社会人アスリートとして、平昌の先も見据えて

姉妹ショットを撮影させてほしいという要望に応えてカメラの前に並んだ二人は、姉妹ならではのほほえましいやり取りを披露し、取材陣を笑顔にしてくれた。そんな二人に、アイスホッケーの話をすることはあるのかと尋ねると、遠慮がちに「たまに」と言う秦留可選手に対し、亜矢可選手は「いえいえ、よく話していますよ」と教えてくれた。

「妹は分析が得意で、アイスホッケーのプレー自体はもちろん、世界のアイスホッケー事情にも詳しいんです。スマイルジャパンでは、分析チームの一員として、試合ごとのシュート数のデータを収集分析したりして、チーム力アップにも貢献していました」(亜矢可選手)

その亜矢可選手は、この春に法政大学を卒業し、JOCの就職支援制度「アスナビ」を通じてANAに入社した。

「幼い頃からANAが大好きだったので、アスナビでANAに応募できると知ったときはうれしかったです。当然、第一にして唯一志望した企業です」(亜矢可選手)

亜矢可選手がANAを志した背景には、自身の経験がある。小学生時代に自宅のある釧路から母方の祖父母が住む東京へ、ANAの飛行機で一人旅をした際、キャビンアテンダント(CA)に優しくしてもらったこと。ソチ大会の最終予選に向かうにあたり、ANAに搭乗した際、防具バッグに「オリンピックの出場権を勝ち取ってください」という手書きメッセージ入りのタグが添えられていたこと。こうした経験が重なることで、ANAへの思いをふくらませていったそうだ。

社会人として第一歩を踏み出した亜矢可選手は、社会人アスリートとしてさらなる活躍を誓いながら、その一方で仕事も楽しみにしている。

「飛行機は単なる交通手段ではなく、夢をかなえる場所へと運んでくれる“かけ橋”だと思うんです。アスリートである限りは、競技に集中できる、この恵まれた環境に感謝しつつ、全力でプレーをして結果を出すことが仕事です。でも引退後は、私のように夢を追いかける方たちをサポートさせていただきたいと考えています。そのためにも、お客様にご満足いただけるおもてなしや気づかいができる環境づくりに挑戦したいですし、ご希望に応え続ける努力もしていくつもりです」(亜矢可選手)

平昌大会の2年後に開かれる東京大会は、夏の大会のため自分たちは出場しないものの、数多くのアスリート仲間が目指しているため、早くも楽しみにしている。

「アスリートという立場を活かし、選手目線でのサポートができたらと思っています。また、応援が大きな力になることを実感しているので、直接会場に足を運ぶなど、率先して盛り上げていきたいですね」(亜矢可選手)

「私も大好きな野球を中心に、いろいろな競技を観るのが楽しみです」(秦留可選手)

今度こそ、姉妹そろって平昌の表彰台へ――。その目標の先には、最高のスマイルで東京大会を盛り上げる自分たちの姿を思い描いている。

(取材・文/加藤じろう)

*バセドウ病とは、何らかの原因から甲状腺を異常に刺激する物質が作られることで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気。疲れやすくなったり、息切れしやすくなる。

世界のリーディングエアライングループへ
「努力と挑戦」ができる人財を育成しています。

ANAが目指す「世界のリーディングエアライングループ」を成し遂げるのは、何といっても「人」。だからこそ、ANAでは、早くから社員を「人材」ではなく「人財」と表現しています。この最大の資産であり、差別化の源泉である「人財」の育成を経営の最重要課題の一つと位置付け、開発に取り組んできました。
「ANAらしさ」や「ANAならでは」の実現のため、人財戦略の中でも重要視しているのが「チームスピリット」、そして「努力と挑戦」です。
ANAグループ全体が一体化して同じ方向を向いていくためのチームスピリットを持ち、グローバルな視野を持ってひたむきにたゆまぬ努力をし、自分の枠を超えて挑戦する。
こうした「チームスピリット」や「努力と挑戦」を体現できる人財を求めて積極的な採用や開発に取り組んでいます。

その一つがアスリートの採用です。世界に挑戦するアスリートの競技活動をサポートしたいとの想いから、JOCの就職支援制度「アスナビ」を通じた採用活動を実施。ANAグループでは今年度、床亜矢可選手をはじめ7名を採用し、現在、計12名に上っています。

このアスナビ採用のアスリートたちは、ANAグループ社員として、競技生活と仕事の両立を実践しています。また、社員に向けて、競技生活の実態や大きな大会でのエピソードなどを披露するセミナーや交流会を設けており、大会結果の報告や競技中に感じたことを共有しています。

社員にとっては、身近にトップアスリートがいることで、世界のトップを目指すことの意義や、その過程で必須の「努力と挑戦」の大切さを感じ取り、さらなる成長に向けて一歩を踏み出すきっかけとなっています。また、アイスホッケーのようなチームスポーツの選手たちからは、「チームスピリット」の重要性を学び、3万7千人のグループ社員たちが同じ方向を目指して「努力と挑戦」を続けることの大切さを再認識する機会にもなっています。さらに、同僚であるトップアスリートたちが大きな大会に出場する際に気持ちを一つにして応援することで、社内に一体感も生まれています。

こうしたことを通じ、社員一人ひとりがさまざまな価値観を共有しながら、個性や多様性を発揮できる人財へと成長していくことを目指しています。ANAだからこそ実現できる卓越したサービスをお客様にご提供できるよう、そしてお客様に心からの満足と「感動」をお届けできるよう、これからも努力と挑戦を続けてまいります。

2017年度入社のアスナビ採用社員

プロフィール

床 亜矢可 - Ayaka Toko -

アイスホッケー女子日本代表候補DF

1994年生まれ。釧路市出身。DFの中心的な存在としてスマイルジャパンの守りの柱を担うだけでなく、ソチオリンピックではチーム最多得点を記録した攻撃力も併せ持つ。2017年世界選手権にて大会ベストDFに選出。今春、法政大学卒業後、「アスナビ」を活用しANAに入社。SEIBUプリンセスラビッツ所属。

プロフィール

床 秦留可 - Haruka Toko -

アイスホッケー女子日本代表候補FW

1997年生まれ。釧路市出身。法政大学スポーツ健康学部3年生。ポジションはFW。所属チームの監督から「必ずスコアリングチャンスを作ってくれる選手」と高い評価を受けているプレーメーカー。趣味は野球観戦で、大谷翔平選手(北海道日本ハムファイターズ)の大ファン。SEIBUプリンセスラビッツ所属。

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