ホスト国のアスリートとして

瀬戸選手が「金メダル」以外に2020年の目標として掲げていることは、ホスト国の一員として海外から来る水泳仲間たちに、日本の魅力を知ってもらい、日本を好きになってもらうことだ。
「僕自身、海外遠征のときはなかなか時間がないので、どうしてもプールとホテルの往復になってしまいますが、時間や体調が許す限り、できるだけ現地の空気を味わうようにしています。そういうときに頼りになるのがホスト国の選手。大会で知り合った選手におすすめのレストランを紹介してもらい、実際に行ったこともあります」

自分自身が海外で感じたことを、今度は日本でやってお返ししたい。
「2020年はホスト国の選手としておすすめのレストランを教えてあげたり、観光スポットを紹介したり、いろいろなことで頼りになる存在になりたいですね。せっかく日本に来てもらうのですから、やっぱりみんなに日本を気に入って帰ってもらえたらいいなと思っています」
世界中の人が日本を好きになってくれることもまた、瀬戸選手の願いだ。

(取材・文/矢内由美子)

『ANA コミュニケーション支援ボード』で
空港や機内のコミュニケーションをよりスムーズに

頻繁に海外遠征をしている瀬戸選手と同じように、海外を訪れる日本人や、日本を訪れる海外からのお客様にとって、渡航先で「言葉が通じるか」「きちんとコミュニケーションできるか」は大きな関心事です。現在、私たちANAは42の国と地域を就航地としています。そのため日本語や英語以外の言語を使われるお客様のご利用が増え、空港や便によっては、ご搭乗者の8割の方が現地の言語のみをお使いになるというケースも珍しくなくなっています。お客様にとって、自分の国や地域の言葉が通じにくい航空会社を使うことは、少なからず緊張を伴うはずです。実際、ちょっとした質問やリクエストが伝わらないことで、不安を感じる方がいらっしゃいます。
しかし、そんな状態では、旅の楽しみも半減してしまいかねません。縁あって当社をご利用になるお客様には、安心して快適な空の旅をお楽しみいただきたい。そんな思いから、2016年6月に導入したのが、タブレット端末『ANAコミュニケーション支援ボード』です。
このタブレット端末には、日々お客様と接している旅客係員や客室乗務員などの声を参考に、空港や機内でよく使用するフレーズを集めて収録。座席指定や入国書類の書き方、スペシャルミールのオーダーの確認といった一般的な問答はもちろん、緊急を要する対応や体調不良時の対応など幅広いシーンで使えるように内容を充実させています。
使用する言語の種類は、当社の就航地で使われている17言語とし、言語や聴覚に障がいをお持ちの方といった多彩なお客様ともスムーズにコミュニケーションができるよう、文字と音声はもちろんのこと、ピクトグラム※も収めました。音声は、温かみや親しみを感じていただけるようにと、客室乗務員がワンフレーズずつ録音。ピクトグラムは、世界中のお客様が一目で内容を理解できるものになるよう、試行錯誤を重ねました。さらに、筆談アプリとも連動させることで、コミュニケーションの幅を広げる工夫もしています。
おかげさまで、「言語が通じずに不安なご様子だったお客様にコミュニケーション支援ボードを使用してご案内したところ、安心されたようで笑顔になった」「涙を流して喜んでくださった」「何度もお礼をおっしゃってくださった」といった声が届いております。
一方で、使用シーンや内容の幅をさらに広げてほしいとのご意見もいただいております。今後も世界中のお客様に喜んでいただけるツールを目指して、使用シーンや内容の充実化をはじめとした改良を重ねてまいります。

瀬戸選手と同じく、ANAも2020年のホスト国の一員として、海外からのお客様により快適に空の旅を楽しんでいただくためのお手伝いができればと思っています。そして、ぜひ一人でも多くの方に日本を好きになっていただきたい。そのために私たちにできることを一つずつ実行してまいります。

※絵で表す視覚記号のこと

プロフィール

瀬戸大也 - Daiya Seto -

競泳選手

1994年、埼玉県生まれ。5歳から水泳を始める。
最も得意な種目は400m個人メドレーで、埼玉栄高校時代にインターハイ3連覇。
早稲田大学時代の2013年、2015年世界水泳選手権では日本選手史上初となる連覇を達成した。
昨夏のリオデジャネイロオリンピックでは銅メダルを獲得。
4月よりANA所属。

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