鹿児島県・奄美大島/加計呂麻島

本土と南国の釣りものが融合するフィッシングパラダイス

少な生きものが棲む大きな離島

鹿児島の南方、奄美群島の中心に位置する奄美大島は、北方領土を除くと沖縄本島と佐渡島に次いで、日本の島で3番目の大きさがある。その面積は琵琶湖より少し小さいくらい。
平均気温は4月で19.8℃、8月で28.4℃、年間で20℃以上の亜熱帯だ。

本州と沖縄のほぼ中間に位置するため、言葉や音楽には琉球文化との共通点も多いが、一方で本土と共通するものも多く、まさに中間的な文化を育んでいる。自然も豊かであり、周辺を含めて一帯の島々は多くの場所で山地がそのまま海に入る地形。その山の多くが手つかずの熱帯雨林で、山とジャングル、そして島をぐるりと囲むサンゴの海が複雑に同居している。
奄美大島は、釣りも磯釣りのように本土で盛んなものと、沖縄で盛んなものの両者ができてしまう。
クロダイやメジナの大型がねらえる場所がある一方で、グルクン、スジアラ、GT(ロウニンアジ)といった沖縄で人気の対象魚もねらえるのだ。さらに、アオリイカのように全国的に人気のターゲットも、他の地域に比べてフィッシングプレッシャーが少ない。
釣りファンにとっては、まさに楽園のような環境といえる。

  • 沖縄でも高級魚として人気のスジアラ(アカジンミーバイ)も沖縄でも高級魚として人気のスジアラ(アカジンミーバイ)も
奄美大島は磯釣りも盛ん。大陸棚が深海に落ち込むちょうど際に位置し、メジナをはじめ数多くのターゲットがねらえる

奄美大島は磯釣りも盛ん。大陸棚が深海に落ち込むちょうど際に位置し、メジナをはじめ数多くのターゲットがねらえる

メラルドの海で楽しむ加計呂麻島のエギング

  • グッドサイズのアオリイカは食味も抜群だグッドサイズのアオリイカは食味も抜群だ

そうした中、比較的コンパクトなルアータックルで楽しめ、なおかつ奄美らしい釣りができるのがアオリイカをねらうエギングと、クロダイをポッパーでねらう通称チニング。アオリイカは本土や沖縄と同じ種類で、クロダイは一帯に生息する亜種のミナミクロダイが主になる。
アオリイカのエギングは、奄美大島の古仁屋港から定期船のフェリーで渡れる加計呂麻島がおすすめだ。春は大型の2kgクラスをねらえる5月上旬をピークに、大型のコブシメも混じって島まわりの入江や湾で釣れる。
奄美大島のエギングはサンゴの浅い海をねらうので、ゆっくり沈むシャロータイプと呼ばれる餌木を用意しておくのがコツだ。一般的なのは陸地からねらう釣りだが、最近は遊漁船に乗って海側からねらう釣りも始まっており、可能であればこちらのほうがより多くのポイントを効率よくまわれる。
加計呂麻島は奄美大島からフェリーでわずかに25分(瀬相港行)にもかかわらず、人口が圧倒的に少なく、海やビーチは一段と美しい。光の加減で濃淡の異なるエメラルド色を見せる釣り場を訪れれば、それだけでもきっと満足してしまうはずだ。

  • エメラルドの海を泳ぐアオリイカは好ターゲットエメラルドの海を泳ぐアオリイカは好ターゲット
  • 加計呂麻島の海岸線をボートでまわりエギング。こんなポイントが繰り返し現われる加計呂麻島の海岸線をボートでまわりエギング。こんなポイントが繰り返し現われる

ングローブ林で楽しむカヌーフィッシング

また、奄美大島には西表島に次いで日本で2番目の大きさを持つマングローブの原生林があり、住用町の「黒潮の森 マングローブパーク」では、その中を蛇行して流れる役勝川や住用川でカヌーを楽しめる。そのカヌーに乗っての釣りもでき、なかでもおすすめなのが、水面を引くとしぶきを上げる、7cmほどのペンシルポッパーという細身のルアーを使ったクロダイの釣りだ。
マングローブが繁茂する水辺は穏やかで、なおかつプランクトンなどのエサが豊富。そのためカニなどの生きものや、まだ遊泳力の高くない魚の稚魚たちの棲みかとなっており、それを食べるためにクロダイ(ミナミクロダイ)や、さらにこれからの季節であればGTなどの魚が入ってくる。そうした捕食魚たちが、水面を動かすルアーに激しくアタックしてくるのだ。突然ルアーが襲われ、うまく口にくわえられないと、何度も繰り返し水面を割る魚を相手にする釣りは視覚的にも楽しい。

  • ロッドを積んで静かに漕ぎ出すロッドを積んで静かに漕ぎ出す
  • ペンシルポッパーに飛びだしたクロダイ(ミナミクロダイ)。5月頃からはGTもねらえるペンシルポッパーに飛びだしたクロダイ(ミナミクロダイ)。5月頃からはGTもねらえる
  • マングローブパークのある役勝川と住用川の合流点エリア。緑のじゅうたんがすべてマングローブだマングローブパークのある役勝川と住用川の合流点エリア。緑のじゅうたんがすべてマングローブだ
  • こちらはボートで釣れたミナミクロダイの2kgサイズこちらはボートで釣れたミナミクロダイの2kgサイズ
  • 奄美市住用町にある「黒潮の森 マングローブパーク」。カヌーツアーを体験できる奄美市住用町にある「黒潮の森 マングローブパーク」。カヌーツアーを体験できる

い海に癒される南国の時間

  • 新鮮なカツオと獲れたての貝が並ぶ宿(しびらんか)の食事の一例新鮮なカツオと獲れたての貝が並ぶ宿(しびらんか)の食事の一例

そのほかにも奄美大島で楽しめる釣りを挙げるとキリがないが、GT、カンパチ、カツオ、スマといったボートに乗ってのジギングも楽しい。宿に事前に相談しておけば、釣った魚をさばいてくれる場合も多いので、できれば数日を充ててゆっくりと滞在したい。目の前が海の宿も多く、心地よい海風はきっと時間を忘れさせてくれるだろう。
なお、2001年にオープンした「奄美パーク」は、奄美空港のほど近くにあり、なおかつ奄美大島を含む、加計呂麻島、喜界島、請島、与路島、徳之島、沖永良部島、与論島などの奄美群島の自然・歴史・文化を分かりやすく紹介している見ごたえのある展示館。奄美をより深く知るのにはおすすめの立ち寄りスポットだ。

加計呂麻島のペンション「しびらんか」の目の前に広がる薩川湾。こんな海がいつでも目の前にある

加計呂麻島のペンション「しびらんか」の目の前に広がる薩川湾。こんな海がいつでも目の前にある

  • 奄美沖で釣れた6kgサイズのスマ。非常に美味しいターゲット奄美沖で釣れた6kgサイズのスマ。非常に美味しいターゲット
  • ベストシーズンには50kgも釣られているカンパチはジギングの好ターゲットベストシーズンには50kgも釣られているカンパチはジギングの好ターゲット
  • 加計呂麻島には集落ごとに小さな港や堤防がある。のんびりとサオをだすのにうってつけ加計呂麻島には集落ごとに小さな港や堤防がある。のんびりとサオをだすのにうってつけ
  • ボートからなら、より手軽に大ものがねらえるボートからなら、より手軽に大ものがねらえる
  • 奄美大島にも海がきれいなビーチは各所にある。こちらは空港からほど近い「あやまる岬」奄美大島にも海がきれいなビーチは各所にある。こちらは空港からほど近い「あやまる岬」

この釣り場へのアクセス

奄美大島/加計呂麻島

奄美大島へは鹿児島空港からレンタカーで鹿児島新港へ行き、マルエーフェリーもしくはマリックスラインが運航している定期便を利用。基本的に毎日一便が運航しており、鹿児島新港を夕方18:00に出発し、翌朝5:00に奄美大島の名瀬港に到着する。
加計呂麻島へはさらに古仁屋港からフェリーかけろまを利用する。

釣り場情報

〈奄美大島・加計呂麻島/アオリイカ、クロダイ、GT、カンパチ、カツオなど〉

シーズン 通年(台風などにより釣りのできない時もあり)
問合先 さんご丸(瀬戸内町/瀬渡し。TEL:090-2719-2140)、
ビッグII(龍郷町/大型スーパーで食料品や雑貨のほか釣具の品ぞろえも豊富。http://www.big2.co.jp/)、
しびらんか(加計呂麻島/ペンション。http://www.geocities.jp/shibiranka/sub1.html)、
来来夏ハウス(加計呂麻島/ペンション。http://mytown.s500.jp/kokonatu/
フェリー問合先 マルエーフェリー
(鹿児島新港から名瀬港へのフェリー。http://www.aline-ferry.com/
マリックスライン
(鹿児島新港から名瀬港へのフェリー。http://www.marixline.com/

※釣り場情報は2015年5月現在のものです。

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