 
第 10-3号 平成10年1月12日
全日空・エアーニッポン 共同リリース "YS-11オリンピア"を香川県に寄贈
〜YS-11が「さぬきこどもの国」のシンボルに〜
全日空は1月19日(月)に、YS‐11オリンピア(JA8743)を香川県に寄贈いたします。寄贈後は、高松空港に隣接した「さぬきこどもの国」で7月より一般公開される予定です。 寄贈されるYS‐11オリンピアは、昭和44年8月に全日空が受領したもので、全日空所有のままエアーニッポンがリースし運航していたものです。昨年9月11日のエアーニッポン500便(稚内→丘珠)を最後に現役を退きました。これからYS‐11オリンピア(JA8743)が送る第二の人生が児童・青少年の健全育成に少しでも役立てばとの願いを込め、香川県に寄贈することとしたものです。 「さぬきこどもの国」は、平成7年に高松空港に隣接した25ヘクタールの敷地に開設された児童の健全育成の拠点施設です。園内には、子供たちが体験型の遊びを通じて創造性や科学に親しむ心を養うことができるよう航空機に関する設備や種々の遊具が設置されています。 YS‐11は、戦後初で唯一の純国産旅客機として日本航空機製造(株)の設計のもと、国内の重工・航空工業計6社が共同して製造し、昭和37年8月に初飛行を行いました。昭和39年9月には、全日空が日本航空機製造からリースしたYS‐11がギリシャから沖縄に到着した東京オリンピックの聖火を日本各地に空輸し脚光を浴びました。全日空での「オリンピア」の愛称はこの聖火空輸にちなんでつけられたものです。昭和40年9月、全日空の大阪〜高知線を皮切りに定期航路に就航、その後昭和53年4月には日本近距離航空(現、エアーニッポン)路線でも運航を開始しました。昭和47年にYS‐11の製造は終了(製造総数は182機)となりましたが、現在もエアーニッポンを始めとする各社で近距離路線の主力機材として活躍しています。 寄贈されるYS‐11オリンピアは、1月19日(月)に伊丹空港から高松空港に回航され、高松空港到着(午前10:45到着予定)後、香川県主催の引き取り式が行われる予定です。
以 上 【参考資料】 YS‐11オリンピアの概要
1. 歴史
昭和37年8月30日 |
第1号機初飛行 |
昭和39年9月9日 |
東京オリンピックの聖火を沖縄から日本各地に空輸 |
昭和40年7月29日 |
全日空、1号機を受領 |
8月 23日 |
全日空、愛称を「オリンピア」に決定 |
9月 20日 |
全日空、運航開始(大阪〜高知線) |
昭和47年 |
182機で製造終了 |
昭和53年4月1日 |
日本近距離航空(現、エアーニッポン)路線投入(東京〜大島・三宅島線) |
平成3年8月 31日 |
全日空グループの運航をエアーニッポンに一元化(全日空から退役) |
平成10年1月 |
現在エアーニッポン、12路線で運航中 |
2. 使用機数
全日空 |
総使用機数 |
:42機 |
ピーク時使用機数 |
:32機(昭和47、48年度) |
エアーニッポン |
現在の使用機数 |
:11機(所有機:8機、全日空所有機:3機、今回寄贈分を除く) |
3. 諸元
全長 |
:26.3M |
全幅 |
:32.0M |
全高 |
: 9.0M |
客席数 |
:64席 |
巡航速度 |
:450km/h |
航続距離 |
:1,200km |
最大離陸重量 |
:25t |
運航乗務員 |
:2人 |
客室乗務員 |
:2人 |
エンジン |
:ロールスロイスMK543×2基 |
4. JA8743(寄贈機)データ
製造者 |
:日本航空機製造株式会社 |
型式 |
:YS‐11A‐500R型 |
製造番号 |
:第2115号(182機中、第115号機) |
経歴 |
:昭和44年8月19日 全日空受領 |
昭和44年8月25日 全日空運航開始(全日空241便 伊丹→長崎) |
平成9年9月11日 ラストフライト(エアーニッポン500便 稚内→丘珠) |
総飛行時間 |
:54,722時間51分 |
総飛行回数 |
:58,705回 |
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