2018年から2022年度ANAグループ中期経営戦略

足元をしっかり固め、未来へ動く

ANAグループは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年、そしてその先の持続的な成長の実現に向けて、新たな5年間の成長戦略として「2018年から2022年度ANAグループ中期経営戦略」を策定しました。

足元の経営環境は、アジア・新興国の経済成長などを背景とした航空需要の拡大や旺盛な訪日需要に加えて、2020年の首都圏空港の発着枠拡大など、ANAグループが大きく成長するビジネスチャンスを迎えます。

このような環境において、航空事業については、引き続き、経営の基盤である安全の堅持、定時性をはじめとした基本品質に徹底的にこだわり、安全と品質・サービスを追求するとともに、競争力の源泉である人財や成長領域への投資を積極的に進めていきます。

また、フルサービスキャリア(以下FSCイコールANA)とLCCの両事業を展開するエアライングループとして、お客様の多様なニーズにお応えし、顧客満足度の向上につとめていきます。

さらに、ANAグループが様々な事業を通じて蓄積してきたデータを分析・活用することで新たな価値を創出し、グループの収益を拡大します。

本戦略の実行を通じて、政府目標である訪日4,000万人の達成に貢献するとともに、地方創生・超スマート社会の実現や様々な社会課題の解決にも積極的に取り組み、世界のリーディングエアライングループとして、日本と世界の発展に寄与していきます。

戦略の全体像

2018年から2022年度のANAグループ中期経営戦略、2018年はファーストステージ:収益基盤の強化、2019年から2020年はセカンドステージ:成長の加速、2022年までをサードステージ:持続的利益成長の実現。 2014年から2017年度の3つの戦略、エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求。既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造。オープンイノベーションとICT技術の活用。 2018年から2020年度の3つの戦略、ANA/LCCそれぞれが「基本品質の向上/収益基盤を拡充」させながら「最適ポートフォリオの追求で連結収益を最大化」。「不採算、低収益事業の撤退・再編」と「持続的な成長が見込まれる事業領域への投資を加速」。「商品サービスの刷新と働き方改革の推進」で、「超スマート社会の実現」に貢献。 2018年から2022年度の3つの基盤。ひとり一人の可能性を引き出す「人財戦略」。持続的利益成長につなげる「社会的価値創造」。社内外の共感度を高める「コーポーレートブランド」。

成長する5つのコア事業

ANA国内線旅客事業の収益基盤を堅持した上で、ANA国際線旅客事業をさらに成長させます。また、貨物・LCC・ノンエア各事業についても収入の拡大を図り、2022年度には2兆5,000億円規模にせまる企業グループを目指します。

2017年度19,250億円を2020年度23,100億円、2022年度には24,500億円をめざします。各事業の内訳は、2017年からみて、2022年度にはANA(国内線)は約100%、ANA(国際線)は約150%、貨物は約140%、LCCは約200%、ノンエアは約120% 営業収入は約130%。(LCCはバニラエア/Peachの合計、貨物物流は、ANA/ACX/OCSの合計、2017年度の見通し) 成長に向けて、ANA(国内線)はANAグループの収益基盤を維持(国内線構造改革/小型化推進による需給適合)、ANA(国際線)は成長の柱としてグループの収入を牽引(デュアルハブモデルの完成形/ホワイトスポット展開による需要創出)、貨物はコンビネーションキャリアとしての優位性発揮(首都圏・沖縄ハブのネットワーク再構築/機材構成見直し)、LCCは両社の連携を強化し中核事業に成長(小型機LCC事業の収益拡大/中距離LCC領域への進出)、ノンエアは成長領域への投資と事業の再編(事業別評価に基づく経営資源再配分/顧客資産を活用した新事業展開)

各戦略概要

エアライン収益基盤の拡充と最適ポートフォリオの追求

  • ANAは、ANAグループの中核として、「ダントツ品質」により、お客様に満足していただける価値を提供し続けます。また、2020年の首都圏空港の発着枠拡大を機に、国際線ネットワークを大幅に拡大させ、お客様の利便性を更に高めます。
  • LCC事業を担うバニラエア・Peachは、引き続き国内線における新たな需要の創出に取り組みます。また、両社の連携を強化しながら中距離LCC領域へ進出することで、エアライングループ全体の事業領域を拡大します。
  • FSC及びLCCの両事業を通じて、路線・運賃・サービスなどお客様の多様なニーズにお応えすることにより、お客様の利便性・満足度の向上を図り、最適なポートフォリオを追求します。

ANA国際線旅客事業:「成長の柱として路線ネットワークを拡大」

首都圏空港(羽田・成田)を拠点に事業を拡大
  • 2020年の首都圏発着枠の拡大に向けて、競争力の源泉となる人財の確保や育成、オペレーション基盤の強化を図った上で、2020年に拡大する発着枠を最大限活用し、国際線ネットワークを拡大します。
ホワイトスポットへの進出、提携戦略の推進
  • 未就航エリアへの路線拡大を図るとともに、海外エアラインとの提携も進化させます。
新たなプロダクト・サービスの展開
  • 路線ネットワークの拡大に加えて、競争力ある新たなプロダクト・サービスを順次展開します。
  • 2019年春よりハワイ路線にエアバスA380型機を導入し、新たなコンセプトによるサービスを提供します。
新機材の導入
  • エアバスA380型機や、ボーイング787-10型機、ボーイング777-9X型機等の最新鋭機材を導入し、お客様の快適性向上を図ります。

ANA国際線の拡大イメージとしては、アジア、日本、北米間の流動の優位性を拡大。新規地点(ホワイトスポット)へのアプローチ強化。

ANA国内線旅客事業:「ANAグループの収益基盤を維持・向上」

プロダクト・サービスの強化
  • 全席にシートモニターを装着したエアバスA321neo型機の導入をさらに進めるとともに、2019年度下期以降、国内線の主力機であるボーイング777・787型機にも順次シートモニターを装着します。
  • 2018年4月より無料化する機内Wi-Fiインターネットサービスをはじめ、プロダクト・サービスの向上にも取り組み、新たな国内線の過ごし方を提案していきます。
機材小型化による需給適合
  • 機材の小型化による需給適合や運賃のイールドマネジメントの推進などにより、ANAグループの収益基盤を維持・向上します。
  • 国際線・国内線の乗り継ぎ利便性のさらなる向上を図り、旺盛な訪日需要を取り込みながら、国内最大の路線ネットワークを活用して地方創生にも貢献していきます。

LCC事業:「バニラエア・Peachの連携強化」「中距離路線へ進出」

短距離事業領域の拡大:ローカル線を中心に需要を開拓
  • バニラエアとPeachは、成田と関空を主な拠点として就航路線を増やすとともに、マーケティング・インフラ・人財交流など、様々な面で連携強化を図りながら収益基盤を拡充していきます。
中距離路線へ進出 : ANAグループの空白領域へ
  • 更なる航空需要の拡大が期待されるアジアマーケットにおいて、航続距離の長い小型機を活用し、2020年を目途に中距離路線へ進出します。
  • ANAグループにおける空白領域を中心に就航都市を増やし、収益拡大につなげるとともに、LCC事業においても観光立国、地方創生に貢献していきます。

貨物事業:「首都圏・沖縄貨物ハブのネットワーク再構築で成長を加速」

首都圏ハブ(成田・羽田):アジア/北米間の需要獲得、大型フレイターの導入
  • 中長期的に需要拡大が見込まれるアジアと北米間において、航空機エンジン・自動車などの大型貨物や、リチウムバッテリー・医薬品などの危険品・特殊品を大量輸送できる大型フレイターを新たに導入します。拡大する旅客便ネットワークとフレイターの相乗効果により、伸び行く需要を積極的に獲得していきます。
沖縄貨物ハブ:マーケットを見極めた最適ネットワークの構築
  • 沖縄貨物ハブについては、アジア域内の航空貨物の流動を的確に見極め、常に最適なネットワークを構築します。沖縄貨物および首都圏ハブの両機能を最大限に活用し、貨物事業の更なる成長を目指します。

機材戦略:「事業拡大を支える機材を導入」

  • ANAにおいては、エアバスA380型機・ボーイング787-10型機・ボーイング777-9X型機等、国際線の事業規模拡大と国内線の需給適合の促進に必要な機材を導入します。
  • これにより、省燃費機材*1のシェアを2022年度末に約80%まで向上します。
  • LCC事業においては、中距離路線への進出に向けて中距離用小型機を新たに導入します。

機材数推移(計画)
FY2017 FY2022
合計 294機 約335機
FSC 259機 約280機
LCC 35機 約55機

省燃費機材シェア(計画)

2010年度末 約35% 2016年度末 約60% 2022年度末 約80%

  1. *1.省燃費対象機材:B777、B787、B737-700/800、A321neo/A320neo、MRJ

既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造

「成長領域への投資を加速させながら収益を拡大」

  • 成長が見込まれる領域への投資を加速し、収益の拡大を目指します。
  • 2016年度に設立した顧客資産会社「ANA X(エーエヌエーエックス)」を中心に、ANAグループが有するデータ等を分析・活用することで新たな価値を創出し、「ANA経済圏」を拡大します。
  • これまで積み上げてきたブランド力、ノウハウ、技術などの有形・無形の資産、蓄積してきたデータと新しい技術との融合を図り、ノンエア事業においても収益の拡大につなげていきます。

主な事業 選択(再編)から新たな事業の方向性 旅行・セールス事業:WEB販売モデルへの変革/海外旅行事業の見直しや国内素材商品による販売 商社事業:航空機部品販売や免税事業の拡大、生鮮・加工食品事業の海外進出 訓練事業:事業再編 顧客資産事業:金融事業収益拡大/ビックデータ活用進化 多角化・その他事業:住宅・不動産事業サブリース拡大/保険事業AMC会員限定/研修スクール事業事業拡大 エアライン事業:ANA/Peach/バニラエア 空港関連事業:受託事業の拡大(空港関連、ケータリング)新規事業:ビジネスジェットオンデマンドチャーター手配の事業化

オープンイノベーションとICT技術の活用

革新的技術とオープンイノベーションによる『超スマート社会』の実現

  • スマートに「もの・こと・サービス」を提供することで、お客様の満足度向上を図るとともに、従業員のスマートな働き方の追求により生産性向上を実現します。
  • ANAグループが持つ有形・無形資産をもとに、ICT技術とオープンイノベーションを活用し、新たな価値を創出し「Society5.0(超スマート社会)」の実現に貢献します。

商品・サービス・生産性・働き方 エアライン版Society5.0:現在の事業 既存プロセスのカイゼン、現在の事業の新しい価値 既存の人やモノ、サービスを新技術によって独自性を向上させ刷新 ANAグループ版Society5.0:既存アセットを活用した次の柱 事業やサービスのアセットや技術・無形資産を活用し次の柱を構築、出島 ノンアセットで新しい市場へ参入し、新しい事業や収益ポートフォリオを構築 社会・市場・産業 お客様:「スマート」に「もの・こと・サービス」を提供することであらゆるお客様の「満足度」を向上 従業員:「スマート」な働き方の追求で一人ひとりがもつ可能性を引き出し「質的・量的生産性」を向上 ANAグループ版Society5.0の推進で超スマート社会のリーディングエアライングループへ Society5.0(超スマート社会)の実現 定義:革新的技術を活かして一人ひとりのニーズに合わせたサービスの提供による社会課題の解決 新たな需要の創出と生産性革命

価値創造目標

『社会的価値』と『経済的価値』の両立・創造

  • SDGs(持続可能な開発目標)を重視し、環境や人権などの社会課題にも積極的に取り組みつつ、事業基盤の強化・将来の成長に向けた投資を行い、2020年度に営業利益2,000億円、2022年度に2,200億円を目指します。

社会的価値創造

Environment(環境)
  • 省燃費機材導入などによるCO2排出量削減
Social(社会)
  • 「ユニバーサルなサービス」の強化
  • 訪日需要拡大に貢献する「地域創生」
  • 「人権に配慮した取り組み」の進化
Governance(ガバナンス)
  • ガバナンス体制のさらなる質的向上

経済的価値創造

価値創造目標 FY17見通し FY18目標 FY20目標 FY22目標
営業収入 19,250億円 20,400億円 23,100億円 24,500億円
営業利益 1,600億円 1,650億円 2,000億円 2,200億円
営業利益率 8.3% 8.1% 8.7% 9.0%
ROE 13.9% 9.8% 10.1% 9.5%
ROA 6.8% 6.6% 7.5% 7.8%
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