ANA Inspiration of Japan

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世界中の海を潜ってみたい!
フリーダイバー福田朋夏が、海を通して見ている風景

2016.10.06ANAオリジナル

―― プライベートで旅行をすることはありますか?

福田:海外遠征のついでに、隣の国や島に寄ってみることもありますし、時間がとれれば個人的な旅行もします。でもやっぱり「海に潜りに行こう!」という気持ちが優先されるので、いつも大きなフィンを持っていくことになってしまうんです(笑)。

―― そうなると、海のある場所を選んでしまう?

福田:そうですね。潜ることから少し離れてゆっくりしようとは思うんですが、どうしても「この海の中にはどんな世界が広がっているんだろう」と考えてしまいますね。

大会が終わって、何も考えずにタークス&カイコス諸島に行ったことがあるんですが、そのときはとっても疲れていて、今後フリーダイビングを続けていくかどうか迷っていたんです。
でも、やっぱり潜りたくなってダイビングボートに乗りました。そうしたら、ボートスタッフが「この海はターニャ・ストリーターがノーリミッツ(機械を使って潜る競技)で世界記録を出した海なんだよ」と。彼らはそのときの大会のお手伝いもしていたそうです。

―― それは奇遇ですね。海に呼ばれたような感じでしょうか?

福田:そうなんです。そして、タークス&カイコス諸島はフリーダイビングのレジェンド、ジャック・マイヨールがしばらく住んでいたところだったんです。
フリーダイバーの私が、その事実を知らなかったことも驚きですが…(笑)。それを知ったときは鳥肌が立つ思いでした。

何も知らずに出かけた海が、こんなにもフリーダイビングと縁があったなんて…って。これは、海がまだ潜るのをやめるなって言ってるんだなと思って、よーし!がんばるぞ!!という気持ちになりました。
あのときあそこに行ってなかったら、今の私はなかったかもしれません。海や人との出会いに本当に感謝です。

旅先で人と出会い、世界中に友達が増えていくのが楽しい

福田朋夏さん

―― 海以外に、旅先で必ず行く場所はありますか?

福田:いつも漁港に行きます。世界中から集まっている漁船は、国によって形や色が違っていてかわいいんです。あと、地元の漁師さんとの会話も楽しいですね。どんな魚が獲れるのかとか、どんな暮らしをしているのかとか。
不思議なことに、漁師さんの雰囲気や性格って、どの国でも似ているんですよ。近所のおじちゃんと話をしているみたいで、とってもおもしろいんです。

―― 旅先ではどんなお買い物をされますか?

福田:どこに行ってもチェックしてしまうのは、やっぱり水着ですね。毎日のトレーニングで着るので、何枚あっても足りないくらいなんです。あとは、水着の上からサラッと着られる、ビーチ用のワンピースも購入します。海外には日本にないデザインのものが多く、ショッピングしていてとっても楽しいんです。

―― やっぱりショッピングはテンションあがりますよね!ほかに旅行の楽しみといえば?

福田:やっぱり人との出会いだと思います。特に海外では、いろいろな国の人と出会え、世界中にどんどん友達が増えていくのが楽しいです。国や土地ごとに人の価値観も違っていて、話していて「なるほどー!」と勉強になります。
あと、食べることが大好きなので、その土地の料理を食べ歩くのも楽しみですね(笑)。

―― 食べるのも好きなんですね。おすすめはどの国の料理ですか?

福田:イタリアの海沿いは新鮮な魚介があっておいしいものばかりです。私は特にCozze(ムール貝)をガーリックと白ワインで蒸したものが大好きで、イタリアに行くと毎日のように食べています。

この間、クロアチアにトレーニングにいったときに友達の家に泊まったのですが、その家にはイチジクやピーチ、ブドウなどのフルーツがたくさんあって、毎朝、フルーツを採って食べていました。
ワインも近所の方が作っている完全オーガニックのもので、本当においしかった。友達のママが作ってくれたチキンとトマトの煮込みもホッとする味でしたね。やっぱり、手作りの料理は心がこもっているので何でもおいしいですね。

福田朋夏さん

―― 聞いているだけでお腹が減ってきました…。ではこれから行ってみたい場所は?

福田:今まで行ったことのない場所では、アフリカに行ってみたいです。野生の動物たちがどのように暮らしているのかを、実際に見てみたいですね。
それから「世界中の海を潜ってみたい!」という気持ちが常にあるので、海ならどこにでも訪ねてみたいです。これから行こうと決めているのは南太平洋のトンガ。クジラに会ってきます!!

―― やはり海の話が中心になりますね(笑)。最後に、福田さんにとって海とは?

福田:海は私にとって、いろんなことを気付かせてくれる鏡のような存在です。青く大きな海の中に一人で潜っていると、自分のことがよく分かるんです。私はただの小さな生き物で、この大きな海の一部なんだなって。
フリーダイビングのトレーニングでは、心や身体が疲れることもありますが、海が大好きなので辛いと思ったことはありません。海に潜れることを本当に幸せだなと思っています。これからは、たくさんの幸せをくれた海に恩返しができたらな、と思っています。

移動中やトレーニング中に欠かせない
福田朋夏さんが愛用する旅のリラックスアイテム

海外で過ごす時間の長い福田朋夏さん。厳しい競技の世界へと身を置くなかで、欠かすことができない旅のリラックスアイテムが、ヘッドホンと携帯用スピーカー、そしてお気に入りのアクセサリーです。

撮影 福田朋夏
撮影 福田朋夏

ヘッドホンは、ノイズキャンセリング機能が付いたもの。機能をオンにすると周囲の音がほとんど聞こえなくなるので、飛行機の中でもぐっすりと眠れるそう。「飛行機に乗っている時間が大好き」という福田さん。空の上ではたくさんのアイデアが浮かんでくるので「これからどんな海に行こう」とか「競技をこうしていこう」とか、いろいろと考えるのにいちばんよい場所なんだとか。

潜る前にもヘッドホンで好きな音楽を聴いて、集中力を高めているとのこと。「いろんな場所に持っていったので、皮の部分が剥げてボロボロになっちゃいました…」と福田さん。携帯用スピーカーも同様に、遠征先のアパートやホテルに持ち込んで、いつでも好きな曲を流せるようにしているそうです。

撮影 福田朋夏
撮影 福田朋夏

魚やヒトデをモチーフにしたアクセサリーは、遠征先の海で見つけたというラッキーアイテム。「魚のネックレスは、バハマのロングアイランドにある小さなお洋服屋さんの一角で出会ったんです。大会中だったのですが、次に満足いくダイブができたら、自分へのご褒美に買おうと決めていました。このお魚を思い描いて潜ったおかげで、とってもよいダイブができたんです」と福田さん。海からあがってすぐに魚のネックレスを買いにいったそうです。

ヒトデのネックレスはタークス&カイコス諸島で見つけたもの。ピアスはボネールでのトレーニング中に見つけたもの。「いつも手放さずに海も一緒に潜っているので、いろんな物語や思い出があるんです。またどこかの海で、この子たちの仲間を探したいです」と顔をほころばせながら見せてくださいました。

福田朋夏(ふくだともか)
福田朋夏(ふくだともか)
北海道出身。2011年にフリーダイビングを始め、同年9月にギリシャの世界大会に出場。2012年のフランス大会では日本代表3名の中に選出され、2位以下を大きく引き離し金メダルを獲得。同年のバハマ大会では競技開始から1年目にしてCWT80mに達し、世界中のフリーダイバーからの投票で「Best Female Newcomer」に選ばれる。

2015年のメキシコ大会ではCWT86mで金メダルを獲得。2016年のバハマ大会ではCWT94mでアジア記録を更新。ホンジュラス大会ではCWT95mを達成し優勝。さらにFIM(※2)81mでアジア記録を更新。今後もフリーダイビング日本代表女子チーム「人魚JAPAN」のメンバーとしてなど、個人と団体を問わず数々の世界大会に挑戦予定。

最近ハマっているのは陸上と水中を問わずに楽しんでいる写真撮影!
オフィシャルブログフェイスブックページインスタグラムにて、フリーダイビングの情報や最近の活動について発信中。

(※2 FIM) フリーイマージョン。フィンを装着せずに、目標の深度まで潜る競技。ロープをつかみながら進むことができる。