【2日目】 四季折々の風景が映える角館の武家屋敷通りへ

朝風呂とおいしい朝食をいただいて乳頭温泉郷を後にしたら、そこから車で45分ほどの距離にある、秋田県を代表する観光地・角館へと向かいます。
かつて城下町として栄え、今なお藩政時代の面影を残す街、角館。とりわけ、重厚な武家屋敷が点在する武家屋敷通りが特別な情緒を放っており「みちのくの小京都」とも呼ばれています。この武家屋敷通りは、春は桜が咲き誇り、夏は新緑が優しく包み込み、秋は紅葉、冬は雪景色が武家屋敷の黒と調和する、四季折々の表情を見せてくれるスポット。
そんな街並みを楽しみながら、ご当地グルメや江戸時代から残る屋敷、器のお店などをめぐります。


角館を象徴する武家屋敷のひとつ「角館歴史村・青柳家」を散策

黒坂塀がずっと続く武家屋敷通りには、古くは江戸時代から残る屋敷が軒を連ねます。それぞれの武家屋敷は中に入って見学することが可能。敷地内には貴重な建築や資料などが保存されていて、角館の歴史と文化を肌で感じることができます。「角館歴史村・青柳家」は、約400年の歴史をもつ名家。3,000坪の敷地を誇る由緒ある武家屋敷を散策します。


母屋から順繰りに敷地内をめぐっていると驚くのがその敷地の広さ。回遊式庭園を囲むように、築200年の母屋、武器蔵、工芸品や農具の展示、アンティークミュージアム、レトロなカフェやみやげ店が点在しています。


青柳家の家宝である六十二間小星兜、五輪塔旗印、藤原高真による秋田郷土刀など数々の武具が飾られた武器蔵は、まさに圧巻の光景。武士たちの魂が宿っているかのようで少し怖いくらいの存在感を放っていますが、最大限に歴史を感じることができます。
青柳家には庭園を眺めながらゆったりと和スイーツをいただける場所もあり、そこで散策のひと休み。ぜんざいと抹茶をいただきます。


青柳家には茶寮あおやぎの他にも喫茶室・ハイカラ館やお食事処もあるので、ゆっくりと時間の流れを感じながら、歴史情緒あふれる展示品の数々に思いを馳せてみてください。
- 角館歴史村・青柳家
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住所:仙北市角館町表町下丁3
TEL:0187-54-3257
営業時間:9:00~17:00(12月~3月は~16:30)、茶寮あおやぎは9:00~16:00(12~3月は休み)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、茶寮あおやぎは不定期営業中
URL:http://www.samuraiworld.com
昼食は「お食事処 桜の里」で稲庭うどん

今回、昼食に訪れたのは「お食事処 桜の里」。武家屋敷通りにあるこちらのお店では稲庭うどんや比内地鶏を使った秋田を代表する料理がいただけます。ここで、秋田県に来たなら絶対に食べておきたかった稲庭うどんを堪能!

稲庭うどんの特徴は、なんといってもその麺の形状でしょう。ツルツルとした喉越しのよさが癖になりますが、そうめんのように細く、やや平たい麺にもしっかりとコシがあるのが伝統製法の成せる技。
桜の里で使用されているのは佐藤養悦本舗の稲庭干饂飩で、小麦は国産のものを100%使用するなど素材に最大限こだわって一本一本心を込めてつくられています。製造過程に手間暇かけているからこそ、卸しているお店もごくわずかなのだとか。桜の里の店主・竹内賢承さん厳選の、本物の稲庭うどんに舌鼓を打ちます。
今回いただいた稲庭冷やし二味うどんは、醤油だれと特製の味噌胡麻だれの2つの味を楽しむことができるメニュー。どちらのたれもやや甘みが強く、それによってうどん独自の味が引き立っているように感じました。温かいうどんもこれまた絶品とのことなので、次に訪れた際にはぜひそちらも。

- お食事処 桜の里
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住所:仙北市角館町東勝楽丁9番
TEL:0187-54-2527
営業時間:9:00~17:00(食事は10:00~、16:30 L.O.)、冬季間は10:30~16:00(食事は11:00~、15:45 L.O.)、
夜の宴会18:00~23:00/不定休
URL:https://www.sakuranosato.net/page/3
本格的な器のセレクトショップ「十月」
武家屋敷通りのすぐ隣の通りに位置する器とお香のお店「十月」。角館には伝統工芸品のお店が多く立ち並んでいるのですが、それらとはまた趣向の異なる本格的な器のセレクトショップが、観光客だけでなく地元の住民にも愛されています。

2019年の5月にオープンした比較的新しいお店とはあっても、オーナーの平野千香子さんが全国各地で仕入れてきた伝統的な焼きものから少しレアな作家もの、普段使いできる器まで、そのラインナップは多種多様。商品のディスプレイが美しく、鑑賞しているだけでも楽しめますよ。


地元の工芸品を扱っているお店は多くあれど、角館にはこうした器のセレクトショップはこれまでなかったのだそう。オープンしてからわずか1年半の間にもその特異性が徐々に認知されていき、秋田市や盛岡市からひと月に一度のペースで訪れるリピーターも増えてきたと平野さんは言います。
店内を眺めていると、器だけでなくお香もたくさん販売されていることに気づくでしょう。ここにもこだわりがあり、400年以上の歴史をもつ「薫玉堂」やこちらも老舗の「山田松香木店」など、京都にある由緒正しきお香の専門店から仕入れた品が並びます。
とりわけ薫玉堂のお香を置いているお店は少ないと言いますが、平野さんは西本願寺前にある本店へと何度も足を運んだのだそう。そんな平野さんが厳選した、精神に深い癒しをもたらし、前向きなエネルギーを与えてくれるお香に出合えます。器やお香、その他の雑貨品の中からお気に入りを見つけて、ぜひ旅のおみやげにしてみてください。

- 十月
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住所:仙北市角館町歩行町22-2
TEL:0187-55-1708
営業時間:10:00~17:00/不定休・冬季(12月~3月)休業
URL:https://10gatsu.com

白神山地から乳頭温泉郷、角館まで、秋田の県北エリアを満喫するモデルルートをご紹介してきました。木々や自然風景に魅了され、温泉やグルメが安らぎを与えてくれる大充実の1泊2日旅。四季の彩りを体感しながら、心も身体も癒されてみてください。
- 記載の内容は2020年8月現在のもので、変更となることがあります。
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