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    掲載日:2018.02.22

    建築家・安藤忠雄の手掛けるアートなホテル

    独学で建築を学び、数多くの傑作を世に送り出してきた世界的建築家・安藤忠雄。その独自のセンスと建築への類稀なる情熱で、個人の住宅から巨大な美術館まで幅広い設計活動を行ってきました。建築を知ることは、「体験すること」だと安藤忠雄氏はいいます。実際にその場所へ行って、見て、宿泊する。それはまさに、旅と鑑賞が一体となった、純粋な「体験」であるといえるでしょう。安藤建築の魅力を存分に味わえる、国内のホテルをご紹介します。
    ANAオリジナル

    美術館と宿泊施設が一体となった、 「ベネッセハウス」

    美術館内の「ミュージアム」、高台にある「オーバル」、海辺の「パーク」、「ビーチ」はどれも安藤氏の設計によるもの photo by Kaori Ichikawa
    美術館内の「ミュージアム」、高台にある「オーバル」、海辺の「パーク」、「ビーチ」はどれも安藤氏の設計によるもの
    photo by Kaori Ichikawa

    1980年代後半から瀬戸内海の離島・直島を舞台としたアートプロジェクトがスタートしました。その最初の建築が、1992年に完成した「ベネッセハウス ミュージアム」。三方を海に囲まれた島の南端部の岬の上につくられた、宿泊もできる「滞在型美術館」という、世界的にも珍しい施設です。

    大地に切り込むように建つ壁が、豊かな自然の風景をさらに際立たせている photo by Tadao Ando Architect & Associates
    大地に切り込むように建つ壁が、豊かな自然の風景をさらに際立たせている
    photo by Tadao Ando Architect & Associates

    島の豊かな自然の中に埋め込まれたような建物「ミュージアム」。木々の間に見える建物の自然石を積んだ壁、丘の上に載せられたコンクリートスラブなど、アプローチにもさまざまな建築のエレメント(構成要素)が散りばめられています。

    地形に半ば埋もれる形で、内外の空間が大胆に交わる。夕景も美しい photo by Kaori Ichikawa
    地形に半ば埋もれる形で、内外の空間が大胆に交わる。夕景も美しい
    photo by Kaori Ichikawa

    景観に溶け込むように、注意深く地形に沿って配置されている「ミュージアム」。建物の半分が地中に埋め込まれるような形になっていますが、内部の空間は不思議なほど明るく、開放感にあふれています。「自然・建築・アートの共生」という設計当時のコンセプトは、直島が「アートの島」として世界に知られるようになるその後の展開にもつながっていきました。館内にとどまらず野外の空間でもさまざまなアーティストが制作・展示を行い、優れた芸術作品が島のあちこちに生み出されています。

    中庭に張られた水に、楕円形に切り取られた青空の輪郭が映し出される photo by Tadao Ando Architect & Associates
    中庭に張られた水に、楕円形に切り取られた青空の輪郭が映し出される
    photo by Tadao Ando Architect & Associates

    ミュージアムの背後の丘の上に宿泊棟「オーバル」がつくられたのは、ミュージアムの完成から3年後の1995年。その名の通り、楕円をモチーフとした建築です。楕円の内側には、同じく楕円の中庭が設けられており、それを取り囲むように客室が並んでいます。直島の大らかな自然とは対照的な、抽象化された自然と幾何学による非日常の世界。その中に身を投じてみないとわからない、安藤建築の魅力がそこにあります。

    室内の床から天井までの大開口部からは瀬戸内海が一望できる Benesse House Oval Suite Guest Room photo by SUZUKI Shin
    室内の床から天井までの大開口部からは瀬戸内海が一望できる
    Benesse House Oval Suite Guest Room
    photo by SUZUKI Shin

    瀬戸内の自然と安藤建築を融合させた「オーバル」に用意された客室は、わずか6室。室内の床から天井までの大開口部からは瀬戸内海が一望でき、豊かな自然を室内に居ながら感じられる設計です。家具もモダンなデザインで統一され、シンプルながら自然光のぬくもりを感じる空間となっています。

    • ベネッセハウス「オーバル」は、オーバルにご宿泊のお客様以外の立ち入りをご遠慮いただいています。
    • ベネッセハウス「オーバル」「パーク」「ビーチ」は宿泊専用棟のため、見学目的の入館はできません。
    ベネッセハウス

    住所:香川県香川郡直島町琴弾地
    TEL:087-892-3223
    アクセス:高松空港からバスに乗車し、約40分でJR高松駅へ。駅から高松港へは徒歩5分。高松港からフェリーで宮浦港まで約60分。宮浦港から直島町営バスに乗車し、つつじ荘で下車。つつじ荘から先は徒歩もしくは「ベネッセアートサイト直島場内シャトルバス」を利用。
    ※ベネッセハウスへご宿泊の方は、宮浦港から専用無料送迎バスが利用できます。
    URL:http://benesse-artsite.jp/stay/benessehouse/

    美しい海を望むラグジュアリーホテル 「瀬戸内リトリート青凪」

    広々とした窓から瀬戸内海の島々を望む客室「THE AONAGIスイート」 photo by Setouchi AONAGI
    広々とした窓から瀬戸内海の島々を望む客室「THE AONAGIスイート」
    photo by Setouchi AONAGI

    500余りの大小の島々が浮かぶ瀬戸内海。きらきらと輝くのどかな風景を望む小高い丘の頂上に建つ「瀬戸内リトリート 青凪」は、1998年に完成した「エリエール松山ゲストハウス」を、2015年にリノベーションした宿泊施設です。リノベーションには安藤忠雄氏が監修とて関わり、スモールラグジュアリーホテルとして生まれ変わりました。

    一見ホテルとは思えない、建築家の美学が宿るコンクリートの外壁。周囲の自然に寄り添うように、ゲストを静かに迎えてくれる photo by Setouchi AONAGI
    一見ホテルとは思えない、建築家の美学が宿るコンクリートの外壁。周囲の自然に寄り添うように、ゲストを静かに迎えてくれる
    photo by Setouchi AONAGI

    海へ向かって突き出した屋外プール、空と水と緑に囲まれたサンクンコート(半地下テラス)、そして瀬戸内の景色を堪能できる客室……。もともとは際立った特性をもたない平坦な土地でしたが、力強い石壁でひとつの場を切り取り、そこに異なる空間を分散させていく手法によって、それぞれの空間が個性を持ちながら調和し合う場となっています。

    庭師・小野豊氏による苔のインスタレーション photo by Setouchi AONAGI
    庭師・小野豊氏による苔のインスタレーション
    photo by Setouchi AONAGI

    かつてゲストハウスだった当時、一部が美術館として一般公開されていた名残も随所に感じられます。館内では戦後アメリカを代表するミニマルアートの画家・フランク・ステラや、世界的に知られている書道家・川邊りえこの作品も鑑賞できます。エントランスの白い中庭には、地元・松山市の若手庭師・小野豊氏による苔のインスタレーションがミニマルな空間をより際立たせています。

    海とひと続きになったような感覚を楽しめる屋外プール「THE BLUE」。日常の喧騒を忘れ、心やすらぐひとときを photo by Setouchi AONAGI
    海とひと続きになったような感覚を楽しめる屋外プール「THE BLUE」。日常の喧騒を忘れ、心やすらぐひとときを
    photo by Setouchi AONAGI

    このホテルでぜひ体験したいのが、屋外に併設されたプール「THE BLUE」。果てしなく広がる海を眺め、自然との一体感を楽しめるインフィニティープールです。また、屋内のプール「THE CAVE」も、洞窟の中にいるような感覚が味わえる不思議な空間。温泉ジャグジーやサウナを併設し、貸切での利用もできます。

    屋内プール「THE CAVE」は、まるで洞窟のような静寂な空間 photo by Setouchi AONAGI
    屋内プール「THE CAVE」は、まるで洞窟のような静寂な空間
    photo by Setouchi AONAGI
    わずか7室の客室はオールスイート。すべての部屋で美しい自然が堪能できる photo by Setouchi AONAGI
    わずか7室の客室はオールスイート。すべての部屋で美しい自然が堪能できる
    photo by Setouchi AONAGI
    瀬戸内リトリート青凪

    住所:愛媛県松山市柳谷町794-1
    TEL:089-977-9500
    アクセス:松山空港からタクシーで約50分。JR松山駅からは、タクシーで約35分。
    URL:http://setouchi-aonagi.jp/

    ライター:Daiki Yamamoto(minimal)
    Photo by Tadao Ando Architect & Associates,Mitsumasa Fujitsuka,Kaori Ichikawa,Mitsuo Matsuoka,SUZUKI Shin

    トラベル特集

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