NEWS ANA

第09‐021号
2009年1月30日


ANAグループ中期経営方針について
〜 2009年度は、生き残りをかけ「緊急対策プラン」を実施 〜
〜 当面の危機を乗り越え、経営ビジョンの達成へ向けた成長シナリオを描く 〜

 ANAグループでは、世界同時不況に起因する急激な経営環境の悪化に適切に対処し、2010年の首都圏空港(成田・羽田)容量拡大というビジネスチャンスを確実にとらえることにより、事業を成長軌道に乗せていくための「ANAグループ中期経営方針」をとりまとめました。

 現行の「2008〜11年度中期経営戦略」では、「イノベーション」と「グローバリゼーション」という二つのキーワードを掲げ、成長分野である国際線旅客事業および貨物事業の拡大を図ってまいりました。しかし、世界同時不況による需要の急速な減退という状況に直面し、従来の計画を大幅に修正せざるを得ない状況となりました。

 今般の中期経営方針では、現在の厳しい環境が今後当面の間続いていくという前提の下、事業の見直しとコスト構造の大胆な見直しによって、これを乗り切るための「2009年度緊急対策プラン」の実行に取り組むとともに、2010年に予定されている首都圏空港の容量拡大をチャンスととらえ、成長の軌道に乗せるための戦略策定を進めてまいります。

 ANAグループを取り巻く環境は大きく変化しておりますが、「アジアを代表するエアライングループを目指す」というビジョンは変えることなく、安全運航の堅持を第一義として、2010年以降の大きな飛躍を目指して努力してまいります。

 
 
1.期間中における方針の位置づけ
(1)2009年度: 経済環境の激変に伴う「緊急対策プラン」
2010年以降の成長戦略の骨格作りを行います。
(2)2010〜13年度: 首都圏空港容量拡大以降、大きく成長する飛躍期間
さらなる「質的経営」への転換を図り、経営ビジョンを達成します。
 
 
2.生き残りをかけた、2009年度緊急対策プランの実行
 2009年度は経営環境悪化がピークを迎えるとの前提を置かざるを得ず、事業見直しと収益性改善により、これを乗り越え2010年度につなげるための緊急対策(サバイバル)プランを3月末までに成案化し、実行します。
(1) 需要減少に応じた事業の見直し
   需要動向を見据えた路線の見直し(1月28日発表済み「2009年度ANAグループ航空輸送事業計画を策定」)と、供給調整や生産資源の再配置による収益改善を目指します。
   
(2) コスト面での事業構造の抜本的強化
   事業規模・生産量の抑制による運航変動費の削減、一般管理費用やオペレーションコストの抜本的な見直しを行うとともに、戦略的投資以外の投資の一部延期や規模の縮小により、コスト構造の抜本的強化を図ります。
   
(3) 人件費の削減
   役員報酬の減額をはじめとする人件費削減策を実行します。
 
 
3.2010年の首都圏再拡張に向けて
 2010年の首都圏空港容量拡大をチャンスととらえ、「成長し続けるエアライングループ」を目指し経営ビジョンを達成するため、2009年度中に新たな中期経営戦略(2010〜13)を策定いたします。本中期経営方針においては、生き残りをかけた緊急対策の確実な遂行とともに、将来の飛躍に向けた準備として以下の個別戦略を実行いたします。
(1) フリート戦略
   ボーイング787型機については、2010年2月の初号機導入以降、「ローンチカスタマー」としての優位性を生かし、加速度的な導入促進を図ります。(2011年度末までに約20機)これにより、他社に先駆けて「燃費効率の優位性」「プロダクト競争力の優位性」「環境への高い貢献」を実現します。
   
(2) 商品マーケティング戦略
   「商品戦略」を経営上の重要なテーマと位置づけ、ブランド戦略の展開とともに長距離国際線新プロダクトの導入により、アジアでトップの「クオリティ&顧客満足」を実現します。
   
(3) グループ事業構造のさらなる強化
   柔軟で効率的な運航体制を追求するとともに、既存の組織体制や業務プロセスなどのあり方を大胆に見直し、強いオペレーションを実現できる体制を構築します。
   
(4) 事業戦略
  [1]国際線事業
   首都圏空港容量拡大による発着枠増加を最大活用し、欧米長距離路線を軸とする路線拡充と提携戦略の深化により、ネットワーク競争力の強化を図ります。
   
  [2]貨物事業
   沖縄ハブを基点とする「エクスプレス事業」の推進を戦略の柱とし、アジア就航地点数の増強、地上輸送を含めた提携戦略の強化を図ります。
   
  [3]国内線事業
   よりきめ細やかな需給適合と羽田を中心とするシンプルローテーションを構築する一方で、地域との連携の強化によりネットワークを堅持してまいります。
 
 
以上
 
 
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ANAグループ中期経営方針について