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第02-001号 2002年1月4日 |
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「過去の常識」との訣別を 〜 「これぞANA」を具現化する知恵やヒントは現場にこそ隠されている 〜 |
社長 大橋 洋治 |
新年あけましておめでとうございます。 皆さん一人ひとり、決意も新たに新年を迎えられたことと思います。
21世紀の輝かしい幕開けを飾るべき2001年は、当社にとって激動の年となりました。9月11日に発生した米国同時多発テロ事件は、世界の政治・経済情勢をも大きく揺るがすと共に、航空会社にとっての生命線ともいうべき「安全運航」を根底から脅かすものでありました。 また、11月にはJALとJASの統合計画が発表されましたが、両社が今の形のまま経営統合することについては、適正な競争環境や利用者利便という観点から極めて大きな問題であると考えており、私も「統合には反対」という見解を、いろいろな場で表明しております。
しかしながら、私はむしろ2002年を「改革への絶好のチャンス」と位置付けております。なぜならば、テロ事件後文字通り「一変した」世界情勢や、JAL・JASの経営統合計画など、これまでには考えられなかった環境変化が当社を取り巻いており、言い換えれば、今年は全ての面において「過去の常識」との訣別を図るチャンスでもあるからです。 これを契機に、国内線最大手という「おごり」や「安心感」を捨て去り、強い危機感の中でグループ社員一丸となって、あらゆる面について、タブーなく見直しを図りながら構造改革を進めていく必要があります。
今年は、先に述べた2つの大きな外的要因に加え、4月の成田空港新滑走路のオープンも予定され、経営環境・競争環境が以前からは想像もつかない厳しいものになることが容易に想像されます。また6月にはサッカーのワールドカップの開催など国家的な行事も控えており、経験したことのない数のお客様を海外から日本にお迎えする年でもあります。 ANAにあってJALやJASなどの他社にはないものは何か、「これぞANA」と誇れるものは何であるのか、お客様が本当に求めていらっしゃるサービスとは何か。これらを見つけ出し具現化する知恵やヒントは、現場にこそたくさん隠されていると思います。「過去の常識」にとらわれず、社員皆さん一人一人が考え抜き、新しいアイディアとして声を上げていくことで、ANAとしての「真の構造改革」が実現できるのだと確信しております。
今年の12月1日、敬宮愛子様が1歳のお誕生日をお迎えになる同じ日に、ANAは創立50周年を迎えます。孔子はその年を『五十にして天命を知る』と説いています。まさにANAグループにおいても、今年を境にこれまで培ってきた知識や経験を携えて、過去と訣別した厳しい環境の中で真の競争社会に打って出る重要な年と位置付け、ANAグループ社員一丸となって新しいステージを切り開いていこうではありませんか。 |
以上 |
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