コンテンツへ

    掲載日:2020.08.13

    国内ひとり旅が人気の予感! 旅行作家・小林希さんに聞く日本の「週末島旅」の魅力

    ANA's tweet

    島国である日本には北から南までさまざまな離島があります。離島にはその土地ならではの自然や文化が色濃く残っていることが多く、ゆったりとした島時間が流れているとよく言われます。キラキラと輝く海を眺めながら、島に生息する生物を愛で、島ならではの郷土料理を食す。そんな島時間を体感しながら、都会の喧騒を忘れてリフレッシュする週末はいかがですか?

    国内から少しずつ旅がスタートしつつあります。そこで、今回注目したのは、日本国内の離島。著書『週末島旅』などで知られる旅行作家・小林希さんに、国内にある4つの離島の魅力を写真と一緒に紹介してもらいました。女性ひとりでもぶらりと旅ができるプランと一緒に、2020年代の新しい旅のスタイルをご提案します!(T&L編集部)

    【この人に聞きました】

    小林希さん
    小林希さん

    1982年、東京都生まれ。旅、島、猫を愛する旅作家。元編集者。Officeひるねこ代表。在学中写真部に所属。2005年サイバーエージェントに入社、出版部門に配属。2011年末に出版社を退社し、世界放浪の旅へ。1年後帰国して、『恋する旅女、世界をゆく――29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマに執筆活動・写真活動をしている。旅に関する著書多数。現在、(一社)日本旅客船協会の船旅アンバサダーに就任。

    【加計呂麻島/鹿児島県】 「神秘的な海に癒され、心安らぐ島」

    グラデーションが見事な加計呂麻島のビーチ
    グラデーションが見事な加計呂麻島のビーチ

    日本の島で、最大級の面積を誇る奄美大島の南部に位置する加計呂麻島(かけろまじま)。奄美大島も自然が豊かですが、加計呂麻島はさらに手付かずの自然が残り、一層スロウな時間が流れています。

    加計呂麻島は、さまざまな島の中でとにかく海が神秘的で美しいのが魅力。島をぐるりと回って、まず心奪われるのは海の色だと思います。海沿いにはいくつもの集落がありますが、どの集落も海の色が違います。
    たとえば、実久という集落は、「サネク・ブルー」と呼ばれる真っ青な海が美しく、勢里という集落は、浅瀬は黄緑で沖へ向かうにつれコバルトブルーへ変わるグラデーションが見事! シュノーケリングをすれば、どこまでも透き通る青の世界にしばし時を忘れてしまうほど。運がよければ、珊瑚の間を縫うように泳ぐウミガメにも出合えます。もちろん泳がずとも、浜辺に広がる珊瑚が波打ち際でカラカラと優しい音を奏でているのを聞いているだけでも、心が安らぎます。

    沖縄以外にもこんなビーチがあるんです!
    沖縄以外にもこんなビーチがあるんです!

    ただ、島は思いの外大きいので車が必要です。宿などでレンタカーを借りて、トロピカルな植生の山あいをドライブしてくださいね。道もかなり蛇行するので酔い止めもあると安心です。

    また、加計呂麻島の宿でいただくご飯も楽しみのひとつ。私はいつも「ゆきむら」という島のお父さんとお母さんの宿に泊まって、食べきれないほどの海や山の島料理をいただきます。珍しい魚介類を味わいながら、島の話を聞かせてもらって、まるで実家に帰ってきたようなぬくもりを感じています。

    加計呂麻島には、ここぞという観光名所がいくつもあるわけではないけれど、ただただ美しい自然に身を委ねるだけで来てよかった!と思えます。何かしなくちゃと、意気込んで旅する必要のない安息の島です。

    【アクセス】

    奄美空港からレンタカーで約2時間南へくだり、最南端の古仁屋から海上タクシー、
    もしくはフェリーかけろまに乗り換え、約20分。

    【伊豆大島/東京都】 「東京の秘境、砂漠の広がる島」

    海越しに神々しい富士山が拝める伊豆大島
    海越しに神々しい富士山が拝める伊豆大島

    東京の島は、都内の喧騒をいい意味で裏切る太古の自然が広がっています。まさしく、東京の「真裏」「真逆」といった表現がぴったりの秘境のような場所です。

    東京諸島の中で、とくにおすすめの島は竹芝桟橋から高速船に乗って、1時間45分で着く伊豆大島。東京諸島の玄関口とされる島ですが、船を降りて上陸すると、思いがけず濃い自然の香りに迎えられます。

    伊豆大島は、火山が幾度も噴火を繰り返してできた島で、日本ジオパークに認定されています。最大の見所は、活火山の三原山に広がる裏砂漠。国土地理院が日本で唯一「砂漠」と表記しているところです。実際は黒々とした火山の砕けたスコリアが堆積した大地。三原山から海のほうまで広がる黒い海原は、まるで月面のようだとも言われています。

    裏砂漠だけでなく、三原山の火口を一周ぐるりとトレッキングする「お鉢めぐり」も人気。ガイドさんがいなくても気軽にできるのがうれしい! 火口付近で、ほわほわと煙(水蒸気)が上がっているのを見ると、島が生きているなあと感じられるはずです。

    火山の三原山に広がる裏砂漠もハイライトのひとつ
    火山の三原山に広がる裏砂漠もハイライトのひとつ

    それと、ちょっとしたパワースポットも。噴火の際、火砕流が見事に避けて通ったと言い伝わる三原神社は、本当に神がかっていると感じます。ぜひパワーをいただきに手を合わせるといいなと思います。トレッキングで体を動かしたあとは、島の温泉に入ったり、島名物の鼈甲(島唐辛子醤油に漬けた白身魚)の寿司や丼などを楽しんでみてはいかがでしょうか。

    ところで、伊豆大島は太平洋に抱かれた島。船が発着する元町や岡田地区、観光スポットの赤禿と呼ばれる西海岸など、島のあちこちから、海越しに神々しい富士山が拝めます。冬になれば、島中に咲き誇る椿と富士山のコラボショットを撮影できる機会も。

    東京都心から仕事帰りや土日で気軽に行ける伊豆大島で、日頃の疲れを癒してパワーチャージしてみてください!

    東京の竹芝桟橋から高速ジェット船でアクセスできる
    東京の竹芝桟橋から高速ジェット船でアクセスできる
    【アクセス】

    羽田空港から竹芝桟橋までは電車で30分~40分。
    竹芝桟橋から東海汽船のジェットフォイルで1時間45分、大型客船で6時間。

    【本島/香川県】 「時代を遡行するような歴史的な島」

    100棟ほどの古民家が軒を連ねる笠島地区
    100棟ほどの古民家が軒を連ねる笠島地区

    香川県の瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島の本島(ほんじま)は、日本の歴史において非常に重要な島のひとつで、塩飽水軍の本拠地でした。
    塩飽諸島とは「潮が湧く」の当て字から来ており、一見穏やかに見える瀬戸内海ですが、実際は複雑な海流で命がけの操船をしていたそうです。そのため、非常に操船技術に長けた水夫が多く、彼らは塩飽水軍として古くから時の武将や幕府に買われ、戦や御用船方としての任を背負ってきました。
    そうした歴史を物語る江戸時代に役所であった塩飽勤番所では、織田信長の朱印状や咸臨丸の水夫がアメリカから持ち帰ったものなど貴重な文化財が展示されています。

    立派な瓦屋根の古民家があちこちに
    立派な瓦屋根の古民家があちこちに

    本島の見所は笠島地区。塩飽水軍から塩飽大工となった人たちが手がけた、100棟ほどの古民家が軒を連ねているのです。この街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
    中には江戸時代の古民家も残っており、まるで時代劇のセットと見紛うほどの景観。繊細な家のつくりは芸術的で、侍が歩いていても不思議ではないような空間が広がっています。笠島まち並保存センターは、真木邸という古民家を開放していて、そこで島の人たちと触れ合えたり、彼らが手作りしたお土産を購入できたりします。ランチには、民宿やかた船で美味しい魚料理をいただきながら塩飽建築を堪能するのもおすすめ。

    ビーチ沿いにはこんな光景も
    ビーチ沿いにはこんな光景も

    一方で本島は瀬戸内国際芸術祭が開催される島のひとつで、3年に1度、島中にアートが点在して賑わいます。そのアート作品ではないけれど、笠島の海沿いから見える瀬戸大橋の景観は圧巻の美しさ。複雑な海流の塩飽諸島にかかる架け橋であり、日本の底力を感じる近代的な芸術作品と言えます。
    飲食店や宿泊施設が少ない塩飽諸島の中では、もっとも観光地化されている島なので、島をレンタサイクリングしながら歴史とアートを感じに訪れてみてはいかがでしょう?

    【アクセス】

    高松空港からリムジンバスで丸亀まで直行便が出ており、丸亀の港からフェリーに乗り換えて約30分。

    【男木島/香川県】 「アートと猫に出合える瀬戸内海の島」

    男木島は人口よりも猫の数のほうが多いのでは?
    男木島は人口よりも猫の数のほうが多いのでは?

    男木島(おぎじま)は、本島と同じく瀬戸内国際芸術祭が開催される島で、開催期間中はフェリーの積み残しが出るほど多くの観光客が訪れます。高松港から女木島を経て男木島に着くと、観光案内所および船の待合所となっているジャウメ・プレンサの「男木島の魂」という作品が出迎えてくれます。

    男木島の玄関口である観光案内所(左側)
    男木島の玄関口である観光案内所(左側)

    女木島は細長い形で平地が広がりますが、男木島はやや丸く平地が少ないのが特徴。目と鼻の先にある2島の地形がこれほど違うのも島旅のおもしろさ。
    男木島の街並みは、山の傾斜に沿って家々がみっちりと寄り添うように立ち並んだ景観が圧巻です。情緒ある家々の佇まいはもちろん、迷路のような階段状の小道が入り組み、歩くだけでも旅情に浸れます。坂道ばかりですが、上のほうから眺める島の集落は芸術的。

    かつて、男木島は猫の島としても有名でした。島の人口よりも猫の数のほうが多いのではという時期もありましたが、現在猫の姿はぐんと減りました。とはいえ、今も漁港や豊玉姫神社近くには猫がちょこちょこといて、観光客に癒しを与えています。

    男木島のランチは、「ドリマの上」という古民家カフェがおすすめ。主に地産地消の食材をつかった薬膳料理が人気。カフェの方が食材を通して島の暮らしなどを説明してくれるのがうれしいです。

    地産地消の食材を楽しめるカフェも点在
    地産地消の食材を楽しめるカフェも点在

    そのほか、島の名物タコ飯も人気。タコ飯が自慢のタコ漁師宿もあるので、ぜひ泊まってみてはいかがでしょう? ちなみにタコ壺をモチーフにしたアート作品も島にあるので探してみてください! 日帰り観光客の多い男木島は、夕暮れから朝がとても静か。せっかくなので一泊して、島本来の長閑な時間を独り占めするのも最高の旅だと思います。

    【アクセス】

    高松空港からリムジンバスで高松駅まで。高松港からフェリーで女木島を経由して40分。

    ビーチあり、絶景あり、古い街並みあり、猫あり……と海外とは、また違った魅力いっぱいの日本の離島旅、いかがでしたでしょうか? 気になった人は、小林希さんの著書『週末島旅』もチェックしてみてください!

    『週末島旅』(幻冬舎文庫)
    【こちらもCHECK!】『週末島旅』(幻冬舎文庫)

    世界中を旅する著者が日本の島々の旅へ。シャーマン女将がいる不思議体験続出の宿がある加計呂麻島、砂漠で“月面トレッキング”体験ができる伊豆大島、かつて毒ガス工場があったことから日本地図から消されていたうさぎの島・大久野島、日本一ワイルドな温泉がある式根島など、訪れた60島以上から厳選して紹介。海外旅行以上の奇想天外な体験がここにある!

    • 記載の内容は2020年6月現在のもので、変更となることがあります。
    ライター:Nozomi Kobayashi
    photo by Nozomi Kobayashi

    トラベル特集

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む

    トラベル特集

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む

    トラベル特集

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む

    ライフ特集

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む

    この記事に関連するおすすめ

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む
    ページの先頭に戻る