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2025/10/31更新

整備士が語るボーイング777~作業編~
エンジンの作業

飛行機のエンジンには空気抵抗を減少させ、外的な損傷を防ぐために空力的な覆いが装備されています。これをエンジンカウル(COWL)と呼びます。ボーイング777(以下B777)が装備するエンジンは、FAN COWL、THRUST REVERSER COWLという2つの左右に開閉可能なCOWLで覆われています。整備士はこのCOWLを開けて作業を行います。B777のエンジンは大きく、COWLは素材による軽量化がなされているとはいえ、とても人力で開閉できる重さ(*1)ではありません。そこでPDOS(*2)と呼ばれる、COWLを開閉させるためだけに独立した専用の油圧機構を装備しています。これにより重たいCOWLを簡単に開閉でき、整備士の負担軽減に寄与しているのです。

*1 GE90-115BLエンジンのFAN COWLは約120㎏、THRUST REVERSER COWLは約780㎏もある
*2 PDOS:POWERD DOOR OPENING SYSTEM

B777-300ERのGE90-115BLエンジンでの作業風景。開いているCOWLのうち、前方がFAN COWL、後方がTHRUST REVERSER COWL。

日常的に実施するエンジンオイルの補給は、COWLが閉まっている状態でも専用に設けられたアクセスパネルから実施できます。エンジン停止後、定められた時間以内に実施します。写真はPW4000系列エンジン(PW:プラット アンド ホイットニー)

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