オンラインツアーの大きなメリットは、リーズナブルな価格、かつ短時間で気軽に旅をお楽しみいただけることです。オンラインツアーだからこそできること、行ける場所もあるでしょう。そう考えると、従来の旅行に加え、オンラインツアーもスタンダードな旅のカタチの一つになる可能性を十二分に持ち合わせていると、私たちは確信しております。そのためにも、使用機材や通信環境の改善、多様なプラットフォームの活用なども含め、お客様に楽しんでいただける商品をご提供できるように検討を重ねてまいります。

コロナ禍で移動の機会が減った分、人々の心にも距離ができているのではないかと感じる機会が増えました。しかし、どの国・地域にも美しい景色があり、おいしい食事があり、素晴らしい人々が暮らしています。オンラインツアーを通じて、そうしたことを世界中の方々にもう一度知っていただきたい。そして、世界は一つだと再認識していただくきっかけづくりができれば――。そんなことを思い描きながら、また何より私たち自身が失敗を恐れず楽しみながら、チャレンジを続けてまいります。

▼インタビュー
ANAセールス株式会社
コミュニケーション戦略部
(左)ヘ ミョウ社員
(右)ヴェンセック ギョーム社員

プロフィール

梶原大暉 - Daiki kajiwara -

パラバドミントン選手(WH2)

かじわら・だいき
2001年福岡県生まれ。
2017年、高校1年でパラバドミントンを開始。2020年度より強化指定選手となる。
2019年10月、デンマーク国際大会で、単複2冠で国際大会初タイトル獲得。

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