ラーメンともうどんとも違う沖縄のソウルフード「沖縄そば」。あっさりしたスープに、甘辛いタレでトロットロに煮込んだ濃厚お肉が鉄板ですが、近年この沖縄そば業界にも新たなムーブメントが起きているようです。ユーザの声による「沖縄そば専門店」限定の情報をまとめた、ポータルサイト「SUBA」編集部協力のもと、今食べたい老舗&進化系そばの名店10をご紹介します!

Text by
Yoshimi Sato

“最古の沖縄そば”ともいわれる
110年以上の歴史を持つ「きしもと食堂」

岸本そば(大)750円(税込)、じゅーしー 300円(税込)
岸本そば(大)750円(税込)、じゅーしー 300円(税込)

SUBA編集部が「一番の老舗」として紹介してくれたのが、県道84号線沿い・通称「沖縄そば街道」にあるきしもと食堂。1905年創業の明治時代から続く老舗店です。その本店から車で約5分の場所にあるのが「きしもと食堂八重岳店」。本店よりも広く、行列必至の本店よりも比較的訪れやすいお店といえます。

きしもと食堂のそばの最大の特徴は木灰(もっかい)そば。薪を焼いて出た灰をやんばるの水に溶かした上澄み液を使った手打ち麺です。木灰のミネラルが溶け出した麺は、茹でたあとに一度冷ますことでコシのある独特の食感と風味が出ます。

スープはカツオをメインに、時間をかけてうま味を抽出。しっかりとカツオの風味を感じられる濃いめのスープは、太めの木灰そばとの相性がバツグンです。トッピングの三枚肉は甘辛の醤油で煮込まれ、ホロリと口の中でとろけます。人気のじゅーしー(炊き込みご飯)は数量限定なので、オーダーするのがおすすめです。

駐車場も広く、観光客にもやさしい
駐車場も広く、観光客にもやさしい

「沖縄美ら海水族館近くにあり、本部町の沖縄そば街道といわれる沖縄そば店が並ぶ通りの中でも、観光客に人気で行列ができるほどです」(SUBA編集部)

きしもと食堂 八重岳店
住所:国頭郡本部町字伊野波350−1
TEL:0980-47-6608
営業時間:11:00~29:00/無休

ソーキそば発祥の名店
平打ち麺“名護そばの老舗”といえばここ!

一番人気の新山ソーキそば(右)750円
一番人気の新山ソーキそば(右)750円

「名護そばの特徴でもある平麺が堪能できる」とSUBA編集部から聞きつけたのが「新山食堂」。その歴史は1923年まで遡る名護市きっての老舗で、このエリアならではの平たい麺が特徴です。現在、お店は当時の味を引き継ぎ、浦添市で営業しています。

一番人気は「新山ソーキそば」。店主・寺田さんによると「ソーキとは、豚の骨付きのあばら肉(スペアリブ)のこと。醬油ベースのタレでじっくり時間をかけて煮込んで柔らかくしていきます」とのことで、こちらのお店はソーキそば発祥ともいわれているお店です。

琥珀色のスープは大正時代より受け継がれている味。やんばる豚とやんばる鶏をベースにカツオ節をブレンドし、徹底的にアクと油を取り除きます。このように丁寧な工程を重ねた結果、あっさりした口当たりにもコクが残る風味の変化が実現するのです。

じゅうしい 200円
じゅうしい 200円

「わざわざ、じゅうしいだけを持ち帰りで買いに来るお客様がいるほど人気なんです」と寺田さんが話す、沖縄の炊き込みご飯。おいしさの理由は「仕上げで混ぜる自家製のラード」だそう。ほんのり甘さを感じるしつこくないラードが、うま味をより一層引き立てます。

「ただいま」と言いたくなるアットホームなお店
「ただいま」と言いたくなるアットホームなお店

新山食堂では、子どもの食育や、子育てパパ・ママへの支援にも力を入れています。トッピングの葉野菜は無農薬栽培のものを使用。座敷席やおむつ替え用のベビーベッドなどを設置し、子連れ旅行でも気兼ねなく利用できるありがたい1軒です。

新山食堂
住所:浦添市港川2-12-5
TEL:098-988-1394
営業時間:11:00~18:00/水曜休

地元民も観光客にも愛される
正統派沖縄そば

首里そば(中)500円
首里そば(中)500円

昔ながらの伝統的な沖縄そばを提供する「首里そば」。大手コンビニとのコラボで県内限定カップ麺を販売するなど、地元民にとっては馴染み深い沖縄そば店ともいえるでしょう。
ルーツともいえるのは、店主・仲田靖さんが幼いころに食べた沖縄そば店「さくら屋」。その味を求めた仲田さんは、さくら屋のそば打ちの技術を継承したそうです。毎朝早くから仕込む麺は、季節や天候によって小麦粉の配合を調整。しっかり歯ごたえのあるコシの強い麺をつくり上げます。

地元の食堂のような温かい雰囲気
地元の食堂のような温かい雰囲気

住民はもちろん、観光客からも愛されるという首里そばの魅力は、塩ベースのすっきりスープ。シンプルな食材を使い、それぞれの魅力を引き出すため、じっくり時間をかけて仕上げています。

トッピングの肉にも仲田さんのこだわりが詰まっています。上質な豚肉を厳選し、泡盛を使って煮込むことで、独自の口溶けとうま味を実現。こだわり抜いたそれぞれの食材が渾然一体となり「これぞ沖縄そば」が完成するのです。

首里そば
住所:那覇市首里赤田町1-7 ギャラリーしろま内
TEL:098-884-0556
営業時間:11:30~14:00※売り切れ次第終了/日曜、祝日休

有形文化財の空間でいただく
古民家そば処「しむじょう」

三枚肉そばセット(中)1,100円
三枚肉そばセット(中)1,100円

ゆいレール「市立病院前」から徒歩約7分、高台に位置する「しむじょう」は、敷地内に国の登録有形文化財を有する趣のあるお店です。タイムスリップしたような空間でいただくおそばは別格。イチオシの「三枚肉そばセット」は、三枚肉そば(中)をメインに、季節のジューシー、手づくりジーマミー豆腐(ピーナッツ豆富)、日替わりの小鉢が並びます。

透き通っていながらもガツンとカツオと豚骨の風味が主張するスープ。しつこさがないのは、何日もかけて脂を取り除いた努力の賜物です。創業時から継ぎ足したタレで煮込んだ三枚肉も絶品。コシのある麺で食べごたえも十分です。

窓から見る景色も一興。生い茂る樹木を介して、やわらかい光が注ぎこむ
窓から見る景色も一興。生い茂る樹木を介して、やわらかい光が注ぎこむ
石垣で囲まれた歴史的価値を感じる店構え
石垣で囲まれた歴史的価値を感じる店構え

本格的な沖縄そばはもちろんですが、ほかにはないお店特有の雰囲気も楽しんでほしいところです。行列ができることも多いですが、待つ時間すらも楽しめる「しむじょう」。歩くことや並ぶことが苦手な人にもあえておすすめしたい、わざわざ行く価値のある1軒です。

しむじょう
住所:那覇市首里末吉町2-124-1
TEL:098-884-1933
営業時間:11:00~15:00※売り切れ次第終了/水曜休
Photo by Daiki Yamamoto

大宜味村まで訪れたい
ボリューム満点の牛肉そば「前田食堂」

約250gの麺が入ったボリューミーな1杯 (写真提供/トリップアドバイザー)
約250gの麺が入ったボリューミーな1杯
(写真提供/トリップアドバイザー)

「老舗は北部に多い印象」とSUBA編集部が語る理由のひとつが、この前田食堂。大宜味村は那覇市内から北へ約90km、高速を使っても1時間30分ほどかかりますが、それでも食べに訪れたいのがここの牛肉そば。 そっと箸を入れないとこぼれ落ちてきそうなたっぷりの具材に圧倒されます。まずその山を切り崩して口に含むと、香ばしいニンニクとバターにコショウが効いた禁断のうま味…。

濃厚な具材の下に隠れているのは、名護市の「三角屋製麺所」の太麺。ツルツルの麺が、濃厚な具材と豚骨ベースのコクのあるスープをバランスよくのせ、口に届けてくれます。

(写真提供/トリップアドバイザー)
(写真提供/トリップアドバイザー)

「もやしやコショウ、牛肉と沖縄そばとしてはめずらしいタイプ」(SUBA編集部)と、旅先での話題にもなる、一風変わった沖縄そばを味わいたい人にはとっておきの名店です。

前田食堂
住所:国頭郡大宜味村津波985
TEL:0980-44-2025
営業時間:11:00~17:00/水曜休