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掲載日:2019.03.18

十和田湖に臨む美建築ホテル

ディティールに宿る匠の技を見つける楽しさ

ANAプレミアムメンバー向けライフスタイルマガジン「ana-logue(エーエヌエー・ローグ)」冬号では、「秋田 クリプトメリアを探して」という特集を掲載しております。その中から、Life & Mile読者の方にサイドストーリーを紹介しています。

秋田県鹿角郡小坂町。十和田湖の西湖畔の高台に、天然秋田杉をふんだんに使った美しい建物として名高いホテルがある。1939年に開業した十和田ホテルだ。

このホテルは、1940年に開催されるはずだった「第12回東京オリンピック」を前に、外国人観光客向けの宿泊施設として建設されたものだ。結局そのオリンピックは幻に終わったが、当時の建築技術の粋を結集して建てられた十和田ホテルは、幾度かの増改築を経た現在も、訪れる人を魅了し続けている。なかでも、当時の趣を色濃く残す本館の美しさは格別だ。

現在の本館は1987年に大規模リニューアルがされたものだが、開業当時の木造3階建て旧本館の建築にあたっては、秋田、青森、岩手からおよそ80人の宮大工を招聘。彼らの技を競わせて建設されたそうだ。しかもすべての客室で、床の間、天井、格子戸などの意匠がひとつひとつ異なる、非常に凝った作りだった。

リニューアル工事が実施された際も、建築的、文化的に価値が高い外観や客室のデザインは、往時を忠実に修復再現するというルールのもとで行われた。床や天井、柱などの素材も、継続して使えるものは綺麗に洗浄し、再利用しているという。もちろん意匠違いの客室は、リニューアル後の本館でも健在。すべての部屋を見て回ることはできないが、廊下を歩けば部屋の格子戸の意匠がそれぞれ違うことが分かるはずだ。

また、2階まで吹き抜けになっている本館ロビーは、素材もデザインもほぼ建築当時のままだそうだ。和と洋、レトロとモダンが絶妙に調和した空間美だけではなく、吹き抜け中央部の船底天井や回廊部に貼られた杉皮の網代天井、磨き丸太の手すりなど、こちらもディティールの美しさを発見する楽しみがある。

今年で開業80周年を迎える十和田ホテル。冬季はクローズしているが、4月19日から営業が再開する予定だ。これから始まる新緑の季節、この美建築ホテルを拠点に十和田湖や奥入瀬渓流を散策してみてはいかがだろうか。アクセスは、最寄りの大館能代空港から車でおよそ1時間半。

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