株式会社東芝(以下、東芝)は、全日本空輸株式会社(以下、ANA)と協力して、ボーイング社が開発中の次世代民間旅客機ボーイング787型機ドリームライナー(以下、787)の整備に用いられるポータブル型超音波非破壊検査装置*1(以下、ポータブル型装置)を開発しました。 このポータブル型装置は、先進複合材・CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)が大量採用される787の機体構造検査を高い精度で、効率よく行うことを目的に開発されました。東芝が既に製品化しているポータブル型の超音波非破壊検査装置をベースとしており、CFRP特有の内部損傷を高精度な3次元画像で検査することが可能です。 ANAは世界で初めて787を導入し、2008年5月に初号機を、その後順次計50機を導入する予定です。このANAの持つ航空機整備に関する豊富な経験を得て、787の検査・整備用に適した小型・軽量で、操作性、視認性に優れた装置の開発を実現しました。 両社は、787開発の初期段階よりボーイング社に対してCFRPの効率的で正確な超音波検査機器の開発を提案してまいりました。今回開発した787用ポータブル型装置は、ボーイング社が定める787の検査要件を満たし、ボーイングによるテストをクリアしたことで、国内メーカーが開発した超音波非破壊検査装置としては初めて、ボーイング社のメンテナンス用指定検査装置に採用されました。 東芝は、このポータブル型装置を、2008年度から発売開始の予定です。
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超音波カメラ技術と画像化処理技術により、金属や樹脂といった材料で作られた部品の内部欠陥を3次元画像化する検査装置です。 |
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