2025/09/19更新

整備士が語るボーイング777～外観編～
TAIL（尾翼）エリアの説明

APU（AUXILIARY POWER UNIT：補助動力装置）と排気口
ボーイング777の外見上の特徴の一つとして、TAIL部分が角ばっている形状をしています。これは、設計当時の空力的デザインを踏襲したものとなっています。ボーイング777に限らず多くの機体では、この部位にAPUと呼ばれる小型のエンジンが装備されています。APUは、地上にいる際に電力や圧縮空気確保のために使用します。

ボーイング777以外の機体では、まっすぐ後方に突き出す形でAPUのEXHAUST(排気口)がデザインされています。ボーイング777は、機体の左側に吐き出すようになっています。
機体の右側には貨物室への扉があるため、機体の左側に吐き出すことで、作業を行うグランドハンドリングスタッフの邪魔にならないように配慮したデザインだと言われています。

RUDDER （ラダー：方向舵）と RUDDER TAB（タブ）
飛行機には、機首を左右に向けるためのラダーという動翼がVERTICAL STABILIZER（垂直尾翼）の後端に装備されています。このラダーは、3つの独立した油圧システムで作動します。
ボーイング777のラダーには、舵の効きを良くするために、舵の作動方向にさらに大きく動くTAB（タブ）が取り付けられています。ボーイング777の動翼は電子制御（フライ・バイ・ワイヤー）のため、きめ細やかで正確にコントロールできるようになり、機体の大きさに対して垂直尾翼とラダーが小さく設計されました。
ただし、ボーイング777の開発中のテストフライトにおいて、片側のエンジンが不作動時にバランスをとることが難しかったため、ANTI-BALANCE TAB（アンチ・バランス・タブ）を取り付けて舵の効きを良くする必要性があったのです。

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