スポーツの魅力を感じてほしい

大橋選手の大きな魅力の一つは、飾らない人柄だろう。取材中も質問に対し、時折、戸惑ったり悩んだりしながら真摯に答えようとする姿が印象的だった。そんな大橋選手は、自分の性格を「スポーツ選手に向いているか分からないのですが」と前置きしながら、次のように分析する。

「負けず嫌いではありますが、どちらかというと平和主義。そして、面倒くさがりです」

その性格は泳ぎにも表れているという。大橋選手の泳ぎの特徴は、長い手足を活かした伸びやかなストロークと、水をつかむセンスと言われている。また、特に背泳ぎでは水しぶきが少なく、氷上を滑っているかのようと評されている。しかし、この特徴も大橋選手に言わせれば、「面倒くさがりだから」となる。

「疲れるのがイヤなんです(笑)。いかにラクに速く泳げるか考えた結果、今のような泳ぎ方になりました」

悩むとどん底まで落ち込むタイプでもあるという。しかし、それが競技力の向上につながっていると思えるようになった。

「さんざん悩んだり心配したりした末に、最後は自分がやってきたことを信じて、今日できる100%をやり切るしかないと、気持ちを切り替えられるようになりました。以前は常にポジティブな方がいいのかなと思っていましたが、どん底が深いほど、そこから浮かび上がる力も大きくなるような気がしています。そういう意味では、常にポジティブである必要はなく、徹底的に落ち込むことがあってもいいのかなと最近では考えています」

こうしてアスリートとして、人として着実に成長してきた大橋選手が出場を目指す東京大会。出場できれば、自身にとって最初で最後のオリンピックになるとの覚悟で挑みたいという。また、競技人生で一番心に残るレースにしたい、さらに、観てくれる人にスポーツの良さを伝えたいとも意気込む。

「オリンピックのような世界的な大会は、異なる国・地域の人たちが集まり、同じルールのもとで戦えるのが魅力ではないでしょうか。人生をかけて競い合う姿を見て、やっぱりスポーツっていいなと感じたり、子どもたちにあんな風になりたいと思ってもらえるとうれしいです。そのためにも、私を含めたアスリートたちが本番でベストパフォーマンスを発揮できるといいなと思います」

過去2回、女子主将を務めた大橋選手が代表選手に選ばれれば、チームをけん引する存在となることは間違いない。その際には、結果を出すだけではなく、過去の経験から得たことを伝えることで、チームを勇気づけ、鼓舞し、支えることもできるはずだ。それは、決して順風満帆でも早熟でもなく、一歩一歩、実績を積み重ねてきた大橋選手だからこそできることである。

大橋選手はトップ選手の条件の一つに、「トップに至る道のりを語ることで、人に夢を与えられる」ことを挙げる。大橋選手はすでに語るに値する軌跡を残している。あとは「出場する種目すべてで自己ベストを出し、メダルを」という自身の目標を達成するだけだ。この夏、東京アクアティクスセンターで大橋選手のはじけるような笑顔が見られることを期待したい。

取材・文/TEAM A
※新型コロナウイルスの感染拡大で健康面を考慮し、今回はリモートでインタビューを行いました。

2020をきっかけに、もっと高みへ! ANAの挑戦

客室乗務員の人間力を高める
教育訓練プログラムを開発しています

機内でのコロナ対策の様子

今回ご紹介するのは「客室センターのANA Care Promise」です。

新型コロナ感染症予防対策を軸としたANAグループの新行動様式「ANA Care Promise」。旅のあらゆるシーンにおいて、ムラなく一貫性をもってお客様に安心で清潔な環境をお届けするため、ANAグループが一丸となって取り組んでおります。

お客様に直接応対させていただく客室センターでは、コロナ禍においても安心して空の旅を楽しんでいただきたいとの想いを込めながら「ANA Care Promise」を実践する中で、お客様の価値観の変化やご要望の多様化を実感しております。

例えば、機内に持ち込まれた手荷物を座席上の物入れに収納する際のお手伝いや、お飲み物やお食事のご提供などの要不要は、お客様の価値観によるところが大きく、直接応対してみるまで分からないことも少なくありません。そのため、感染予防の観点からお客様と接する時間をコンパクトにしつつも、マスクの下の表情やご様子をしっかりと察するようにし、客室乗務員同士でこまめに情報共有したりすることで、ご要望の違いを見極め、お一人おひとりに寄り添ったサービスをお届けできるよう努めております。

また、シームレスやタッチレスをはじめとしたデジタル化、AIの活用による少人化などサービスの形も進化しておりますが、帰国の際にほっとできる機内空間をご提供したり、またANAに乗りたいと感じていただくためには、やはりデジタルやAIではない客室乗務員のおもてなしの力が不可欠と自負しております。そのため、ANAグループらしいサービスやおもてなしのあり方も、時代の変化に沿って見直すとともに、客室乗務員も成長していかなければなりません。

100人のお客様に対しては100通りのサービスがあり、100人の客室乗務員がいれば100通りのサービスがあってよいと私たちは考えております。その質を高めるためには、お茶の出し方や話し方といった基本的な手順に加え、お客様のご様子からご要望を察し、ニーズに応じたお声のかけ方やご提供するサービスを柔軟に変える力、少ない接点でサービスを最大化し、お客様の思い出に残るシーンを作る力が不可欠です。そして、それを可能にするのが教養を含めた人間力ではないかと考えています。

客室乗務員としての専門性と人間力に磨きをかけるべく、客室乗務員に対する訓練や教育についても内容の充実を図って参ります。新しい時代にふさわしい新しい空をけん引するエアラインとなるべく、また、再び日本に元気を取り戻す力となれるよう、ANAグループは強い決意をもって進化してまいります。そして、「次もANAに」と思っていただけるよう、お客様お一人おひとりの記憶に残るフライトをお届けすべく、客室センター一同、心を合わせて前進してまいります。

プロフィール

大橋悠依 - Yui Ohashi -

競泳選手

おおはし・ゆい
1995年滋賀県生まれ。幼稚園年長で水泳を始める。
2014年、東洋大学入学。女子200メートル・400メートル個人メドレー日本新記録保持者。
イトマン東進所属。

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