安全を最優先する企業文化の醸成に向けて

ANAグループでは、私たちが目指す「世界最高水準の安全性確保」を実現していく土壌となる企業文化の醸成に継続的に取り組んでいます。

安全活動のPDCAサイクル

ANAグループにとって安全は経営の基盤であり、業種・ブランドにかかわらずグループすべての事業において守るべき絶対的な使命です。
そのため、日々の業務の中で安全を強く意識できるようグループ社員共通の誓いである「安全理念」と「安全行動指針」を掲げるとともに、中期安全目標である「世界最高水準の安全の追求・提供」を目指して「安全を支える人づくり(安全教育の充実など)」と「安全を支える仕組みづくり(リスク管理体制の進化など)」の両面からさまざまな取り組みを実施。
さらに人づくりにおいても、仕組みづくりにおいても、その土壌となる安全を最優先する企業文化は大切なものであると考え、PDCAサイクル(※1)を回しながら改善を図り、継続的な醸成に取り組んでいます。

  1. ※1.可視化(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)という4段階の活動を繰り返し行うことで継続的に改善を図っていく手法。

安全を高める取り組み例

Do 実行
TALKSAFE トークセーフ ─ 安全を語り、考える日

ANAグループでは毎年7月を「航空安全推進・航空保安強化月間」と定めており、社員が一堂に会して安全について考える「TALKSAFE」を開催。1992年にスタートし、2015年で24回目を迎えました。
この取り組みでは、グループ社員による安全活動の紹介や、安全推進に寄与した組織・個人に贈られる「Safety Award」の授賞式などを実施。業種・職種・職位の壁を超えて、「ANAグループの仲間」としてアサーションする(立場に関係なく、相手を尊重した上で正しい主張を行う)ことで相互理解の促進、ひいては、安全文化の醸成につなげています。

グループ外からの気づきを得る機会に

TALKSAFEでは、外部有識者を招いての特別講演も実施。2015年はJAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙技術センターの内山崇さんが「宇宙船『こうのとり』の運用管制」について、航空業界とは異なる面から安全に対するこだわりや取り組みなどをお話しされました。
また、2015年には特別講演をさらに開催し、「お客様の期待する安全とは」をテーマにジャーナリスト池上彰氏に、お客様の視点に立った安全・あんしんについて講演いただきました。
このように、TALKSAFEはANAグループ内だけでなく、グループ外からの気づきを得る機会としても活用されています。

Do 実行
ANAグループ安全教育センター(ASEC)研修/緊急脱出研修の実施

ANAグループ安全教育センター(ASEC : ANA Safety Education Center)では、「事故の悲惨さを体感する」「エラーの現実を体験する」「安全の維持を体得する」という3つのコンセプトに基づき、事故機体の展示や映像などを通じて安全への意識を高める教育を行っています。2013年8月までにはグループの全職員がここでの研修を修了。現在はカリキュラムをブラッシュアップし、2巡目の研修を実施中です。
また、ANAグループで働く者として、緊急時における航空機からの脱出方法は知っておくべき基本であることから、2012年12月に全職員を対象とした緊急脱出研修がスタート。モックアップ(実物大模型)に乗り込み、エスケープスライド(緊急脱出シューター)による脱出やお客様の援助、酸素マスクやライフベストの正しい使用法などを修得する研修を行っており、2015年6月時点で約13,000名が受講しています。

ANAグループ安全教育センターについて

航空機からの緊急脱出研修について

Check 評価
サーベイ

ANAグループではこれまで、安全意識の啓発や、目に見えない安全文化の数値化による課題の把握を目的に「安全文化評価」を実施してきました。2014年からはグループの行動指針である「ANA’s Way」の理解や実践度を測る「ANA’s Way Survey」を新たにスタートさせ、安全文化はもちろんのこと、職場の状況や社員の意識を総合的に把握していく調査を展開しています。これにより、安全文化と職場の課題を関連させながら施策を検討していける体制を整備することができました。

Act 改善
安全表彰

ANAグループではグループ社員を対象に、安全文化の醸成に寄与した活動を積極的に評価しています。TALKSAFEにおいて「Safety Award」として授賞式を実施するとともに、各グループ会社でも個別に表彰を行っています。また、相手の仕事の良いところを見つけたらカードに記入して本人に手渡す「Good Job Card」の推進も、安全文化を醸成する上で重要な役割を担っています。

Act 改善
情報共有

日々の業務で社員が経験したヒヤリハット事例や気づきをタイムリーに共有し、より多くの社員がすぐに業務に反映する。あるいは、サーベイの結果報告や改善に向けたヒントを紹介する─このような情報共有は、安全文化の醸成に欠かせない重要な要素です。職種ごとのホームページ運営に加え、グループ社員全員が同じ情報を共有できるツールとしてイントラネットや定期安全啓発誌などを活用しています。

Column
過去の事故・事件を風化させないために

ANAグループでは、毎年7月を「航空安全推進・航空保安強化月間」と定めています。その理由は、私たちにとって忘れてはならない2つの痛ましい事故・事件─1971(昭和46)年7月30日に発生した雫石衝突事故(※2)や、1999(平成11年)年7月23日に発生した61便ハイジャック事件(※3)をはじめとした過去の悲劇を風化させないため。これら事故・事件を「安全」「保安」に対する取り組みの原点と捉え、グループ全体では「TALKSAFE」や、経営トップが職場を訪問して安全に対する自らの想いやこだわりを社員に直接語る「安全トップキャラバン」などを実施しています。加えて、グループ内には7月だけでなく別途強化月間を定めている会社もあり、個別の取り組みも展開されています。

  1. ※2.雫石衝突事故:岩手県雫石町上空を飛行していたANAの旅客機と航空自衛隊の戦闘機が飛行中に接触し、墜落。乗客155名・乗員7名の計162名全員が死亡した事故。1985(昭和60)年8月12日に日本航空123便墜落事故が発生するまで、日本国内の航空事故としては最大の犠牲者数だった。
  2. ※3.61便ハイジャック事件:羽田空港発のボーイング747-400Dがハイジャックされ、機長が殺害された事件。日本におけるハイジャックで人質が死亡した初めての事件となった。
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