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掲載日:2021.03.08

【獣医師監修】犬の抜け毛から考えられる病気とは?原因とその症状を解説!

犬は換毛期と呼ばれる時期には毛が激しく抜けます。それ以外で脱毛が見られる場合は、愛犬が病気にかかっている可能性もあります。病気は、早期発見と早期治療がとても重要です。抜け毛が症状になる犬の病気についても、原因や治療法などを知っておきましょう。

犬の抜け毛の原因は?

犬の抜け毛の原因は?
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犬の毛が抜ける主な原因は、換毛期と呼ばれる時期の被毛の生え変わりによる生理現象です。
犬の換毛期は、原則的には春と秋の2回訪れます。

けれども、換毛期以外にも内分泌疾患や皮膚疾患、ノミなどが寄生したことによる皮膚炎によって脱毛が起こることもあります。

犬の抜け毛(脱毛)で考えられる病気とその治療法は?

犬の抜け毛(脱毛)で考えられる病気とその治療法は?
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愛犬に脱毛が見られる場合、以下の病気の可能性が考えられます。

考えられる病気①【クッシング症候群】

  • 症状
    体の両側が対照的に脱毛します。
    残った被毛はゴワゴワとした感触になります。
    症状が進行すると、皮膚に石灰のようなものの沈着が起きます。
    脱毛のほかに特徴的なのが、多飲多尿です。
  • 原因
    副腎という内分泌の皮質部分の機能が亢進して発症するため、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。
    副腎皮質からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されると、脱毛などが生じます。
    遺伝的に、ビーグル、トイ・プードル、ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザーが好発犬種として知られています。
  • 治療法
    シニア期以降の発症が多数を占めます。
    多飲多尿の症状があるなどクッシング症候群が疑われた場合は、なるべく早く動物病院へ。
    治療は、ホルモンの分泌量をコントロールする内服薬などを投与して行われるのが一般的です。

考えられる病気②【甲状腺機能低下症】

  • 症状
    クッシング症候群と併発することも多い、内分泌疾患。
    お腹、尾、首など部分的に脱毛するのが特徴で、皮膚の黒ずみを生じることも少なくありません。
    運動を嫌がるようになったり、寒がりになったりするのも症状のひとつです。
  • 原因
    甲状腺ホルモンのひとつで、被毛の生え変わりを促進する働きがあるチロキシンの分泌量が低下するのが原因。
    シニア期以降の中型犬と大型犬に、比較的多く見られる疾患です。
    また、避妊手術をしたメスのほうが、未避妊メスよりも発症例が多くなっています。
  • 治療法
    完治をさせるのはむずかしい病気ですが、一般的には、甲状腺ホルモン剤の投与を行って治療を行います。
    甲状腺機能低下症が疑われたら、なるべく早期に獣医師に相談しましょう。

考えられる病気③【寄生虫の感染症】

  • 症状
    ノミの唾液によるアレルギー反応であるノミアレルギー性皮膚炎、イヌヒゼンダニの寄生で起こる犬疥癬(いぬかいせん)、常在菌である毛包虫(ニキビダニ)が増殖することで生じる毛包虫症のいずれも、赤い発疹が現れ、次第に毛が薄くなる症状が見られます。
    犬疥癬では、耳のふちにフケが見られるのも特徴です。
  • 原因
    ノミは屋外の草むらなどで、疥癬(かいせん)はすでに疥癬に寄生されている犬同士の接触で、犬に寄生します。
    毛包虫はなんらかの原因で、常在している毛包虫が増殖することで発症し、一度かかると再発しやすい傾向にあります。
  • 治療法
    寄生虫に感染した場合は、その種類を特定したのち、駆虫薬を用いて根本治療を行わなければなりません。
    必要に応じて、痒みや皮膚の炎症を抑える薬なども使用します。

考えられる病気④【アトピー性皮膚炎】

  • 症状
    すべての年齢で発症が見られますが、3歳未満での発症が多数を占めます。
    目や口のまわり、耳の後ろ、足先などが赤みを帯びてきて犬が痒がって掻くのが初期症状のひとつ。
    進行すると、毛が抜ける、皮膚が黒い色に色素沈着してくる、皮膚が固くなるといった症状も現れます。
    強い痒みは犬のストレスにもなるので、悪化する前に治療を開始したいものです。
  • 原因
    皮膚のバリア機能の免疫学的な異常を持ち合わせている“アトピー体質”の犬種に発症すると言われる皮膚病です。
    フレンチ・ブルドッグ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、レトリーバー、ジャック・ラッセル・テリアなどが好発犬種です。
  • 治療法
    根治はできない疾患のため、症状の改善を目指して治療を行います。
    シャンプー療法、痒みや炎症をコントロールするためのステロイド薬の使用、スキンケア、漢方薬など、獣医師と治療方針を相談しつつ多角的なアプローチから継続的な治療が必要になるでしょう。

考えられる病気⑤【膿皮症】

  • 症状
    赤い発疹が皮膚に現れるのが特徴的で、リング状のフケ、脱毛、色素沈着へと症状が進行します。
    子犬では皮膚に膿をためた発疹ができることもあります。
  • 原因
    犬の皮膚や粘膜に常在している、病原性の低いブドウ球菌が原因で発症します。
    犬から犬へ、犬から人へはうつりません。
    アトピー性皮膚炎などかゆみを生じる皮膚病があったり、内分泌疾患にかかっていたりすると、ブドウ球菌が増殖しやすいことが知られています。
  • 治療法
    抗菌作用のあるシャンプー療法、抗菌剤の投与などによって治療を行います。

考えられる病気⑥【パターン脱毛症】

  • 症状
    若齢期に発症の多い、原因不明の脱毛症。
    毛が生えてきても薄く、耳の外側、鼻先、首から胸にかけて、お腹などに左右対称の脱毛が見られます。
    かゆみや痛みは伴いません。
  • 原因
    遺伝的な素因が関係すると言われる皮膚疾患。
    イタリアン・グレーハウンド、ミニチュア・ピンシャー、ウィペット、ダックスフンド、ボストン・テリアなどが発症しやすい犬種です。
  • 治療法
    松果体(しょうかたい)ホルモンの投与で症状が改善する犬もいますが、効果が見られない犬もいます。

犬の抜け毛(脱毛)の対処法は?

犬の抜け毛(脱毛)の対処法は?
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  • ノミの場合
    ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミに寄生されなければ起こりません。
    ノミの寄生は、ノミとマダニ(薬によっては蚊が媒介するフィラリア症も同時に可能)の予防薬を定期的に投与することで防げます。
    ノミが活発化する春から秋には、動物病院で予防薬を処方してもらいましょう。
  • 内分泌疾患の場合
    病気は早期発見と早期治療が重要です。
    愛犬の体調の変化を見逃さないこと、そして少なくとも年に1度は健康診断(ドッグドック)を受けることに努めたいものです。

  • 皮膚疾患の場合
    皮膚病を予防するため、こまめなブラッシングで抜け毛を取り除きつつ、月に1~2回はシャンプーをして愛犬の皮膚の通気性と衛生を保つようにしてください。
    すでに皮膚病の愛犬がかゆがる場合は、掻き壊しによる悪化を防ぐために、皮膚の通気性を損ねない素材の洋服を着せたり、爪を短く切るのも対処法のひとつ。
    獣医師と相談しながら、最良の対処法を実践するのが重要です。

  • 老化現象による薄毛の場合
    人間同様、犬も老犬になると毛が薄くなります。
    鼻のまわりなど、部分的には完全にはげることもあるでしょう。
    加齢による薄毛や脱毛を止めることはできません。
    けれども、体温の調節機能も衰えたうえに薄毛になった老犬は、寒さに弱いものです。
    冬場に暖房のない場所で過ごさせる際は保温のために洋服を着せたり、ペットヒーターなどを上手に利用して寒さから身を守ってあげてください。

まとめ

まとめ
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犬の被毛には、上毛だけのシングルコートと、上毛と下毛の二重構造になっているダブルコートの2つのタイプがあり、ダブルコートの犬種は春と秋に換毛期が訪れます。
それ以外で脱毛が見られる場合は、愛犬が病気にかかっている可能性もあります。
脱毛のほかにも症状がある場合や、愛犬がかゆがってストレスを感じているように見えたら、なるべく早期に獣医師に相談しましょう。

ライター:臼井 京音 Kyone Usui
監修者:箱崎 加奈子(獣医師)

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