進化を続けるソウルフード！
「美食の国」として注目される日本のソウルフードの一つがラーメンです。豚骨や鶏ガラ、鰹節や昆布、野菜など、様々な素材を用いた出汁が、繊細な「旨味」となって口中に広がるスープ。太さや形、茹で加減、喉越しなど、細部にまでこだわってつくられた麺。そして、ローカルの人々に愛される店のエネルギッシュな空気感。日本でしか味わえない、至極のラーメンを巡る旅へ。
まずは豚骨ラーメンの本場、
福岡（博多）へ
ラーメンのスープは、基本的に「出汁」と「タレ」の組み合わせで味が決まります。「出汁」を取る素材には、豚骨や鶏ガラ、魚介類、野菜などがあり、「タレ」の味わいも醤油や塩、味噌など、地域によって様々です。なかでも、国内外の人々を魅了し続けるのが、豚骨ラーメン。至極の一杯を巡る旅は福岡から始まります。
福岡の中心地である博多は、数々の名店がひしめき合う豚骨ラーメンの激戦区。この地では、伝統の味を受け継ぐ職人たちが、日々、至極の一杯を求めて研鑽を重ねています。そんな博多で半世紀にわたって愛されるのが、「一九ラーメン老司店」です。
基本的に豚の骨（背骨と脛骨）と水だけで出汁をとる「一九ラーメン老司店」の豚骨ラーメン。「スープ室」では、毎朝4～5時間かけて、3基の巨大な釜で豚骨を炊きます。まろやかな味わいの豚骨スープは、職人の手仕事がなせる技。アクが出ないように丁寧に豚骨の下処理をします。麺の茹で加減も、職人の腕の見せどころ。丸みのある釜で麺を茹でることで、水が釜の中で対流し、ふっくら茹で上がります。
テーブルに置かれている紅ショウガやゴマ、胡椒、ラー油などを加えると、ラーメンの味わいに変化が生まれます。麺を追加で楽しみたいときは、「替え玉」を注文することができます。また、日本人がラーメンをすするのは、空気を取り込むことで、熱々の麺を口の中に運べるから。行儀の悪いことではありません。もちろんすすらなくてもOKです！
1965年の開店以来、伝統の味を守り続ける名店。
3世代で通う地元の常連客はもちろん、
福岡空港からタクシーで直接駆けつけるファンもいる。
福岡（博多）・東京（西新宿）
・北海道（札幌）
日本のなかでも、博多、西新宿、札幌は、ラーメン激戦区として知られる場所。その土地でしか味わえない特別なラーメン体験が、あなたを待っています。
屋台文化が残る博多で
地元の人々と一緒に
豚骨ラーメンをはしごする
博多は屋台文化が残された、日本でも数少ないエリア。こだわりの豚骨ラーメンとローカルの雰囲気を味わうラーメン体験を楽しんで。
ともちゃん
1979年開店の老舗で、古き良き屋台文化を思わせる人情味溢れた店。豚骨を最低2日間は炊くスープは、濃厚なコクと軽やかな後味が魅力。
よっちゃん
20代の店主が切り盛りする、エネルギッシュで開放的な屋台。観光客にも食べやすいようにとあっさりめに仕上げる。外国語メニューも用意されている。
日本には、お酒を楽しんだ後にラーメンで締め括る「〆のラーメン」と呼ばれる文化があります。日本で「〆のラーメン」を体験してみると、いつもとは違った味わいを感じられるかも！
個性豊かな屋台街を訪ねる
観光客が多く、川沿いの風景を楽しめる中洲の屋台街。ビジネスマンが多く、高層ビル群に囲まれた天神の屋台街。魚市場に近く、新たな屋台が続々と登場する長浜の屋台街。それぞれ雰囲気が異なる博多の屋台街を巡ってみるのもおすすめ。
最先端の高層ビル群と
ノスタルジックな下町風情
新旧の表情が共存する
西新宿で
名店を巡る
日本最大の繁華街の一つ、新宿。その西側に位置する西新宿を歩けば、高層ビル群の近くにレトロな横丁が広がる風景に出会えます。このあたりは、超有名店のラーメンの食べ歩きができる東京屈指のラーメンエリアです。
創始麺屋武蔵
鶏ガラと豚骨を中心とした出汁と、鰹節と煮干しでとる魚介系の出汁を合わせたスープで、日本のラーメンに新たなトレンドをもたらした店。
一蘭
日本で最も有名な豚骨ラーメン店の一つ。左右に仕切りのある「味集中カウンター」は、ラーメンと向き合ってほしいという願いからつくられました。
らぁめん満来
キリッと澄んだ醤油スープは、これぞ東京ラーメンという味わい。ボリュームたっぷりのチャーシューや麺も、半世紀以上愛される理由。
日本の食券購入システム
多くのラーメン店では、券売機で食券を購入します。どれを選べばよいかわからないときは、一緒に並んでいる人におすすめを尋ねるのも楽しい。
ノスタルジックな雰囲気漂う横丁を歩く
新宿西口思い出横丁は、小さな路地に約60店もの飲食店が集中するエリア。居酒屋や焼き鳥店などが軒を連ねる横丁を歩けば、古き良き日本の風景や、人情味豊かな人々との交流を楽しめます。
70年以上続く
味噌ラーメンの聖地
元祖さっぽろラーメン横丁で
本場の芳醇な味わいを
体感する
日本の最北に位置し、冬は雪景色に包まれる北海道。この地に暮らす人々に温もりを与えてきたのが、味噌を用いたラーメンです。「味噌ラーメンの聖地」といわれる横丁を訪れ、その濃厚なコクを楽しむ旅へ。
元祖さっぽろラーメン横丁
伝統的な味噌ラーメンから最先端の北海道ラーメンまで、様々な味わいを楽しむならラーメン横丁へ。1951年に「公楽ラーメン名店街」としてスタートしたこの横丁には、17店舗が軒を連ねます。
特一富屋
創業45年の名店。4種類の味噌を使った自家製ブレンド味噌を鯖節と豚骨からとったスープに合わせてつくるラーメンは、口当たりが柔らかで後味がすっかりしているのが特徴。
龍寿
北海道産の高品質のししゃもからとった濃厚な出汁と豚骨スープを合わせてつくる塩ラーメン。焼いたししゃもをトッピングすることもでき、食感まで楽しめる。
素材にこだわる製麺所が
数多く揃うのも北海道の特徴
北海道は小麦の産地として有名で、地産の小麦にこだわる製麺所も多数あります。北海道でラーメンを楽しむなら、麺の風味にも注目してください！
旬の食材が集まる札幌市民の台所へ
北海道名物の魚介類を楽しむには、札幌二条市場がおすすめ。150年ほど前に漁師が魚を売り始めたことをきっかけに誕生したこの市場には、新鮮な野菜や果物なども並び、地元の人々や観光客で連日賑わっています。寿司や海鮮丼を楽しめる店の他に、居酒屋もあります。
それぞれの土地に息づく
自然や文化とともに
その地域でしか味わえない
ラーメンを楽しもう！
47の都道府県からなる日本には 各地で愛されてきた「ご当地ラーメン」があります。
その土地の風土と深い関わりを持つ、伝統の味に出会う旅へ。
雄大な自然が広がる北海道。ここで愛されてきたのが味噌ラーメンです。羊蹄山や知床半島などの美しい風景を巡った後は、伝統の味噌ラーメンでエナジーチャージ！北海道ならではの楽しくておいしい旅が、あなたを待っています。
「北海道といえば、味噌ラーメン」というイメージを日本全国に広めた味噌ラーメンの名店。1964年の創業以来、職人が磨き上げてきた濃厚で深みのある味わいが魅力です。
サイクリング 羊蹄山一周
トレッキング 知床五湖 高架木道、地上遊歩道
カヌー 然別湖
四季折々の魅力にあふれる月山や、港町の歴史を今に伝える山居倉庫など、数々の見どころが点在する山形。山形は、日本で最もラーメンの消費量が多いことで有名です。
訪れる地域によって様々な種類のラーメンが楽しめます。
酒田ラーメンや米沢ラーメンなど、様々なラーメンがある山形。店主のこだわりに満ちたあっさり系の醤油ラーメンは、期間限定で昼のみの営業のため 「幻の中華そば」とも呼ばれています。
山居倉庫
丸池様
月山
会津磐梯山や猪苗代湖の豊かな自然、鶴ヶ城周辺の伝統的な街並みが楽しめる福島。そんな福島を象徴するラーメンが、喜多方ラーメン。太めの縮れ麺の滑らかな触感や出汁が効いた醤油味のスープが特徴で、朝からラーメンを食べる文化も根付いています。
出汁の旨味が強いスープや、もちもちとした麺、柔らかなチャーシューなどが喜多方ラーメンの魅力。「坂内食堂」は、喜多方にある100軒以上のラーメン店のなかでも御三家と呼ばれる老舗です。
会津若松城
大内宿
磐梯吾妻スカイライン
