ANA Inspiration of Japan

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【空飛ぶレストラン】ANA機内食のパンは自家製?!
川崎工場ベーカリーキッチンへ潜入

2018.01.18ANAオリジナル

ANAオリジナル
ANA機内食

ANAの機内食のパンはエコノミーも含めてすべて自社製、ということをご存知でしたか? 「“地上”と“空の上”での違いを教えて!」「自社にこだわる理由って?」なんていう声が聞こえてきそうですね。そこで、百聞は一見に如かず。羽田空港のほど近く、株式会社ANAケータリングサービス(ANAC)の「川崎工場ベーカリーキッチン」にて、シェフの説明を聞きながら、つくっている様子を見せてもらいました!

Text by
Akiko Aida (minimal)
Photo by
Koji Miura

パンがおいしいからANAに乗る
そう思ってもらえるパンをつくっています

1日何万個もつくられるANA機内食のパン。「『パンがおいしいからANAに乗る』と、お客様に言っていただけるくらいのパンをつくっていると自負しています」と力強く語ってくれた、ANAケータリングサービスの相田紀昭シェフに自社で製造することの強みやこだわりについて聞きました。

パンとスイーツ、そして飛行機が大好きだという相田シェフにとって川崎工場の「ベーカリーキッチン」は最高の場所
パンとスイーツ、そして飛行機が大好きだという相田シェフにとって川崎工場の「ベーカリーキッチン」は最高の場所

「飛行機のなかってすごく乾燥しませんか? 私たちがつくるパンが地上のパンと違うのは、しっとりと仕上げるところなんです。地上と同じパンをそのまま機内に持ち込んだら、パサついてしまいます。なので、『焼ききる』ということはせず、90%程度に抑えて焼き上げます。焼き加減が調整できるのは、自社製だからこそ。そして“味わい”ですが、空の上では食べ物の味が薄く感じるといわれています。そこで、弊社オリジナルブレンドの小麦粉など、可能な限り上質な原料を使い、リッチな味わいを出しています。ここだけの話、外注していては到底実現できないような原価率で製造しているんですよ」

「ANACオリジナル小麦粉」。厳選された国産小麦を専用の配分でANAC専用に挽いてもらう。バゲットを中心にいろいろなパンに使用されている
「ANACオリジナル小麦粉」。厳選された国産小麦を専用の配分でANAC専用に挽いてもらう。
バゲットを中心にいろいろなパンに使用されている

味覚が鈍くなる機内でもおいしいということは、地上で食べたら格別においしいはず。さらに、デザートも含め工程のなかで一度も冷凍することがないのも、自社製だから。

「パンなら焼き上げた翌々日には、機上のお客様に食べていただけます。可能な限りのベストなタイミングでご提供できるように努めています」

幼いころから「ケーキ屋さんになる」という夢を持ち、数々の名店で経験を積んできた相田シェフ。当然ながらパンとスイーツが大好きで、食べ歩きが趣味なんだそう。そんなシェフが「青山や麻布の有名店にも負けない」と自信をもっておすすめしてくれるパンの数々。「ベーカリーキッチン」のラインナップをさっそくご紹介しましょう。

料理をひきたてながら、ほんのり季節を感じさせる

ファーストクラス・ビジネスクラスの11月まで提供されたパン。上から時計回りにバゲット、かぼちゃのフォカッチャ、赤ワインブレッド 、ソフトセレアル(ソフトセレアルはファーストクラス限定)
ファーストクラス・ビジネスクラスの11月まで提供されたパン。上から時計回りにバゲット、かぼちゃのフォカッチャ、
赤ワインブレッド 、ソフトセレアル(ソフトセレアルはファーストクラス限定)

まずはファースト&ビジネスクラスのパンから。「パンにも季節を感じていただきたい」と、3カ月ごとにメニューを更新しているそうです。訪問した11月は、かぼちゃの黄色やワインの赤と、見た目にも秋らしい華やかなブレッドメニューがラインナップ。共通するのは、もちもち、しっとりした食感。赤ワインの風味は驚くほど濃く、セレアルの雑穀、かぼちゃも、味わい深い!シェフの一押し「素材がシンプルなだけに一番難しい」というバゲットは、小麦のうまみをしっかり噛みしめられる逸品です。

そして、メニュー開発にも自社製の強みがありました。

「私たちがつくるパンは、機内食の料理に添えられることが前提です。季節感を演出しながらも、料理の邪魔をしないベーシックなものである必要があります」

機内といういわば特殊な環境を、しっかりと踏まえてつくられているんですね。

もっちり感と豊かな風味を味わえるプレミアムエコノミー・エコノミークラスのパン

プレミアムエコノミー・エコノミークラスで提供される「ソフトロール」。機内食のパンのイメージも、このソフトロールを食べれば覆るはず
プレミアムエコノミー・エコノミークラスで提供される「ソフトロール」。
機内食のパンのイメージも、このソフトロールを食べれば覆るはず

ANAがエコノミークラスのパンを自社製に切り替えたのは、2015年12月。ここ「ベーカリーキッチン」の新設により、パンの生産量が大幅にアップしました。それまで一部の国際線のファースト・ビジネスクラスや空港ラウンジで好評を得ていた自社製パンをプレミアムエコノミー・エコノミークラスでも提供できるようになったのです。

ここでしか味わえない、ピエール・エルメ・パリとのコラボレーションデザート

11月のビジネスクラスで提供されたピエール・エルメ・パリとのコラボデザート、エモーション サラ(左)と、ANACオリジナルデザート、紅茶とマスカルポーネのムース(右)
11月のビジネスクラスで提供されたピエール・エルメ・パリとのコラボデザート、
エモーション サラ(左)と、ANACオリジナルデザート、紅茶とマスカルポーネのムース(右)

欧米路線のビジネスクラスでは、世界最高峰のパティシエであるピエール・エルメ氏とコラボレーションしたスイーツと、ANACオリジナルデザートを提供しています。ピエール・エルメ・パリとのコラボデザート、エモーション サラは、マロンポワレと抹茶クリームを使ったパッションフルーツ風味のクレームブリュレ。

「ピエール・エルメ・パリの魅力は、構成にあるんです。食べていくうちに味が変化する、そのドラマティックさを楽しんでほしいですね」

ANACオリジナルデザート、紅茶とマスカルポーネのムースは、紅茶の香りをふわっと感じる上品な味わい。クランチのザクザク感もあり、まさにデザートの楽しみが詰まっています。

ピエール・エルメ・パリとのコラボデザートと、ANACオリジナルデザート…。ここでしか出会えないスイーツなので、どちらを選ぶか迷ってしまいそうですね。

ピエール・エルメ・パリの看板商品の名前を冠した、ヨーグルト イスパハン
ピエール・エルメ・パリの看板商品の名前を冠した、ヨーグルト イスパハン

一方、ベトナム・ミャンマー・カンボジア・中国・香港・台湾・マニラ路線のビジネスクラスのピエール・エルメ・パリとのコラボレーションデザートは、ヨーグルト イスパハン。「バラとライチとラズベリーを使った、ヨーグルト風味」、こちらも意外な味の変化が楽しめます。シンプルな見た目からは想像がつかない、さわやかな酸味とともに華やかさを感じるデザートです。