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    出典 : pixta_61140100

    掲載日:2020.05.20

    【ドッグトレーナー監修】犬は何を考えている? 飼い主の気持ちは分かる?

    愛犬の考えていることや気持ちが分かったらどんなにいいでしょう。言葉を持たない犬たちが頭の中で何を考えているのか、人間と同じような感情はあるのか、飼い主の気持ちを理解してくれているのか。今回は、犬の感情について、ものの捉え方や人間との感じ方の違いをご紹介したいと思います。

    犬は何を考えている?【人の気持ちがわかる?】

    犬は何を考えている?【人の気持ちがわかる?】
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    ●人間の表情で感情を読み取れる
    オーストリア・ウィーンの獣医大学が行った研究(Corsin A. Müller, et al., 2014)で、犬は人間の「笑った顔」と「怒った顔」を写真で見分けられることがわかりました。
    さらにこの研究では、表情の違いだけなくその意味も理解していることがわかり、笑顔に対しては肯定的なコミュニケーション、怒っている顔に対しては否定的なコミュニケーションと捉えているようです。

    ●人の発するニオイで感情を読み取れる
    イタリアのナポリ大学生物学部のチームが行った研究(D’Aniello, et al., 2017)で、犬は体臭を通じて人間の恐怖や幸福を感じ取り、行動を変えている可能性があることがわかりました。
    特に、人が恐怖を感じた際にかく「恐怖汗」のニオイを嗅ぐと、犬も不安やストレスを感じるようです。
    昔から、飼い主さんの緊張が犬に伝わり、犬が警戒したり不安になると言われてきましたが、それが科学的に証明されました。

    ●飼い主さんの気持ちが伝染する
    麻布大学を中心としたチームが行った研究(Katayama M, et al., 2019)では、飼い主さんの「怖い」「うれしい」などといった感情が犬に伝染することもわかりました。
    特にこの研究では、飼い主さんとの生活が長い犬の方が感情が伝染しやすくなり、犬は飼い主さんとの信頼関係ができると、飼い主さんの短い情動の変化も察知して共感することがあらためてわかりました。

    犬は何を考えている?【人とは異なる感覚能力】

    犬は何を考えている?【人とは異なる感覚能力】
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    ●視覚・嗅覚・聴覚
    犬は人間と異なった感覚で、様々な情報を受け取っています。

    犬の目は、人よりも光を吸収する能力に優れているため、人よりも暗闇でものを見ることに長けています。

    一方、人よりも立体的にものを見る能力は低く、近くのものに焦点を合わせにくい構造をしているため、1メートルより近い距離でははっきりとものを見ることができません。

    嗅覚に関しては、人間の数千倍から1億倍も嗅ぎ分ける能力が発達しています。
    さらに、複数入り混じったニオイもそれぞれ判別することができます。

    また、聴覚においても人間が聞き取れない可聴域の音を聞き取ることができます。
    人間は16〜2万ヘルツまでの範囲の音を聞くことができますが、犬は65〜最大5万ヘルツまで聞くことが可能とされています。
    さらに、人間よりも4倍も遠くからの物音が聞こえるといわれます。

    ●まるで違う世界が広がる
    たとえば、人間が静かで落ち着く場所だと思っていても、犬が「ここは嫌だ」と示す場合がありますが、もしかすると人間が聞き取れない可聴域以外の音が壁から聞こえてきているのかもしれません。
    または、人間には感知できないわずかなニオイが漂っているのかもしれないのです。

    犬は人間に比べてはるかに多くの情報と刺激を五感によって得ています。

    人間にとっては同一としか感じられないものや、場所や、状況でさえも、犬はまるで違うものとして捉えている可能性が十分にあります。
    人間が感じていることがすべてでは決してありません。
    犬と人間では、見たり感じたりしている世界がまるで違うといってもいいでしょう。

    犬は何を考えている?【犬は弁別(識別)が得意】

    犬は何を考えている?【犬は弁別(識別)が得意】
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    ●識別する能力
    五感に優れた犬は、必然的に、ものごとの違いを細かく捉えて識別する能力に長けています。

    野生の世界では、違いを捉える能力こそが危機を回避することに直結しています。
    天敵に遭遇して一度危険を回避できたからといって、また次に同じような行動によって助かるかどうかは分かりません。
    警戒心を怠らず、ひとつひとつの出来事に敏感に反応していくことが生き抜くことにつながるのです。

    日本犬など狼に近くあまり人の手が加わっていない犬種は、ペットとして改良が進んだ犬種に比べると神経質な性質を持っていますが、それは野生の世界で必要とする高い識別能力を兼ね備えているからです。

    ●すべてがオリジナルである
    人は、「AならばB」が成立すると「BならばA」といった、何かと何かを同等とみなす=(イコール)を理解することができるため、別々の事柄に共通する法則や性質を見いだして一般化し、より広く捉え直そうとします。
    一方、犬をはじめとした感覚を優先している動物では、この=(イコール)を理解することが非常に困難です。
    そのため、ものごとを大枠で捉える一般化の思考を犬は基本的にはせず、すべての違いを詳細に捉えます。

    いわば、ものごとのひとつひとつをオリジナルとして捉えているのです。
    まるで一緒でない限り「この前大丈夫だったから今回も平気だよね」「ほとんど同じだから一緒みたいなもの」ということが犬には通用しないと知っておきましょう。
    もちろん、類似する経験を重ねることで、別々の刺激に対して大枠で捉えることも可能になりますが、非常に根気が必要となります。

    ●理由を求めすぎない
    人間は犬の行動に理由を求めてしまいがちです。
    すべてに因果関係があると思い込んでしまいます。
    それはきっと、犬の気持ちを知りたいという思いからでしょう。

    しかし、本当のところはわからず、犬の行動や仕草すべてに理由を求めることには無理があります。
    人間に聞こえない音を聞き、感知できないにおいを嗅ぎ分けられる犬です。
    人間が求める理由に当てはまらない行動はいくつもあるでしょう。

    ですので、愛犬の行動に対して理由をあまり考えすぎず、目の前の行動の事実を受け入れる寛容さも大切といえるでしょう。

    人間と犬の能力の違い、感じ方の違いをまずしっかり心にとめて犬と接してみてください。
    犬の反応や行動が今まで以上に理解できることがあるかもしれません。

    犬は何を考えている? まとめ

    犬は何を考えている? まとめ
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    誰もいない場所に向かって突然吠えたり、壁際をじっと見つめていたり、犬にしか見えないものをあたかも見ているように感じたことはありませんか? 

    それもそのはず。
    犬は、人間よりはるかに優れた五感の能力によって、人間と同じものを見ても、同じように思える状況にあっても、まるで異なる捉え方をしていると分かりました。

    結局のところ、本当の犬の気持ちは分かりませんが、飼い主さんの思い込みで愛犬の考えを大雑把に決めつけることはしないでおくのがよさそうです。

    今後はさらに研究が進んで、犬の感情の仕組みについて解明される日が来るかもしれませんね。

    ライター:石川 明加 Haruka Ishikawa
    監修者:鹿野 正顕(学術博士)

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