ANA Inspiration of Japan

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働く人の出張めし
~横浜で必ず食べるべき地元限定グルメ6軒~

2018.09.20ANAオリジナル

横浜の通な呑兵衛が集う、奥野毛~関内の名店ホッピング!

こちらのメインストリートを抜けた先が“奥野毛”と呼ばれる一帯
こちらのメインストリートを抜けた先が“奥野毛”と呼ばれる一帯

安くておいしい、赤提灯の大衆酒場がひしめく野毛エリア。近年はおしゃれなバルや今風の横丁なども増加中で若い客が増えつつあります。その影響もあってか、以前から野毛で飲み歩いていた呑兵衛たちは、桜木町駅から少し離れた宮川町や日ノ出町あたりの奥野毛や関内に拠点を移しつつあるとか。地元の呑兵衛のいる場所に、通好みのいい酒場あり。

そこで、昔ながらのディープな雰囲気と下町らしいコミュニケーションが楽しめる、奥野毛の名店・注目店を紹介します。

奥野毛の聖地でいただく、極上“三冷ホッピー”で乾杯!

大岡川沿いに沿って孤を描くように張りだした、小さな間口の個性的な飲食店が連なる「都橋商店街」。野毛界隈でもひときわディープな雰囲気を醸し出すこのスポットに、“ホッピーの聖地”と崇められるお店があります。

奥野毛のシンボル、都橋商店街。小さな酒場がぎゅっとひしめく
奥野毛のシンボル、都橋商店街。小さな酒場がぎゅっとひしめく

古びた階段を上がり、2階を進んでいくと店の看板が見えてきます。

2階はより一層怪しげなムードがむんむん!
2階はより一層怪しげなムードがむんむん!

店の名は「ホッピー仙人」。扉を開けるとお客さんがぎっしり! 初めて訪れる人はまずこの状況にひるんでしまいますが、ここではこれが当たり前。「2人なんですけどいっぱいですか~?」「いや入れるよ~奥のほうちょっと詰めてあげて~」といったやりとりが日常茶飯事で、手慣れた常連さんたちがスペースを作ってくれます。

メニューはホッピーのみ。「サーバーの白黒、ビン白黒どれにする?」と仙人にオーダーを聞かれます(注:この店では店主のことをマスターや大将ではなく「仙人」と呼ぶのがルール)。サーバーとは樽から注ぐホッピーのことで、こちらでは珍しい“樽生ホッピー”がいただけるのも特筆すべき点。

作っている最中は真剣な表情の仙人ですが…
作っている最中は真剣な表情の仙人ですが…
普段はいつもにこやかでお茶目
普段はいつもにこやかでお茶目

ホッピーといえば瓶とジョッキがセットで出てきて中をおかわりするスタイルが主流ですが、「ホッピー仙人」では計算された割合と徹底した温度管理の元、仙人が一杯ずつ提供。キンキンに冷えたジョッキ・焼酎・ホッピーの“3キンホッピー”にこだわった極上のホッピーが味わえるのです。

(左)瓶黒ホッピー500円、(右)サーバー白ホッピー500円
(左)瓶黒ホッピー500円、(右)サーバー白ホッピー500円

クリーミーな泡のホッピーは、これまでのホッピーとは一線を画す格別の味わい! 「こんなうまいホッピーは飲んだことない!」と感動したお客さんがまた別の客を連れて…の繰り返しで、仙人が作る極上のホッピーを求めて連夜“満員電車状態”の人気店に。

女性客にはハートのホッピーアート付き!
女性客にはハートのホッピーアート付き!

白・黒以外に、青りんごサワー×白ホッピーの「堀越さん」や、吉田類さんが命名したレモンサワー×黒ホッピーの「北米大陸の風」、新作の紫蘇サワー×黒ホッピーの「大岡川」などもあり。酔い過ぎない程度に、いろんなフレーバーを楽しんでみてくださいね。

(左)大岡川800円、(右)堀越さん800円
(左)大岡川800円、(右)堀越さん800円
新しいお客さんが来るたびに、みんなで「乾杯!」
新しいお客さんが来るたびに、みんなで「乾杯!」

仙人のチャーミングなキャラクターもあり、常連客も一見客も自然と仲良くなれるところも「ホッピー仙人」が愛される所以。野毛呑みの魅力である「ディープな雰囲気」と「気取らない地元民たちとのコミュニケーション」も体験でき、奥野毛の呑兵衛の一員になれたような気分を楽しめます。ちなみに店内は狭いので、1人か2~3人の少人数で訪れることをおすすめします。

ホッピー仙人
住所:神奈川県横浜市中区宮川町1-1-214 都橋ビル2F
電話番号:045-242-1731
営業時間:19:00~22:00/日曜・祝日休

昭和にタイムスリップできる老舗天ぷら屋で大人呑み

昭和にタイムスリップできる老舗天ぷら屋で大人呑み

昭和風情が残る老舗の天ぷら屋で、職人気質の渋い大将と会話をしながら酒を飲む。そんな大人な時間を過ごせるのが、関内にある「登良屋」です。

路地裏で存在感を放つ日本家屋と暖簾
路地裏で存在感を放つ日本家屋と暖簾

創業は昭和33年。歴史を感じる日本家屋と表に掲げられた年季の入った暖簾が、老舗の貫録を漂わせる外観。扉を開けると、期待を裏切らない昔ながらのカウンターとテーブル席、その奥には小上がりのテーブル席が広がっています。

賑やかな伊勢佐木モール路地裏にありながら、商店街の喧騒を忘れさせてくれる静かな店内
賑やかな伊勢佐木モール路地裏にありながら、商店街の喧騒を忘れさせてくれる静かな店内
寛いで過ごせる小上がり席も雰囲気よし
寛いで過ごせる小上がり席も雰囲気よし

カウンターに立つのは、二代目店主の荒井浩さん。「大将」と呼ぶに相応しいキリリとした顔だちと店の空気をキュッと引き締める存在感に少々緊張しますが、話しかけると横浜の下町育ちのさっぱりとした口調で時折笑顔を見せながら会話に応じてくれます。

カウンターに立つ姿が絵になる二代目店主の荒井さん
カウンターに立つ姿が絵になる二代目店主の荒井さん

「古くから伊勢佐木町は栄えてて、昔なじみの近所の商店の方とか常連さんらが親子三代に渡って通ってきてくれてるんです。お座敷もあるから家族で利用してくれたりね」(荒井さん)

メニューには価格が書かれておらず、この雰囲気からして高級店かもと思いきや。なんと、天ぷらは一人前の盛り合わせで1,200円というから驚き。

「天ぷら屋っていうと高級な店もいっぱいあるけど、うちは手頃だから気軽に使ってもらってます」(荒井さん)

一人前盛り1,200円、海老追加500円
一人前盛り1,200円、海老追加500円

内容は、しし唐、かぼちゃ、舞茸、なす、白ぎす、穴子、いか(海老は+500円)と盛りだくさんで、ランチタイム(11:00~16:00)は据え置き価格でごはんとお椀付き。

天種は鮮度が命。150年以上の歴史がある岩井の胡麻油でサクッと揚げる
天種は鮮度が命。150年以上の歴史がある岩井の胡麻油でサクッと揚げる

天種を揚げる油は、香味が抜群な神奈川県の岩井の胡麻油を使用。衣は薄すぎず厚すぎずの中間で、サクッとした歯触りが美味。いくつ食べても胸やけしない程よい揚げ加減で、この道ウン十年の職人業に思わず唸ってしまいます。

「岩井の胡麻油は先代からずっと同じ。うちのこだわりは、鮮度のいい魚を使うこと」と大将。なんでも先代の奥様のご実家がカツオの網元で、魚の鮮度には一切妥協なし。そのため、「登良屋」は刺身が旨い天ぷら屋としても地元で評判。

カツオの刺身1,700円。刺身はその日の仕入れによって3~4種類揃う
カツオの刺身1,700円。刺身はその日の仕入れによって3~4種類揃う

カツオのお刺身は通年置いている定番メニュー。えぐみが少なくうま味が濃くて、ひと切れが厚いのに身が柔らかく歯切れがいい。これはお酒のアテに最高! 「登良屋」に来る常連は、刺身と天ぷらをつまみながら酒を飲んでさっと帰るパターンが多いのだとか。そんな大人な使い方を、ぜひ真似したいところ。

休憩時間はなく通し営業なので、はやめに仕事を終えた出張ビジネスマンが16時頃から天ぷらで一杯やりに来ることも珍しくないそう。「この辺は飲み屋が多いから、ウチで早めから呑んで近所の居酒屋をはしご酒するのもいいよ。俺も真似したいよ(笑)」と笑う大将。

「16時くらいからひとっ風呂浴びて一杯飲んで。うらやましいね~」
「16時くらいからひとっ風呂浴びて一杯飲んで。うらやましいね~」

ワイワイ盛り上がれる酒場も多いですが、渋い天ぷら屋で大人呑みを楽しむのも一興。気分で選べる店のふり幅の広さも、この界隈で呑む魅力でもあります。

登良屋
住所:神奈川県横浜市中区吉田町2-3
電話番号:045-251-2271
営業時間:11:00~21:00/日曜休(月曜不定休あり)

24時間営業のタイ料理屋で〆タイも朝タイも!

24時間営業のタイ料理屋で〆タイも朝タイも!

昔ながらの昭和な酒場と肩を並べて、中華やエスニックなど多国籍なグルメが味わえる店も多い奥野毛エリア。その中で深夜に大賑わいを見せているのが、日ノ出町と黄金町の中間にある「J's Store(ジェイズストア)」です。

闇夜に煌々と光る「24時間営業」の看板
闇夜に煌々と光る「24時間営業」の看板

こんなところにお店があるの? と不安になるような、住宅街のマンションの1階にお店が出現。意外な立地もさることながら、それよりもっと驚かされるのが“24時間営業”。しかも料理も美味しく本格的。深夜に飲みに行く店がなくて困ったときも、早朝に無性にタイ料理が食べたくなったときも、ここに来れば問題ナシ!

タイの食料品を販売するストアだった頃の名残が残る
タイの食料品を販売するストアだった頃の名残が残る

店内に入ると、壁一面にズラーッと並んだタイの食料品や調味料に唖然! ディープな雰囲気に一瞬面喰らいますが、この雑多な感じも奥野毛の町に馴染んでいて面白い。棚の商品は売り物なので、お土産に購入するもよし。キョロキョロと物色しながら料理を待てば退屈しません。

タイの食料品を販売するストアだった頃の名残が残る
現地のナンプラーやココナッツミルクの缶、インスタントラーメンなどいろいろ揃う
現地のナンプラーやココナッツミルクの缶、インスタントラーメンなどいろいろ揃う

そもそもは24時間営業のタイの物品を売るストアとして営業しており、12年ほど前から料理を提供するようになったそう。夜働いているタイ人が近隣に多いため、朝から晩までいつでも食べに来られるよう通し営業にしているのだとか。

料理は種類豊富で、ガパオライスやグリーンカレー、カオマンガイなど日本でもおなじみのメニューが人気。辛い料理には唐辛子マークが付いていますが、辛さは調整できるので辛いのが苦手な人もご安心を!

ちなみにお酒は冷蔵庫から自分で取るセルフスタイル。勝手に取って勝手に栓を開けて呑むフランクさが心地いい。日本のビールやタイのビール、ワインのほか、タイでポピュラーなジュースなど物珍しいものも並んでいます。

ドリンクはセルフサービス!
ドリンクはセルフサービス!
スタッフは全員タイ人。フレンドリーで親しみやすい
スタッフは全員タイ人。フレンドリーで親しみやすい

キッチンもフロアもスタッフは全員タイ人。タイ語が飛び交う店内にいると、横浜に居ることを忘れてタイ旅行をしているような気分に。

写真の左上からガパオライス900円、ソフトシェルクラブのカレー粉いため小1,200円、ココナッツミルク入りの鶏のトムヤムスープ900円、パクチーサラダ900円、ビール各550円
写真の左上からガパオライス900円、ソフトシェルクラブのカレー粉いため小1,200円、
ココナッツミルク入りの鶏のトムヤムスープ900円、パクチーサラダ900円、ビール各550円

今回注文した料理はこちら。ガパオライス、ソフトシェルクラブのカレー粉いため、ココナッツミルク入りの鶏のトムヤムスープ、パクチーサラダ。個人的にヒットしたのは、ソフトシェルクラブのカレー粉いため!

蟹も野菜もたっぷりでひと皿がボリューミー!
蟹も野菜もたっぷりでひと皿がボリューミー!

殻ごと食べられる揚げた蟹とふわふわの卵にセロリがたっぷり。まろやかな口当たりで辛いのが苦手な人にもおすすめの一品。ジャスミンライスとも相性ばっちりです。

病みつきになるすっぱ辛いスープも人気!
病みつきになるすっぱ辛いスープも人気!

後からほんのりスパイシーなココナッツミルク入りの鶏のトムヤムスープは、真っ赤なトムヤムクンよりもマイルドな口当たり。鶏肉たっぷりで見た目以上に食べ応えがあります。

ママのアロム・ホムスワンさん。キュートな人柄で日本語もお上手
ママのアロム・ホムスワンさん。キュートな人柄で日本語もお上手

近隣のタイ人にタイ北部や東北部出身が多いためその地方の郷土料理などもラインナップ。オーナーママのアロム・ホムスワンさんが野菜好きなので、どの料理にも野菜をいっぱい使っているのも特徴的です。パクチーやバジルなどのハーブや葉野菜、果物、お店で作ったテイクアウト用のデリも販売しています。

青森から出張で来ていた男性が、食後に青パパイヤを購入!
青森から出張で来ていた男性が、食後に青パパイヤを購入!

日中は日本人、夜の早い時間は日本人、深夜になるにつれタイ人のお客さんが増えるそう。麺やごはん類のメニューも充実しているので、はしご酒の最後の〆タイや飲み明かした日の朝タイもおすすめ。奥野毛のディープエリアで、仕事を忘れてトリップ気分を味わってみませんか?

J's Store
住所:神奈川県横浜市中区末吉町1-23 ボナールイセザキ1F
電話番号:050-5872-6574
営業時間:24時間/日曜24:00~月曜10:00休

今回だけでは紹介しきれないほど、大人好みの安くてうまくて楽しい酒場がまだまだたくさんある奥野毛エリア。1軒だけといわず、2軒、3軒とはしご酒を楽しむのがこの街の醍醐味。時間の許すかぎり横浜の夜を満喫してくださいね!

※記載の内容は2018年9月現在のもので、変更となることがあります。