秋田県 湯沢市 Yuzawa,Akita ANA FURUSATO Payment of taxes

絶品の稲庭うどん。職人気質が黙々と守る、湯沢市の“クオリティ”

お米に日本酒、うどんに木工など、秋田県湯沢市が誇るものは多い。にもかかわらず「何もない」というのが、地元の自己評価だったらしい。それは多方面で評価される現在も変わらないそうだ。いいものを作ることが、この土地の日常なのだから。
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湯沢市ひびく・つながる創造課 菅原 大さん 湯沢市ひびく・つながる創造課 村山 俊文さん

こんなものが人気になるなんて!地元の当たり前が、全国に評価される

秋田県の南の玄関口に位置する湯沢市には、名物が多い。日本酒に稲庭うどん、川連漆器、曲げ木家具、秋田仏壇など実に豊富だ。

「基本的に物静かな人が多いです。いいものを作って当たり前という真面目な生産者さんが多いんですね」

こう語るのは、湯沢市ひびく・つながる創造課の村山俊文さん(写真右)。控えめに語る村山さん自身も、きっとそんな気質だ。隣に座る班長の菅原 大さんはこう続ける。

「首都圏にいる方は、『もっとPRしたらいいのに』とおっしゃるのですが、そういう性格じゃないんです(笑)。いいものを作ることが当たり前。それが日常なので」

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そんな調子だから、「湯沢市には何もない」というのが、もっぱら地元の人の評価だったらしい。しかし「ふるさと納税」の取り組みにより、地元で当たり前のものづくりが、全国レベルで評価されることに気づかされる。

「反応がよくて驚きましたよ。朝どれの野菜をわざわざ秋田から取り寄せるほど人気だなんて、地元の我々には思いもつきませんでした。東京近郊にも野菜の産地はあるでしょうから」(菅原さん)

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佐藤養助商店 工場長 高橋 忠さん

150年の歴史を誇る稲庭うどんはすべて手作りじゃないと出せない味

古くから湯沢市の名産といえば、なんといっても日本三大うどんのひとつである稲庭うどん。江戸時代から高級品として知られており、明治時代に皇室への献上品として全国区になった。150年以上の歴史を誇る老舗・佐藤養助商店では、今も全ての工程が職人による手作りだ。

「機械ではできないんです。その日の気温や湿度で、配合もぜんぜん違います。繊細な指を使って確かめながら作るんです。一通りできるようになるまで10年くらいかかりますよ」

こう語るのが、この道27年目の工場長・高橋忠さん。清らかな水と塩、厳選された小麦粉で3日間かけて作られる。まず1日目は塩水と小麦粉を手で練り、団子状にして数時間熟成させたのち棒状に伸ばし、桶に渦巻状に巻いて一晩寝かせる。ここから2日目が腕の見せどころだ。2本の棒に編むように生地を掛けてさらに細くしていくと、やがてひも状になる。

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「ここから1日かけて乾燥させて乾麺にします。手作りならではの気泡が入るのですが、それがほかにはないコシと弾力に繋がるんですよ」

実際にいただいてみると、実になめらかでみずみずしいのど越し。強いコシを感じる噛み応えの後に、小麦の香りが口の中にふわっと広がる。

「私らも毎日食べてますよ。やっぱり美味しいですねぇ。だんだんと欲が出てくるもので、もっと美味しいものにしたいと思ってくるんですよ。この味と製法を後輩に伝えていかないといけませんね」

地元の味は地元で味わってほしい。「ふるさと納税」を通して呼びかける思い

「これは酒蔵の方の話なんですけど、輸送などで取り寄せたものは本来の地酒ではないんだそうです。一番相性の良いその土地と水で育った食べ物と合わせてこそ、地酒の味は生きるんだそうですよ」

菅原さんはこんな風に話す。その土地の味はその土地で味わってこそ、もっともおいしいということ。

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「ANAはエアラインの会社なので、利用者の方々に直接アプローチできることはすごく大きいと考えています」と湯沢市の期待は大きい。ジオパークを有する湯沢市には温泉も豊富だ。

「酒蔵の受け入れ体制も整っています。観光客がひょっこり遊びに来ても見学や試飲ができるフレンドリーな酒蔵も多いんです。また自然にできた源泉掛け流しの滝があったり、温泉地としても有名ですよ」(村山さん)