
犬の室内飼い【準備・必要なもの】

ハウスとなるケージやクレート、トイレなどの生活用品はすべて用意しましょう。
留守番が多い家庭なら、飼い主さんの不在時に愛犬の様子が確認できるwebカメラなどがあると安心です。
室内は清潔に、犬にイタズラされて困るものは片付けておくこと。
家具の配置や部屋のレイアウトは、一定期間を犬と過ごしてみて改善すべきポイントがあれば変更しましょう。
犬の室内飼い【トイレの置き場所】
トイレトレーニングが完了している場合は、基本的にどこにトイレを設置しても大丈夫でしょう。
トイレを清潔に保つために、排泄物を片づけやすく、掃除しやすい場所を選ぶのがおすすめです。
ただし、人の出入りが多い場所や外の物音が聞こえやすい場所は、犬が排泄に集中しづらくなることがあるので注意してください。
犬の室内飼い【ケージの置き場所】

●家(縄張り)の中心に置く
犬にとって、家の中や敷地は自分の縄張りです。
そのため、ハウスとなるケージやクレートは縄張りである家の中心に置くイメージを持ちましょう。
縄張りの境界線である、外と隣接する壁や窓、玄関などの場所には置かないようにします。
一軒家の場合、家の敷地の境目が犬の縄張りの境界線になります。
マンションなどの集合住宅では、壁や窓が縄張りの境界線になるでしょう。
ハウスの置き場所が境界線に近ければ近いほど、犬の警戒心は強くなってしまいます。
●人の動線上に置かない
家族がよく通る場所、人の出入りが多い場所も犬は落ち着きません。
目の前をなるべく人が通らないスペースを選びましょう。
ハウスの置き場所に困ったときは、家具やインテリアの配置を見直して、より良い環境づくりを工夫してください。
●玄関や窓の付近は避ける
玄関周辺や、外の景色が見えるような窓付近の場所は避けましょう。
外からの刺激が入りやすく、犬がリラックスできません。
「散歩に行きやすい玄関付近が便利」「留守番しているときに外の風景が楽しめるように」などの理由で、玄関や窓の近くにハウスを置いている家庭もあるかもしれません。
しかし、犬が心地よく過ごすためには逆効果です。
置き場所を見直しましょう。
犬の室内飼い【床】
フローリングの床は足に負担がかかりやすいため、工夫したいポイントのひとつです。
滑りにくく、柔らかいクッション性のある床材が望ましいです。
トイレトレーニングが完了していれば、絨毯やカーペットを敷くのもいいでしょう。
子犬や、トイレトレーニングの途中段階の犬なら、防水性と弾力性を兼ね備えたフロアマットが掃除しやすくておすすめです。
犬の室内飼い【散歩の汚れ・抜け毛】

●散歩の汚れ
散歩から戻ったら玄関で足裏を拭きます。
水やぬるま湯で湿らせたタオルを使い、泥汚れなどを落としたら、
次に軽くブラッシングをして、体全体についたホコリなどの汚れを落とします。
ドッグランで駆けまわったり、ひどく汚れている場合には、ブラッシングのあとに浴室でシャンプーを済ませ、しっかりと乾かしましょう。
●抜け毛対策
抜け毛が少ないといわれる犬種でも、毛は毎日抜けるものです。
ワイパーシート、掃除機、粘着テープなどを使ってこまめな掃除を習慣にすると良いですね。
抜け毛対策にはブラッシングも効果的です。
犬の室内飼い【共働き家庭の不安】
●環境づくり
共働きの家庭では、日中の留守番を考えた安全な環境づくりを徹底してください。
ハウスやトイレの準備を整え、イタズラされて困るものや危険なものはあらかじめ取り除いておきます。
トイレトレーニングの必要がある場合は、焦らずに時間をかけて導く心構えでいましょう。
留守番が長いとトイレトレーニングの機会が少なく、トイレを覚えるまでにどうしても時間がかかります。
●留守番は寂しくない
落ち着いてリラックスできるハウスがあれば、犬は寂しさを感じずに留守番ができます。
とはいえ、長時間の留守番がまったくストレスにならないわけではありません。
犬は飼い主さんの帰りを待っています。
少しでも多くの時間を犬とのコミュニケーションに使えるよう、できるだけ早く帰るよう心がけてください。
また、出かける前にコングなどの知育玩具に大好きな食べ物を入れて与えてあげると退屈しのぎができます。
●コミュニケーション
長時間の留守番の前後には意識して犬と過ごす時間を作ることをおすすめします。
お散歩に行ったり、室内で遊んだり、飼い主さんと一緒に楽しく過ごす時間はストレス発散になり、しつけの良い機会にもなります。
●幼稚園・保育園に通う
最近では、犬の幼稚園や保育園といったサービスが充実してきました。幼稚園や保育園に通えば、他の犬たちやドッグトレーナーと楽しい時間を過ごしたり、運動不足を解消することが出来ます。
また、留守番ばかりだと社会化トレーニングが滞ってしまうので、幼稚園や保育園に通って様々な経験をさせてあげるとよいでしょう。
犬の室内飼い【メス犬・オス犬】

●メス
避妊手術を行なっていない場合、ある一定の年齢になると「ヒート(生理)」と呼ばれる発情期を迎えます。
一定の出血が見られる場合には、紙おむつやヒート用のパンツなどを用意して対処しましょう。
●オス
オスはメスにくらべて縄張り意識が強いとされています。快適に過ごせるハウスを用意して、よりリラックスできる環境を整えてください。
オスにはマーキングの習性があるため、場合によっては去勢も検討しなければなりません。
犬の室内飼い【リビング・キッチン・玄関での注意点】
●リビング
犬は何でも口に入れておもちゃにしてしまいます。
誤飲の可能性が高いため、危険なものやかじられたくないものは、犬の届かない場所に収納しておきましょう。
ものがあふれている場合には、まず整理整頓を心がけてください。
感電を防ぐために、コンセントやコードにはカバーをして対策しておきます。
壁をかじったり爪でひっかけたりすることがあるかもしれません。
そんなとき、張り替えやすいシール状の壁紙なら、汚れたときにもすぐに取り替えられて便利です。
防音効果が期待できるクッションタイプや防臭機能つきのものなど、さまざまな種類が市販されているので、一度チェックしてみるのもおすすめです。
●キッチン
調理器具や電化製品、調味料などがあり、犬にとって安全とはいえない場所がキッチンです。万が一に備え、ゲートや柵を設けて仕切りをつくり、犬を立ち入らせないようにしておくと安心できます。
●玄関
玄関からの飛び出しに注意しましょう。
お出かけが大好きな犬は、扉が開くと興奮して飛び出してしまうことがあります。
万が一のためにゲートや策を設置して二重扉にしたり、扉を開ける前にリードを装着し、「マテ」のコマンドで落ち着いて外に出る練習もしておきましょう。
犬の室内飼い【賃貸マンション】

ペット可の賃貸マンションでは、犬が苦手な人もいると考えて、ルールとマナーを守ってみんなが快適に暮らせるよう気を配りましょう。
とくに、エントランスや廊下、エレベーターなどの共有スペースでは、ルールを守ることはもちろん、ほかの居住者の方へ細やかな配慮が必要です。
普段は物静かな犬も、何かの拍子に思いがけない行動に出ることもあります。
共有スペースでは抱っこやケージに入れる、下に下ろす場合は飼い主さんがすぐにコントロールできるよう、リードは短く持ち、犬から目を離さないように気をつけましょう。
犬の室内飼い【室内の温度】
犬は体温調節が苦手なため、室内の温度にはよく気を配りましょう。
設定温度は寒すぎや暑すぎなっていないか、愛犬の温度や湿度による体調の変化はないか、様子をよく観察してください。
犬は比較的寒さには強いですが、子犬やチワワのような小型犬は冬の寒さにも注意が必要です。
夏は熱中症の危険があります。
カーテンなどで日射しを遮り、エアコンを使って温度と湿度を一定に保ちましょう。
犬の室内飼い【問題が起きやすい犬種】
日本犬は洋犬にくらべて縄張り意識が強く、居住スペースが混み合った状況になると警戒心が高まり、攻撃的になってしまう可能性があります。
日本犬と室内で暮らす際は、犬種の特性をよく理解して十分なパーソナルスペースを確保し、干渉しすぎないような接し方も心がけましょう。
犬の室内飼いまとめ

同じ家や部屋で犬と飼い主さんが一緒に過ごすことを考えると、人間も犬も快適に心地よくいられるのが理想です。
そのために、まずは愛犬がリラックスできる空間についてよく知ることからはじめましょう。
「愛犬のために」と思っていたことが実は逆効果だったということがあるかもしれません。
室内のレイアウトの変更や、人間の生活リズムを整える必要もあるかもしれません。
犬種の特性を理解し、愛犬の性格をふまえ、自分たちにふさわしい暮らしの空間を作っていってください。