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    掲載日:2018.04.12

    鹿児島の次世代が手がける ニューウェイブ系焼酎蔵を巡る旅

    「芋焼酎」と聞くとどんなイメージをお持ちでしょう? 匂いが強そう? おじさんが呑んでそう? いえいえ、そんなイメージはもう古い! 最近は、飲みやすいテイストの銘柄が増え、ロックや水割りで気軽に芋焼酎を楽しむ若い人たちも珍しくありません。そんな焼酎業界において、新たな飲み方を提案してくれる若い造り手が注目を集めています。次世代が活躍する"ニューウェイブ系"焼酎蔵で話を聞くために鹿児島を訪ねてみると最新のトレンドを取り入れたユニークな世界が見えてきました。
    ANAオリジナル

    そもそも芋焼酎って?

    芋焼酎の原料となるさつま芋「コガネセンガン」 Photo by Eiko Shimozono
    芋焼酎の原料となるさつま芋「コガネセンガン」
    Photo by Eiko Shimozono

    芋焼酎は、さつま芋を主原料にした蒸留酒。鹿児島地域の地酒で、「焼酎乙類/本格焼酎」に分類されます。『さつま白波』『三岳』などの銘柄が有名で、2000年代の「焼酎ブーム」のときには、『森伊蔵』『魔王』『村尾』といったプレミアム銘柄が注目されました。現在は、ブームは落ち着いたものの一般の居酒屋でも多彩な銘柄を楽しめる時代に。鹿児島県内には110軒以上の焼酎蔵があるといわれ、見学に訪れる熱烈なファンも多いといいます。ちなみに、居酒屋の定番『黒霧島』は、お隣の宮崎県の焼酎蔵が製造しています。

    ニューウェイブ系焼酎蔵を訪ねて、いざ鹿児島県へ

    甕壺の中のもろみを撹拌する「櫂入れ」の様子(大和桜酒造) Photo by Naoki Matsukuma
    甕壺の中のもろみを撹拌する「櫂入れ」の様子(大和桜酒造)
    Photo by Naoki Matsukuma

    芋焼酎といえば、『さつま白波』や『黒霧島』など、コンビニでも見かける銘柄しか思い浮かばない人も多いのでは? しかし、鹿児島県には、若い世代がまだまだ知らない注目銘柄がたくさんあるといいます。そこで、焼酎に詳しい達人にアドバイスをもらい、3つの焼酎蔵を探訪。いずれも30代、40代の杜氏さんが製造責任者としてバリバリ活躍していました。

    『大和桜酒造』杜氏、若松徹幹さん 「『こだわり』から『かかわり』『つながり』へ」

    写真左が「大和桜酒造」の五代目杜氏、若松徹幹さん Photo by Eiko Shimozono
    写真左が「大和桜酒造」の五代目杜氏、若松徹幹さん
    Photo by Eiko Shimozono

    1軒目に訪れたのは、鹿児島県いちき串木野市の「大和桜酒造」。主力銘柄『大和桜』のラベルに「本手造り」を掲げ、昔ながらの全量甕壺仕込みにこだわった製法を守っています。創業は江戸時代後期。今から170年以上前にあたる「天保十四年」と書かれた木箱が蔵に残っているといいます。ムッキムキな二の腕が印象的な五代目杜氏、若松徹幹さんに話を聞きました。

    「ネクストジェネレーションということで取り上げてもらうのはありがたいのですが、僕の代になって新しいものをドラスティックにつくろうとは考えてないんです。伝統を守るのは、決して後ろ向きなことじゃないと思っていて……。江戸時代から積み上げた歴史をリスペクトしつつ、ソフト面で今の時代に合わせていく取り組みをすべきだと考えています。僕が今、大事にしているのは、『こだわり』から『かかわり』『つながり』へという流れです。単に手造りだとか、小さな蔵だとかをこれでもかと強調するより、1杯の焼酎が広げて行く豊かなライフスタイルを訴求したいんですよね」

    『大和桜』のパッケージは、「ニッカウヰスキー」のラベルデザインを手がけた故・大高重治氏によるもの
    『大和桜』のパッケージは、「ニッカウヰスキー」のラベルデザインを手がけた故・大高重治氏によるもの

    『大和桜』は、スタイリッシュというより、むしろしっかりと芋の味がする硬派な焼酎に分類されます。この揺るがない実力のある商品があるからこそ、五代目は大胆なPRを仕掛けます。実は若松さん、高校卒業後、横浜の大学で学び、渋谷や中目黒で青春時代を過ごした後、広告代理店に勤めた経歴の持ち主。カルチャー系の雑誌に登場したり、東京で開催されるお酒関連のイベントに参加したりしながら、全国に情報を発信しています。

    芋焼酎はローカルでシンプル

    専用の部屋で米麹を造る作業風景 Photo by Eiko Shimozono
    専用の部屋で米麹を造る作業風景
    Photo by Eiko Shimozono

    「芋焼酎って、芋と米だけでできていて、1回しか蒸留しない。こんなシンプルで、新鮮な原料がむき出しの蒸留酒って世界的にも珍しいんです。糖質もプリン体もないからヘルシーだし、ナチュラル、フレッシュ、ローカル、シングル……と食に関する最近のキーワードが全部入ってる。Farm to Bottleみたいな今のトレンドを昔からとっくにやってきてるんですよね。そういうことを嗅ぎつけてか、最近のサードウェーブコーヒーとか自然派ワインに詳しい人たちがうちに見学に来ることも多いですよ。どこか同じ匂いを感じるのでしょうね」

    鹿児島で開催されたイベントで焼酎の新しい飲み方を紹介する若松さん Photo by Eiko Shimozono
    鹿児島で開催されたイベントで焼酎の新しい飲み方を紹介する若松さん
    Photo by Eiko Shimozono

    大和桜酒造の焼酎造りの期間は、毎年9月~12月。その間は、芋を洗ったり、切ったりするところから、米麹造り、仕込み、蒸留までひと通りの工程を見学できます。そのなかで、焼酎の造り方だけでなく、焼酎の歴史や文化も知ってほしいと若松さん。さらに、見学に来た人には、地元の焼酎居酒屋はもちろん、お気に入りの喫茶店なども教えてくれるとか。

    焼酎のあるライフスタイルを持ち帰ってほしい

    『大和桜』水割り 柑橘類ヘベス搾り

    「見学に来た方には、『大和桜』の水割りに柑橘類ヘベスを搾ったり、ホットチョコレートと合わせたりする新しい飲み方も提案しています。できれは、それをきっかけに、鹿児島で見つけた"焼酎のあるライフスタイル"を自宅に持ち帰ってほしいんです。ホームパーティの手土産に『大和桜』を持っていって、『実はすごくヘルシーなんだ』とか『こんな飲み方もあるんだよ』みたいな会話が弾んでいく……それが、僕が考える理想の姿ですね」

    大和桜酒造

    創業は、江戸時代の嘉永年間。以来、昔ながらの本格手造り麹を使い、全量甕壺仕込みによる醸造を代々続けている。
    代表銘柄は、『大和桜』『大和桜 紅芋』『ヤマトザクラヒカリ』。
    住所:鹿児島県いちき串木野市湊町3-125
    TEL:0996-36-2032
    URL:http://yamatozakura.com/
    ※酒蔵見学を希望する際は、必ず事前に電話で問い合わせを。

    ライター:Kenichi Marumo(minimal)
    Photo by Eiko Shimozono, Naoki Matsukuma, Kenichi Marumo(minimal)

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