山形県 庄内町 Shonai,Yamagata ANA FURUSATO Payment of taxes

美しい環境とお米の美味しさを守る、庄内町の取り組み

お米が美味しいことで有名な山形県の庄内平野。そんな庄内平野の北西部に位置する庄内町から、今年もいよいよ新米の便りが届いた。メダカが住めるほど澄んだ水が作る、ふるさとの味わいには舌鼓を打つばかりだ。
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米農家 佐藤 昭一さん

「メダカの生態を守る」。小学生の発想が、新しい名産を産んだ

田んぼが黄金色に染まり始め、稲穂が頭を垂れる9月初旬。庄内平野はこれから始まる賑やかな収穫の季節を目前に控え、静けさの中にも心が躍るような明るさを感じる。14ヘクタールあるという佐藤昭一さんの水田も、周囲と同様にすっかり水も引けているが、1ヶ月ほど前は賑やかな“住人”の姿が溢れていたらしい。

「『メダカを守りたい』という子どもたちの夢を叶えてやりたいということで、日本古来からいる絶滅危惧種の黒メダカを水田に放したんです。メダカが虫を食べてくれるから、自然に近い状態で収穫まで育てることができるんですよ」

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取り組みが始まったのが約15年前。地元小学校の4年生の課外授業の一環として、水田でメダカを守り育てながら、稲作を行うというもの。メダカが生息できるほど上質な水源を有する米どころならではの、贅沢な学びの取り組みだ。

「近所にメダカ専用の池があって、休耕中はそこに住んでいるんです。水田に水を張って田植えをしたら放して、秋にはポンプを使って一箇所に集めて池に戻します」

そんな活動が評価され、県内外から注目を集める。「子どもたちの発想があってこそです」と佐藤さんも感慨深げだ。

日照りに恵まれて、今年の新米の出来は上々!

かくして収穫されたメダカ米は、山形が誇る「はえぬき」という品種。サッパリとした味わいが特徴で、ご飯そのものにも存在感があるが、おかずとの相性も良いのだとか。ツヤツヤと光る新米はみずみずしい味わいで、おかわりせずにはいられないほど。しかし、出回る数は多くないのだそう。

「7000俵しか獲れないんです。ファンが多いので、もう在庫はありません。一般販売もしていますが、東京のごく一部のスーパーで買えるだけなんです」

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最近では、メダカ米を醸造して日本酒にもしているという。名付けて「メダカライス純米酒」。食用米から作った贅沢なものだそう。お酒として皆さんの食卓に並ぶのは、いよいよこれからだ。

「今年は日照りが多かったので、まずまずの出来映えですよ。庄内は穏やかで天候に恵まれました。やっぱり収穫の季節は嬉しいね。そしておいしいと言ってもらえることが、何よりうれしい」

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庄内町情報発信課 五十嵐 祐さん

「地元の味はやっぱり違う」。美味しい米作りは、次の世代へ

収穫に心を躍らせるのは農家ばかりではない。庄内町情報発信課の五十嵐 祐さんも、新米を返礼品として届けることを心待ちにしているひとりだ。

「庄内町に寄附をいただいた方の約8割が、返礼品としてお米を選んでいるので、庄内町といえばやはりお米なんです。町全体で収穫を祝う秋祭りのイベントがあって、やっぱり盛り上がる季節ですよね。出勤中に至るところでコンバインが稼働している風景は、秋の風物詩ですよ(笑)」

当然「ふるさと納税」でもお米が人気だが、取り組みの当初まで遡ると、返礼品の中にお米はラインナップしていなかったそう。

「最初のころはフォトフレームとかを出しているだけだったと聞いています。ここ3、4年でお米を出したときは、問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったそうですよ」

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五十嵐さんは、東京からふるさとに戻って役場に勤めた経歴を持つ。故郷が様々な取り組みをして盛り上がることに、うれしさを感じているという。

「お米を使ったかりんとうを販売するなど、東京から庄内に戻った若い人が新たな事業をやっていて、いい意味で人が循環して世代を重ねていければ良いなと思いますね。そして興味を持ってもらった人には、ぜひ訪れてほしいです」