「秋田県/青森県・白神山地の釣り旅」

“イワナもヤマメも止まらない驚きの連続ヒット”

十二湖を出発した秋丸さんと谷地田さん。海岸線の道へ戻ると、県境を越えて再び秋田県側に入った。「今日はヤマメをねらってみましょう。イワナに比べて開けたところにいる分、より遠くからキャストできないとなかなか釣れないけれど、秋丸さんもフライキャスティングにだいぶ慣れて来たからきっと大丈夫。秋田の天然ヤマメは、とにかくきれいですよ」と谷地田さん。秋丸さんも絶対にその目で見てみたいと気合い充分だ。

日本海に注ぐ小さな渓流。周囲が開けていてフライロッドも振りやすい。谷地田さんのアドバイスで前日の感覚を思い出す

日本海に注ぐ小さな渓流。周囲が開けていてフライロッドも振りやすい。谷地田さんのアドバイスで前日の感覚を思い出す

この日の川は前日よりも障害物が少ない穏やかな渓相。リールからラインを引き出し、川が緩くカーブして、少し深くなっている6畳ほどのスペースからねらい始めた。
最初はキャストが決まらず、2度ほどやり直す。「やっぱり難しいなぁ~」と昨日の勘を取り戻そうと懸命の秋丸さん。すると「あっ、今度は上手くキャストできました」と笑顔を見せたあと、波間に揺れる小さなドライフライの行方を目で追っていると、突然、その真下で〝ギラン〟と何かが鋭く光った。

突然の出来事に、「えっ」とも「あっ」ともつかない驚きの声が上がる。「それ、ヤマメだよ!」と、後ろから見守っていた谷地田さん。すると秋丸さん、半ば条件反射で、片方の手でラインを押さえ、もう片方の手でしっかりロッドをあおって、フライのハリがしっかりとヤマメの口に刺さるように動いた。

釣り始めて間もなく、秋丸さんのキャストしたドライフライを勢いよく吸い込んだのは、渓流釣りファンなら誰もが憧れる色鮮やかなヤマメ

釣り始めて間もなく、秋丸さんのキャストしたドライフライを勢いよく吸い込んだのは、渓流釣りファンなら誰もが憧れる色鮮やかなヤマメ

瞬発力のある秋丸さんの対応と、「どうしよう、どうしたらいいですか? すごく元気に引きます!」という、戸惑う姿のギャップに谷地田さんは思わず大笑い。「大丈夫、落ち着いて。もう少しラインを手繰り寄せたら、あとはゆっくり魚を引き寄せればいい」とランディングネットを差し出した。やがて姿を現わしたのは、まぎれもない天然ヤマメだ。
川の水で充分に手を冷やし、釣ったヤマメを静かに支える。渓流の女王と称されるヤマメ。この魚も、パーマークと呼ばれる藍色の斑紋と濁りのない乳白色の腹、側面にうっすらと浮かぶ淡いピンク色が目に焼きついた。いつまでも見飽きることがない、まさに自然の造形美だ。

渓流の女王という別名がぴったりの艶やかな体色。秋田のヤマメは特に藍色のパーマークが形よく並び、うっすらと紅を引いたようなピンク色が体側を染めることで知られる

渓流の女王という別名がぴったりの艶やかな体色。秋田のヤマメは特に藍色のパーマークが形よく並び、うっすらと紅を引いたようなピンク色が体側を染めることで知られる

  • ヤマメが釣れた場所のすぐ上流で、「今度はイワナが釣れました!」と思わず笑顔の秋丸さん。流れに乗せて自然に漂わせた毛バリがものの見事に吸い込まれたヤマメが釣れた場所のすぐ上流で、「今度はイワナが釣れました!」と思わず笑顔の秋丸さん。流れに乗せて自然に漂わせた毛バリがものの見事に吸い込まれた
  • イワナはヤマメ以上に棲む川によって体の色や模様が少しずつ異なる。このイワナは明るい川の色と同化したような色彩をしていたイワナはヤマメ以上に棲む川によって体の色や模様が少しずつ異なる。このイワナは明るい川の色と同化したような色彩をしていた
「また出ましたよ!」と、川の真ん中にある石の横でヤマメがヒット。水面を割る魚の躍動は何度経験しても忘れられない

「また出ましたよ!」と、川の真ん中にある石の横でヤマメがヒット。水面を割る魚の躍動は何度経験しても忘れられない

「今日は調子がいいんじゃない。ポイントはまだまだあるから、どんどんキャストしていこう」と谷地田さん。川から上がるまでのおよそ3時間。リズムをつかんだ秋丸さんは、その後すぐに元気なイワナを釣り、さらにヤマメも3尾釣りあげる。「こんなに釣れるなんて信じられない!」。釣った魚はスマホで記念に撮影。そのたびに元気なうちに流れに戻した。

  • 白神の森に磨かれた水は限りなく透明。この清冽な流れの中に、鮮やかな色合いのヤマメが悠々と泳いでいるのだから自然は不思議だ白神の森に磨かれた水は限りなく透明。この清冽な流れの中に、鮮やかな色合いのヤマメが悠々と泳いでいるのだから自然は不思議だ
  • この日の最後のポイントでも、見事にキャストを決めてヤマメを手にした秋丸さん。フライフィッシングの魅力をすっかり堪能したこの日の最後のポイントでも、見事にキャストを決めてヤマメを手にした秋丸さん。フライフィッシングの魅力をすっかり堪能した

深い森から流れ出す川には、
その自然の力にふさわしい、元気な魚たちがたしかに泳いでいた。

アクセス&釣り情報

羽田空港から大館能代空港まではANAの定期便で約1時間。
大館能代空港から米代川水系や白神山地西側の日本海に注ぐ川まではレンタカーを利用する。
米代川水系の各支流へは車で1時間、日本海に注ぐ渓流群までは1時間半ほど。

釣り情報

〈ヤマメ、イワナ〉

渓流釣りの解禁は毎年4月。ただし5月の大型連休までは雪が多く、その後の雪解け水による増水もあるので、おすすめの釣期は5月下旬以降。タックルは渓流用のフライフィッシングタックルかルアータックルがおすすめ。フライフィッシングは、ロッドが8フィート前後の#3ロッド、ラインがフローティングラインの#3、ラインの先のリーダーシステムは全長14~16フィートで先端のティペットは6X(0.6号)ほどにし、フライは#16前後の大きすぎないドライフライを選ぶ。ルアータックルは5~6フィートのスピニングタックル。ラインはナイロンの1号またはPE0.6号にフロロカーボンのリーダー4ポンド(1号)を50cmほど接続。ルアーは5cm前後のシンキングミノーが使いやすい。遊漁券は流域の釣具店やコンビニエンスストアで購入できる。

〈サクラマス〉

米代川本流はルアーフィッシングによるサクラマス釣りの人気が高い。サクラマスは川で生まれたヤマメが海に降り、翌年の春以降に大型化して再び川に戻って来たもので、平均して50~60cmほどの大きさがある。釣りのシーズンは雪解け水が川に流れ込む3~4月がピーク。水温の上がりきる前の5月もチャンスはある。タックルは8~10フィートの大型トラウト用ロッドに、3000~4000番の中型スピニングリールを組み合わせたスピングタックル。ラインはナイロン10ポンド(2.5号)をメインに、ショックリーダー16~20ポンド(4~5号)を接続し、ルアーは9~11cmのミノープラグや18g程度のスプーンを使う。なお、サクラマスの釣りには渓流釣りとは別の専用の遊漁券を購入する必要がある。

〈アユ〉

米代川のアユ釣り解禁は例年7月だが、本流で良型の天然アユが掛かりだすのは8月中旬のお盆過ぎから。米代川本流のほかに早口川などの大きな支流も釣り場になる。ねらう場所にもよるが、本流中流部を友釣りでねらうなら、サオは早瀬~急瀬タイプの9.5~10m、天井イトはフロロ0.8号、水中イトは複合メタルの0.07(初期)~0.2号(盛期)、中ハリスはフロロ1~1.2号が目安。ハリは初期なら3本イカリの6.5~7.5号、盛期ならチラシの7.5~8.5号がおすすめ。アユ釣りの遊漁券は流域の釣具店やコンビニエンスストアで購入できる。オトリアユは流域のオトリ店で購入する。

今回の釣り場を含む米代川水系のヤマメ、イワナ、サクラマス、アユの遊漁規則については、秋田県内水面漁連HPが詳しい。(https://akita-naisuimen.com/

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