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    掲載日:2020.05.21

    自宅で博物館を体験しよう!楽しく学べる「おうちミュージアム」

    新型コロナウイルスの影響により、全国の小中学校・高校の多くが臨時休校を余儀なくされている今。北海道札幌市にある北海道博物館が発起人となり、子どもたちのための「おうちミュージアム」の取り組みがスタートしました。活動は全国のミュージアムに広がり、大人も一緒に楽しめる、ユニークな学習コンテンツがweb上にたくさん公開されています。今回は、そのうちのいくつかを、より楽しく学べる学芸員さんや企画担当者さんのコメントと一緒にご紹介します。

    「おうちミュージアム」とは?

    日本各地のミュージアムが、自宅待機中の子どもたちに向けてwebサイト上に学習コンテンツを公開する「おうちミュージアム」の活動は、2020年3月にスタートしました。「おうちミュージアム」を始めたきっかけについて、企画を担当した北海道博物館の学芸員・渋谷美月さんはこう話します。

    「2020年3月に、全国でコロナウイルスによる休校が実施され、子どもたちは家で退屈し、親御さんは子どもたちの家での過ごし方に悩んでいるというお話を聞きました。当館も臨時休館となりましたが、学びの場である博物館が、今できることがあるのではないかと考えました」

    また、「いくつかのミュージアムがまとまって発信することで、より多くの人に活動を届けたい」という思いから、「おうちミュージアム」という名前を冠して活動をスタートされたそう。今では、参加する施設は150館以上にまで増加。さまざまな分野のミュージアムが、特色を活かした学習コンテンツで活動を盛り上げています。

    【工作系】 北海道博物館「アイヌ語ブロック」(北海道)

    用意する道具は、はさみ、のり、のりを使うときの下敷き
    用意する道具は、はさみ、のり、のりを使うときの下敷き

    最初に紹介するのは、北海道博物館の「アイヌ語ブロック」。6面にアイヌ語が書かれたブロックを組み立てて並べることで、誰でもアイヌ語の文章をつくることができるペーパークラフトです。アイヌ語は、日本の先住民族であるアイヌ民族が用いてきた言語ですが、現在、その言葉を聞くことができる機会は少なくなっています。一体、どのような文章ができあがるのでしょうか。

    まずは、北海道博物館の公式サイトに公開されているアイヌ語ブロックのシートをダウンロード。それをプリントし、道具を用意します。

    北海道博物館公式サイト

    角の部分を丁寧に切ると、ブロックが歪まず、きれいな形に
    角の部分を丁寧に切ると、ブロックが歪まず、きれいな形に

    準備ができたら、ブロックの黒い縁取り線をはさみで切り、点線部分を山折りにしていきます。

    下敷きがあると周囲が汚れず安心
    下敷きがあると周囲が汚れず安心

    次に、切り抜いた紙の「のりしろ」の部分にのりを塗って、ブロックの形になるよう貼り付けます。

    ブロックを4つ組み立てて、完成!
    ブロックを4つ組み立てて、完成!

    黄、緑、赤、青の4つのブロックができあがったら、ブロックを置くためのシートの上に、それぞれの色に対応するブロックを乗せます。すると、あっという間にアイヌ語の文章ができました!

    学芸員さんのコメント:

    上の写真だと、ブロックの前面は「ケ【】ト(毎日)」「ノンノ(花(を))」「ク(私が)」「ヌカ【】(見る)」という文になっています。

    • 】【】は小さい文字です

    このブロックの楽しいところは、それぞれのブロックをその場で回転させると、いろいろな文がつくれるところです。例えば、赤いブロックをひとつだけ回して、「ク」のかわりに「ウン」を前にもってくると、とたんに「毎日 花(が) 私たちを 見る」という不思議な文になります。このように、さまざまな文をつくって読んでみたり、日本語の訳を考えたりしてみてください。ただし、ブロックの色の順番を変えてしまうと、文にならなくなってしまうので気をつけてくださいね。

    また、小さいカタカナで表記してある「ケ【シ】ト(毎日)」の「シ」や「ヌカ【ラ】(見る)」の「ラ」のように、アイヌ語には、日本語の五十音表にあるカタカナでは表せない音があります。ほかにも、赤いブロックの「私が」「あなたが」「私を」は、動作をあらわす語(青いブロック)に必ずくっつくというきまりがあるなど、アイヌ語のいろいろな特徴に気付いていただければうれしいです。

    北海道博物館内、「アイヌ語ブロック」の展示風景
    北海道博物館内、「アイヌ語ブロック」の展示風景

    「アイヌ語ブロック」は、アイヌ語やアイヌ語の物語、歌などについても知ってほしいという思いから、北海道博物館のアイヌ文化の展示のひとつとして考案されたものでした。

    明治時代以降、北海道の開発が進むなかで、アイヌ民族の人々の生活から姿を消していったアイヌ語。この「アイヌ語ブロック」には、「さまざまな言葉や文化が尊重される社会が目指されている今日、アイヌ語の世界に触れるひとつのきっかけになってほしい」という学芸員さんの思いが込められています。

    「アイヌ語ブロック」を通し、日本語とは異なる音や文法に触れることで、 アイヌ語のことや、さらにはアイヌ民族の歴史や伝統的な文化についても、もっと知りたくなりました。

    北海道博物館

    住所:北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
    TEL:011-898-0466(総合案内)
    URL:http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp
    営業時間:5月~9月 9:30~17:00、10月~4月 9:30~16:30(入館は閉館の30分前まで)/月曜、年末年始休(12月29日~1月3日)※月曜が祝日・振替休日の場合は直後の平日が休館
    アクセス:新札幌駅よりバスで約15分

    • 2020年4月14日(火)~5月31日(日)まで新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため臨時休館
    • 開館の最新情報は公式サイトでご確認ください。

    琵琶湖博物館「とぶタネをとばそう」(滋賀県)

    琵琶湖博物館公式サイト内、「とぶタネをとばそう」のページで公開中のワークシート
    琵琶湖博物館公式サイト内、「とぶタネをとばそう」のページで公開中のワークシート

    次に紹介するのは、琵琶湖博物館で公開されている「とぶタネをとばそう」という工作です。たった2種類の太さのふせんと、セロテープを使うだけで「フタバガキの仲間のタネ」「ニワウルシのタネ」「モミジやマツの仲間のタネ」という3種類の「とぶタネ」を再現することができます。

    紙製のふせんを使用。力を込めるとすぐに潰れてしまうため、そーっと持ち運ぶ
    紙製のふせんを使用。力を込めるとすぐに潰れてしまうため、そーっと持ち運ぶ

    実際に、ワークシートを参考につくってみると、とっても簡単。粘着部分のあるふせんを使用するため、のりも不要です。ふせんは好きな色を揃えてカラフルにすると、見た目もかわいらしい仕上がりになっておすすめですよ。完成したら、早速とばしてみましょう。

    • とばす際は、周囲に危険がないか十分注意しましょう!

    ふせんを折ったり、貼り付けたりしただけのシンプルなつくりでしたが、実際に落としてみると、風を受けてしっかり回るのがとっても不思議です。

    学芸員さんのコメント:

    「とぶタネ」は、高いところから落とすと回り方がよく観察できます。また、紙の大きさを大きくしてつくると、ゆっくり回ります。大きさと重さのバランスが重要なので、うまく回る模型をいろいろ試してみてください。そして、模型をじっくり観察して、なぜくるくる回るのかをぜひ考えてみてください。

    植物のタネは、飛ぶ方法以外にも「どうやって遠くまで移動するか」ということについてさまざまな工夫をしています。ひっつき虫は、動物にひっついて遠くまで移動するタネです。水に浮いて遠い島まで流されるタネもあります。いろんな植物のタネの工夫を探してみましょう。

    滋賀県草津市にある琵琶湖博物館
    滋賀県草津市にある琵琶湖博物館

    実物では、タネの部分が重りとなり、そこに複雑な形の羽のようなものがついていて、その羽の形やつき方で回り方が変わるのだといいます。移動できない植物にとっては、分布を広げるための方法のひとつとして、風を利用することが重要です。タネを遠くにとばすための、植物の優れた工夫を学ぶことができました。

    琵琶湖博物館

    住所:滋賀県草津市下物町1091
    TEL:077-568-4811
    URL:https://www.biwahaku.jp/
    営業時間:9:30~17:00(最終入館 16:30)/月曜、その他臨時休館あり ※月曜が休日の場合は開館
    アクセス:草津駅よりバスで約25分

    • 当面の間休館
    • 開館の詳しい情報は公式サイトでご確認ください。

    国立民族学博物館 「ぬりえ」「ペーパービーズのつくりかた」(大阪府)

    数種類あるぬりえのうちの1種類、トーテムポール
    数種類あるぬりえのうちの1種類、トーテムポール

    こちらは、大阪府吹田市の国立民族学博物館(みんぱく)がweb公開している「ぬりえ」のうちのひとつ。イラストに描かれている「トーテムポール」は、実際に博物館で展示されているものです。現在は臨時休館中のため、実物を見て色を塗ることはできませんが、思い思いの色に塗って楽しむことができます。

    企画担当者さんのコメント:

    ぬりえをすることによって、漠然と見ていたものの細部が見えてくるようになります。好きな色でぬりえをしながら、これは世界のどんなところにあるのだろう、どんな人がつくったのかな?どんな気持ちで?など、想像してみてください。そして、当館がふたたびオープンしたら、ぜひ実物を見に来てほしいです。「わぁ、こんな色だったのか!」「見えない部分はこんな形になってた」など、ぬりえを入口に、きっと発見がありますよ。

    みんぱくの研究者の方によると、トーテムポールとは、北アメリカ北西海岸地域の先住民が、祖先や特別な出来事の記念物、墓標や家柱としてつくった木の柱のことだそう。柱には、所有者の家族とゆかりの深いワシやワタリガラス、サンダーバード、ビーバー、人間の姿などが彫りこまれています。

    国立民族学博物館公式サイト内、「おうちでみんぱく」のページで公開中の「ペーパービーズのつくりかた」
    国立民族学博物館公式サイト内、「おうちでみんぱく」のページで公開中の「ペーパービーズのつくりかた」

    ふたつ目に紹介するのは「ペーパービーズのつくりかた」。「ペーパービーズ」とは、1枚の紙をくるくると巻いて固めた、紙でできたビーズのこと。

    こちらの工作は、細かく、地道な作業もありますが、紙をくるくる巻く作業は小さな子もできるのでおすすめです。できあがりの色や模様を想像したり、紙の切り方を変えてみるなど自分なりの工夫を加えて楽しんでみてください。つくりかたシートを参考に、じっくり取り組んでみましょう。

    企画担当者さんのコメント:

    ペーパービーズはアフリカやパキスタンでもつくられています。自分と世界のつながりを想像しながらつくってみてください。

    ぬりえやペーパービーズは、当館の入り口であり、世界への入り口です。世界にはこんなものがあるんだな、こんなものを使って暮らしている人がいるんだなと知ってもらえたらうれしいです。毎日、家にいる時間が長いと思いますが、外に出られるようになったらその先に広い世界があり、多様な暮らしや価値観があることを知り、実感してほしいと思っています。

    国立民族学博物館ではたくさんの世界のビーズが展示されている
    国立民族学博物館ではたくさんの世界のビーズが展示されている
    国立民族学博物館内、東南アジア展示場の様子
    国立民族学博物館内、東南アジア展示場の様子
    国立民族学博物館

    住所:大阪府吹田市千里万博公園10-1
    TEL:06-6876-2151(代表)
    URL:https://www.minpaku.ac.jp
    営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)/水曜、年末年始休(12月28日~1月4日)※水曜が祝日の場合、翌日休館日
    アクセス:万博記念公園駅より徒歩約15分

    • 当面の間臨時休館
    • 開館の詳しい情報は公式サイトでご確認ください。
    ライター:Atori Hagiwara(minimal)

    トラベル特集

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