冬季は雪に埋もれた森を巡るスノーシューツアーを開催

ANAプレミアムメンバー向けライフスタイルマガジン「ana-logue(エーエヌエー・ローグ)」冬号では、「北海道 道央エリア 自然と繋がるアプローチパス」という特集を掲載しております。その中から、Life & Mile読者の方にサイドストーリーを紹介しています。

蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山を望むニセコは、北海道を代表する観光地のひとつ。豊かな自然環境に恵まれたこの地は、年間を通してさまざまなアクティビティが楽しめる。特に冬季はスキーやスノーボードなどのウインタースポーツが盛んで、上質なパウダースノーを求め日本国内からはもとより海外からも多くの旅行者が訪れる。

ana-logue冬号の特集では、そんなニセコをベースにネイチャーツアーを企画する「フォレストレック」の自然ガイドである矢吹全さんへの取材を兼ねて、神仙沼湿原を巡るネイチャーハイキングに参加した。

海抜750メートル以上の高原に位置する神仙沼は、ニセコ山系にある湿原のなかでも、もっとも美しく神秘的な沼と言われている。休日ともなれば、多くの観光客やハイカーで賑わう人気の観光スポットだ。遊歩道から神仙沼までの周回コースには木道が敷かれており、アップダウンも少ないためお年寄りや子どもでも歩きやすいのが魅力。

遊歩道の入口から岳樺(だけかんば)やトドマツの生える森林をしばらく歩き、急に開けた場所に出ると、そこが神仙沼湿原だ。標高が高いせいか青い空と白い曇がとても近く感じる。そんな青と白、そして山の緑を水面に映した神仙沼はまさに絶景。こうした美しい景色に出会えるのもネイチャーツアーの楽しみのひとつだろう。

湖と池、沼は、大きさや深さによって区別されるが、水深が浅く太陽光が水底まで届くため水草が生えてくるところを一般的に沼と呼ぶそうだ。神仙沼はもともと大きな沼だったが、水量が豊富かつ過湿、低温という湿原を形成する条件が整っていたため、枯れた水草が分解されず水底に貯まって現在のような景観となった。ちなみに、分解されない植物の死骸が堆積したものを泥炭(でいたん)というが、ウイスキー作りに重要な役割を果たすピートも泥炭である。

「泥炭の堆積が進んで水面が高くなり、周囲の土地よりも水面が押し上げられるようになると、水の供給量が限界を迎えます。そうなると過湿ではなくなるので、分解が行われ泥炭が土に変わってしまいます。すると、森から飛んできた種が発芽できるようになる。だから1000年後には、ここも森になっているかもしれません」と矢吹さん。

このように、神仙沼へ辿り着くまでの道中、ここ特有の地形や気候、植生、湿原の成り立ちなどを教わっていたおかげで、目の前に広がる景色の解像度が一層上がり、感性はもちろん悟性や理性でもその美しさを堪能することができた。それもまた、豊富な知識と経験、そして参加者の興味を引きつける巧みな話術を有した自然ガイドと一緒に巡るネイチャーツアーの醍醐味に違いない。

「フォレストレック」では、神仙沼湿原を歩くネイチャーハイキングのほか、ニセコの山を中心にゆっくり歩くネイチャートレッキングやリクエストに応じて矢吹さんがアレンジしてくれる1Dayフリーツアーなども行っている。また冬季はスノーシューを履いて雪の積もった森の中を歩くニセコスノーシューツアーなどを開催しており、夏とは違ったニセコの自然を見て、知ることができる。

なお、「フォレストレック」のネイチャーツアーは毎回1組限定のプライベートツアーとなるため、自分のペースでのびのび自然を楽しめるほか、一人でも参加が可能なのも魅力だ。