わずか3年間で達成した
2つの目標

今年3月のインディアンウェルズ(米国カリフォルニア州)。全豪・全仏・全英・全米の4大大会、いわゆるグランドスラムに次ぐ格付けの大会「BNPパリバ・オープン」開催を翌日に控えたその日、テニスファンの大人や子どもたちが何重にも人垣を作っていた。その熱視線の先にいたのは、昨年の同大会優勝者である大坂なおみ選手。一人ひとりの求めに応じてサインを書き、一緒に写真を撮る。そのていねいな対応ぶりに、ファンは感激しきりの様子だった。

この大会は、昨年から今年にかけて大坂選手が見せた大躍進のスタート地点と言ってもいいかもしれない。大坂選手は昨年、自身のツアー初タイトルをこの地でつかむと、その半年後の9月には全米オープンを、そして今年1月には全豪オープンをそれぞれ制し、グランドスラム2大会連続優勝という快挙を達成。同時に、女子シングルスの世界ランキング1位に駆け上がった。

「(プロテニスプレーヤーとしての)私の目標の1つ目はグランドスラムで優勝すること、2つ目は世界ランク1位になることでした。この2つを達成できて、うれしいです」

と、大坂選手も率直に喜ぶ。この2つの目標は、大坂選手の世界ランクがまだ3桁の頃から公言していたものだ。プロテニス選手ならば目指す高みではあるが、大坂選手なら必ずやそこに到達する。テニス関係者のだれもがそう感じていたのではないか。180センチの長身から繰り出す強烈なサーブとフォアハンドストロークの破壊力は、観る者に新時代の到来を予感させてくれるものだったからだ。とはいえ、これほど早くそのときが訪れるとは――。目標達成に向けて、17歳から具体的に動き出したという大坂選手自身、

「(3年間という)短期間で目標が達成できて、本当にうれしいです」

というほどの急成長ぶりだった。では、大坂選手を短期間で世界女王へと押し上げたものはなんだったのか。そこには、もちろん努力の日々があったと、大坂選手は明かす。

「(目標達成のために)人知れず努力を重ね、かなりの犠牲も払いました。両親は、非常に多くの力を注いで私たち姉妹※のキャリアを支え続けてくれています。また、選手生活をあらゆる面からサポートしてくれるすばらしい仲間たちもいます。(成功には)思いやりのある、前向きな人たちの輪に加わることが不可欠だと実感しています」
※姉の大坂まりもプロテニスプレーヤー

Back Number