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掲載日:2017.05.11

海外で人気のアウトドアレジャー「ロングトレイル」をはじめよう!

「ロングトレイル」というアウトドアレジャーをご存知でしょうか?山や森のハイキングコース、里の古道、街なかの路地をつなぎ、長距離にわたって歩く旅のこと。登山のように山頂を目的地とせず、その土地の自然や文化にふれられるアウトドア旅として、海外では人気のレジャーです。最近は日本各地にも気軽に歩けるコースが続々。そこで、今回はアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんに、初心者におすすめの国内コースから、いつかはチャレンジしたい海外のコースまで教えてもらいました。
ANAオリジナル

みちのく潮風トレイル(青森県、岩手県、宮城県、福島県)

岩手県宮古市の「浄土ヶ浜」は、三陸海岸を代表する景勝地
写真提供:環境省

みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐトレイルコース。美しい断崖やリアス海岸など海の景観をダイナミックに感じられるのが最大の魅力です。海の存在を近くに感じて、潮風のにおいとさざ波の音を感じながら歩くことができます。

被災したキャンプ場を残した「震災メモリアルパーク中の浜」
写真提供:環境省

三陸復興国立公園を中心としたみちのく潮風トレイルでは、復興のいまを知ることもできます。「トレイルのなかで被災した建物を訪れたり、地元の人とのふれあいのなかでも震災のお話を聞かせてくださったりしたこともありました」(四角さん、以下同)

八戸の朝市の食堂で海の幸を満喫する四角友里さん
写真提供:志鎌康平

自然のなかを歩いたあとは、やはり食!
「みちのく潮風トレイルは、三陸の海の幸が食べられるのもいいですね。八戸市区間では、朝市の食堂でごはんを食べました。また東北には、青森の八幡馬(やわたうま)や南部裂織(なんぶさきおり)、仙台のこけしなど、かわいい民芸品がたくさんあって、お土産選びも楽しいですよ」

みちのく潮風トレイル

問い合わせ:環境省東北地方環境事務所
URL:http://tohoku.env.go.jp/mct/

九州自然歩道(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)

5月の「タデ原湿原」
写真提供:くじゅうファンクラブ

九州自然歩道は、九州7県をすべてつないだロングトレイルコース。太宰府天満宮や黒髪山、雲仙普賢岳、阿蘇、くじゅう、高千穂、指宿温泉などを歩いて訪ねることができます。そのなかでも四角さんのおすすめは、温泉を拠点にしたトレイルハイク。実際に、大分のくじゅう連山にある法華院温泉山荘に泊まって2泊3日で辺りの山を歩いたのだそう。

四角さんがトレイルの拠点にした「法華院温泉山荘」。良質の温泉があり、ごはんもおいしい
写真提供:四角友里

四角さんの行程

1日目:長者原~坊ガツル
2日目:平治岳~大船山~坊ガツル
3日目:中岳~久住山~牧の戸峠

ミヤマキリシマが咲き誇る6月の「平治岳」
写真提供:くじゅうファンクラブ

「法華院温泉山荘は、四方をくじゅう連山の美しい山に囲まれた場所。この場所にいるだけで山に包まれてしあわせな気持ちになりますし、『あの山も素敵、この山も行ってみたい』と選び放題のような贅沢な気持ちに(笑)。法華院温泉山荘の付近には、素敵なキャンプ場もありますし、こうしたベースキャンプ滞在型の歩き方もおすすめです」

九州自然歩道

問い合わせ:九州自然歩道フォーラム(特定非営利活動法人グリーンシティ福岡内)
URL:http://www.kltf.info/

香港トレイル(中国・香港)

香港の街が一望できる「ドラゴンズ・バック」
写真提供:香港政府観光局

100万ドルの夜景で知られる香港ですが、意外にもネオンの裏側には雄大な山々が広がっています。香港にはいくつもの小さなハイキングコースと、50~100kmに及ぶ「香港四大トレイル」(ホンコン、ランタオ、マクリホース、ウィルソン)と呼ばれるロングトレイルコースがあります。距離の長いコースでは、セクションハイク(トレイルの一部を歩くこと)も可能。
「街から1時間かからないで行けるトレイルコースもありますよ」

飲茶で腹ごしらえする四角さん
写真提供:四角友里

なかでも、観光客も多いのがホンコン・トレイルの「ドラゴンズ・バック」のセクション。
「街と美しい海を見下ろせる場所として有名です。街からも近いので、日帰りハイキングの朝は街で飲茶を食べてから出発しました。また、マクリホース・トレイルでテント泊したときの朝も、市場で地元食材やフルーツなどの食糧を買って行き、下山後も何を食べるか楽しみでした。海外まで来たのにインスタントラーメンになってしまうとさみしいですが、香港トレイルでは食も充実します!」

香港トレイル

問い合わせ:香港政府観光局
URL:http://www.discoverhongkong.com/

ミルフォード・トラック(ニュージーランド・南島)

降水量の多いミルフォード・トラックは、水の豊かさも印象的
写真提供:四角友里

たくさんのロングトレイルのあるニュージーランドでも、特に素晴らしい景観と整備されたトレイルを誇るのが“グレート・ウォーク”と呼ばれる9ルート。そのなかでも、「世界一の散歩道」と称されるのが、ミルフォード・トラックです。
「ここは、先住民族のマオリ族が『翡翠のあるところ』と呼び、世界遺産にも登録されたエリア。シダと苔むす緑の深い森のなかを歩きます。なかでも氷河で削られてできたU字谷渓谷やフィヨルドの入り江は絶景。そこはまるで、地球の美しさのすべてを集めた自然の箱庭のようです」

ミルフォード・トラックのハイライト「マッキンノンパス」
写真提供:四角友里

ミルフォード・トラックは全長約53kmに渡る登山道。2つの方法で歩くことができます。
「1つめのインディペンデント・ウォークは、3泊4日をかけて日本でいう山の無人小屋のような場所(ハット)に宿泊。テントとマットレスは必要なく、寝袋と調理道具、そして食糧を背負って個人で歩きます。もう1つはガイドウォーク。4泊5日(山中3泊)でシャワーとベッドと食事付きの山小屋(ロッジ)に宿泊するガイド同行の歩き方です。体力と予算にあわせて方法を選べるのも魅力です」

ニュージーランド固有種の鳥との出会いも魅力のひとつ
写真提供:四角友里

ミルフォード・トラックは、フィヨルドランド特有の大絶景のほか、小さな動植物に出会えます。
「ニュージーランドは、もともとは哺乳類がいない鳥の天国だったんです。そのため、飛ばない鳥などの珍しい固有種に会うこともできます。ハイカーが歩くと土が掘り返されるので、地中の小さなエサを求めて、小鳥が後ろを追ってきたり、ときには足にちょこんと乗ってくれたりすることもあって、とってもかわいいですよ」

ミルフォード・トラック

問い合わせ:ニュージーランド政府観光局
URL:http://www.newzealand.com/jp/

ジョン・ミューア・トレイル(アメリカ・カリフォルニア州)

シエラネバダ山脈の美しさは格別
写真提供:加戸昭太郎

世界中のロングトレイルを目指す人にとって、憧れの場所ともいえるのがジョン・ミューア・トレイル。アメリカで「自然保護の父」と呼ばれるジョン・ミューアの功績をたたえて名づけられました。その距離は340kmにも及び、全行程を歩くには1か月近くかかります。
「1日の入山数が限られているので、許可証も必要ですし、テントのほかに熊対策の食糧ボックスも携帯します。でも、それは大自然に人間がお邪魔させてもらうための礼儀のようなもの。それ相当の準備や覚悟、体力も必要です」

風もなく、見たこともないような青さの水面に、景色が映る
写真提供:加戸昭太郎

ジョン・ミューア・トレイルの美しさは、やはり感動の一言。
「サウザンド・アイランド・レイクスは『1000の小島がある湖』という意味の絶景スポット。灰色の山と緑と青だけの大きな自然のなかにいる感覚は、ほかでは味わえません。道を歩けば、リスやマーモットがお出迎え。高山植物にもたくさん出会えました」

テントの上には、まさに星空が降り注ぐ
写真提供:加戸昭太郎

スタート地点のヨセミテ国立公園付近のハイキングならば、日帰りも可能だが、長くなればなるほど楽しくなるのもロングトレイルの魅力。
「3日くらい経つと、山での生活が体になじみ、時計を気にせず、太陽の動きで1日を過ごすようになります。山のなかに身をおいて寝泊りすると、まるで自分が自然のなかに溶けていくかのよう」

ジョン・ミューア・トレイル

問い合わせ:カリフォルニア観光局
URL:http://www.visitcalifornia.jp

ロングトレイルは、本格的な登山から観光的な要素の強いものまでさまざま。まずは、国内の身近なコースから出かけてみてください。

【取材協力】 四角友里さん

アウトドアスタイル・クリエイター。山スカートの第一人者、女子登山ブームの立役者の一人として、執筆やトークイベント、アウトドアウェアのプロデュースなどの表現活動を続ける。著書に『デイリーアウトドア』、『一歩ずつの山歩き入門』がある。
URL:http://respect-nature.com/

Cover Photo by 志鎌 康平

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