山口県・錦川

城下町で海に注ぐ西日本でも指折りの清流

上の豊かな森と川下の歴史ある城下町

山口県の東部を流れる錦川は、日本三名橋のひとつである岩国市の「錦帯橋」で知られる川。上流部は周防山地を縫う峡谷であり、およそ110kmの流程で、瀬戸内海の広島湾に注ぐ。支流には「日本名水100選」に選ばれた宇佐川などの清流があり、源流にはブナ林も広がる。宇佐川は5つの滝からなる竜ヶ岳峡と18の滝からなる犬房峡を合わせた山口県屈指の景勝地、寂地峡としても有名だ。一方、城下町として栄えてきた下流部の岩国市内には、錦帯橋のほかにも江戸時代から続く町割の中に古い建物が残る。
清らかな流れにはアマゴが棲み、中国地方にのみ分布するイワナの一種、ゴギも息づく。こうした渓流魚をねらう釣り人も少なくないが、より人気があるのはアユ釣り。広島湾からソ上する天然アユは多く、広範囲で痛快なアタリを楽しませてくれる。

  • 錦川の上流部。ブナ林や広葉樹の森が広がる奥の深い谷になっている錦川の上流部。ブナ林や広葉樹の森が広がる奥の深い谷になっている
  • 小滝が洗う支流。アマゴやイワナ(ゴギ)の釣り場だ小滝が洗う支流。アマゴやイワナ(ゴギ)の釣り場だ
  • 支流のアマゴ。小型だがくっきりとした模様が生育環境のよさを物語る支流のアマゴ。小型だがくっきりとした模様が生育環境のよさを物語る

谷のアマゴとゴギ

渓流魚の釣り場となるのは錦川上流の錦町付近から。錦川は錦町で大きく東西に二分され、西から来る川筋が本流、東から来る川筋が宇佐川になっている。
本流筋を遡ると菅野ダムが流れを遮るが、ダムより上の周南市付近はアマゴの姿が比較的多く見られる。一方、イワナの一種であるゴギは、錦川流域の中でも支流のさらに上流部など細流に多くが棲んでいる。
ゴギは広島県、島根県、山口県で絶滅危惧種に指定されており、また広島県の一部の河川では県の天然記念物に指定されている。その希少性から、釣れても再放流することを前提に釣りを楽しんでいただきたい。ゴギは日本固有のイワナの中でも、頭部に目立って斑点があることなどが特徴。小さな落ち込みを丁寧に探ると顔を見せてくれるかもしれない。

  • ゴギの幼魚。頭部にまで虫喰い模様の斑紋があるのが特徴だゴギの幼魚。頭部にまで虫喰い模様の斑紋があるのが特徴だ
ゴギは河畔から木々が伸びているようなヤブの中を釣る

ゴギは河畔から木々が伸びているようなヤブの中を釣る

、型、味と3拍子揃うアユ釣り場

錦川で天然アユが釣れるのは岩国市から錦町までのエリア。なかでも錦帯橋付近は数も多く釣れる可能性がある。また、錦川は大型のアユが釣れることでも知られ、お盆過ぎから9月下旬頃は、大もののひとつの目安である尺サイズ(およそ30cm)に届くアユがサオを絞ることも珍しくない。シーズン後期にこの大型をねらうなら、柳瀬、河山、南桑といった中流部がおすすめになる。なお、アユ釣りをする際は、下流部と上流部で管轄する漁協が異なるので注意したい。
また、数も型もねらえる本流も魅力だが、支流の宇佐川は美味しいアユが釣れる。全国のアユが一堂に介する「清流めぐり利き鮎会」で、宇佐川のアユは2度もグランプリを受賞していることからも分かるように、その身は香りが強く濃厚なコクがある。

  • 香ばしく焼き上がった美味アユ。川魚とは思えないコクのある身は絶品香ばしく焼き上がった美味アユ。川魚とは思えないコクのある身は絶品
  • 澄んだ流れではアカを食むアユの姿があちこちに見られる澄んだ流れではアカを食むアユの姿があちこちに見られる
  • お盆をすぎると肩が盛り上がった良型アユがサオを絞るお盆をすぎると肩が盛り上がった良型アユがサオを絞る
  • 良型アユの多い中流域の南桑地区。川沿いを走る錦川清流線が風景にアクセントを添える良型アユの多い中流域の南桑地区。川沿いを走る錦川清流線が風景にアクセントを添える
  • 錦帯橋周辺は天然の数釣り場錦帯橋周辺は天然の数釣り場
  • 水面まで浮上してもさらに抵抗を見せる天然アユ水面まで浮上してもさらに抵抗を見せる天然アユ

帯橋と佐々木小次郎

五連のアーチが美しい錦帯橋は、1673年(延宝元年)に岩国藩三代藩主の吉川広嘉が創建した。長さ約210m、幅約5m、高さ約11mの木造橋で、浮世絵画家の葛飾北斎も描いている。これまで流失により3回の全面架け替えが行なわれたが、基本的な構造は変わっていない。錦帯橋を渡ると「日本名城百選」に選ばれた岩国城にロープウエイでアクセスできる。吉川英二の小説『宮本武蔵』に登場する佐々木小次郎は岩国で生まれ、錦帯橋畔でツバメ返しの術を得た。ツバメ返しを編み出したとされる河畔の柳や、佐々木小次郎の銅像も名所のひとつになっている。また、錦川沿いを走る錦川清流線も、眺めのよさから一度は乗車してみたい。こうした流域の観光名所を訪ねてみても楽しい。

  • 錦帯橋を見下ろす岩国城。桃山風南蛮造りの全国でもまれな山城で、4階の展望台からは岩国市内が一望できる錦帯橋を見下ろす岩国城。桃山風南蛮造りの全国でもまれな山城で、4階の展望台からは岩国市内が一望できる
  • 宮本武蔵を追い詰めた剣豪・佐々木小次郎。実在したことは確かといわれるが、来歴などは謎が多い宮本武蔵を追い詰めた剣豪・佐々木小次郎。実在したことは確かといわれるが、来歴などは謎が多い

この釣り場へのアクセス

錦川

岩国錦帯橋空港から錦帯橋までは約20分。錦町まではR187を利用して約1時間でアクセス。

釣り場情報

〈錦川/アマゴ・イワナ〉

解禁期間 3/1~8/31
遊漁料 1日1,000円
管轄漁協 玖北漁協(玖珂郡錦町大字広瀬大谷倉谷橋から玖珂郡美川町字平野上までの錦川及びその支流、
宇佐川など。http://yamaguchinaisuimen.justhpbs.jp/kuhoku.html
錦川上流漁協(周南市。TEL:0834-68-2180)
問合先 ポイント岩国店(http://www.point-i.jp/index.php?id=616

〈錦川/アユ〉

解禁期間 6/1~(玖北漁協、錦川漁協)、6/14~(錦川上流漁協)
遊漁料 1日2,000円(玖北漁協、錦川漁協)、1日4,000円(錦川上流漁協。解禁日から10日間)
管轄漁協 玖北漁協(玖珂郡錦町大字広瀬大谷倉谷橋から玖珂郡美川町字平野上までの錦川及びその支流、
宇佐川など。http://yamaguchinaisuimen.justhpbs.jp/kuhoku.html
錦川漁協(岩国市街から玖珂郡錦町大字広瀬大谷倉谷橋まで。TEL:0827-41-1029)
錦川上流漁協(周南市。TEL:0834-68-2180)
問合先 ポイント岩国店(http://www.point-i.jp/index.php?id=616

※釣り場情報は2015年7月現在のものです。

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