積極的に話すからこそ
広がる新たな世界

流暢に話すことよりも、自ら積極的に話しかけることが相手との距離を縮めるのだという、韓国のときと同じような経験をしたのは昨年のことだ。
あるきっかけで、陸上十種競技の世界記録保持者にしてオリンピック2大会で金メダルを獲得したアメリカのスーパースター、アシュトン・イートン選手と話す機会があった瀬戸選手は、自己紹介の際、「僕は英語が上手じゃないので、英語を教えてください」と言ってみた。
すると、思いがけずイートン選手から日本に関することをいろいろと質問された。
「すごく良い人でしたね。日本が好きなようで、プライベートでも日本に来ている様子でしたよ。うまく話すことはできなくても、相手が何を言っているのかを少し分かるだけで新鮮だし、もっと英語を勉強したい、もっと話せるようになりたいと思いました」
世界を知れば知るほど、話し相手が増えれば増えるほど、自分の英語力の乏しさを痛感する。多くの日本人が経験するのと同じように、瀬戸選手も歯がゆい思いをしたことが何度もあるという。
「特に海外の空港を利用するときに、英語力のつたなさを痛感させられることが多いですね。水泳選手の場合、海外に行くときは長時間フライトになることが多いので、大会で良いパフォーマンスを発揮するためには機内での過ごし方がとても重要になってきます。だから、チェックインのときには、できるだけ足を伸ばせるように、『足元の広い座席』や、こまめに体を動かせるように『通路側』をリクエストするようにしているのですが、とっさのときにその単語が出て来ないことがあるんですよ」
海外の空港で乗り継ぎがあるときなどは、カウンターで席の希望を聞かれても適切な英語がすぐに出て来ず、固まってしまうことがあるという。そんなときは、もっと簡単に意思を伝えられたら良いのにと思うそうだ。
「多くの人にとって、外国を訪れる際の大きな不安の一つは言葉が通じないことだと思います。僕自身はさほど気にしませんが、真剣勝負に来ている選手たちの中には、言葉がストレスになる人もいるかもしれません。世界中の空港でスムーズにコミュニケーションが取れるようになると良いですよね」

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