安全上のトラブル等

航空事故

航空法第76条に定められている「航空機の墜落、衝突または火災」、「航空機による人の死傷(重傷以上)または物件の損壊」、「航空機内にある者の死亡(自然死等を除く)または行方不明」、「他の航空機との接触」、「航行中の航空機の損傷」等の事態が該当し、国土交通省が認定します。

1)2024年2月1日
タービュランスによるCAの負傷
2)2024年3月20日
被雷による機首付近の損傷(大修理)
3)2025年1月8日
着陸前降下中に乱気流に遭遇し客室乗務員が負傷
4)2025年7月19日
離陸前の地上走行中に他社機垂直尾翼と当社機左翼端が接触し機体を損傷

重大インシデント

航空法第76条の2に定められている「航空事故が発生するおそれがあると認められる事態」であり、閉鎖中または他の航空機が使用中の滑走路からの離着陸や滑走路からの逸脱(航空機自らが地上走行できなくなった場合のみ)など18の事態が航空法施行規則第166条の4に定められており、国土交通省が認定します。

1)2024年4月7日
着陸進入中、対地接近警報(EGPWS)が作動し緊急回避操作を必要とする事態の発生
2)2024年6月22日
巡航中、与圧系統に不具合が発生し航空機内の気圧が低下したため、緊急降下を実施
3)2025年8月20日
着陸態勢に入った際に、稚内空港の滑走路上を鳥防除作業車両が走行していた。車両が滑走路から退避している間に当該機が着陸した可能性がある

安全上のトラブル

航空法第111条の4に定められている「航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態」の内、上記の事故、重大インシデント以外の航空法施行規則第221条の2第3号及び第4号に定める事態をいいます。
航空輸送の安全に向けた情報共有について私たちは、その発生を国へ報告する義務があります。これは、航空事故や重大インシデントには至らなかったものの、その兆候を示した事案から教訓を得るためです。航空法を遵守し、航空関係者全体で情報を共有することで、予防安全対策に役立てています。

安全上のトラブル発生状況に関する詳細は「ANAグループ安全報告書」にて公開しておりますのでご覧ください。

国の命令・指示 等

ANAグループは、以下の不適切事象により、国土交通省より書面による行政指導を受けました。

概要 行政指導
ANA 国土交通省航空局「厳重注意」文書の概要
2024年9月7日福島空港において、大阪基地から派遣された整備従事者が、ANA1698便(福島→大阪)の出発前に右主脚のタイヤ圧がタイヤの交換が必要な状況まで低下していたことを確認したが、必要な整備措置を行わずに当該便を出発させた。
また、到着地の大阪基地では、当該事案について把握し、当該タイヤの交換は行ったが、社内への報告を行わなかった結果、10月8日に組織的に把握するまでの間、要因分析や再発防止のために必要な措置が行われなかった。これは安全に関する情報が社内に報告され原因究明・対策を講じるための安全管理体制の不備があると考えられ、安全管理システムが十分に機能していないものと認められる。
従って、航空安全に対する意識の再徹底を図るとともに、安全管理システムが継続的に有効に機能するために必要な是正を図るよう厳重に注意する。
2024/10/25
厳重注意

本件に対する要因分析を行い、航空安全に対する意識の再徹底を図るとともに、安全管理システムが継続的かつ有効に機能するために、当該事象に対して整備部門において安全・基本品質の堅持、法令遵守の徹底に向けた以下の取組み項目を設定し必要な対応を実施しております。なお、要因分析結果、対応については2024年11月8日に航空局へ報告書として提出いたしました。

  1. 安全意識の向上のため通達等による事例周知、注意喚起
  2. 本事例を整備従事者の新規および定期訓練に反映しコンプライアンス行動を徹底
  3. 組織の運営責任者に対して整備部門内独自のコンプライアンス教育を新たに設定
  4. 自発報告の報告対象に「安全に懸念を及ぼすと思われる行為」を追加
  5. ANA’s Way Survey (意識調査)を活用した組織診断の強化
  6. 安全文化の成熟度評価を取り入れた監査手法を検討し運用

掲げた施策の確実な進捗を図るとともに、それが継続的に有効に機能しているかモニター、対応する仕組みの構築を行うこととしております。

概要 行政指導
AKX 国土交通省航空局「厳重注意」文書の概要
昨年度から重大インシデントを含めた安全上のトラブル等が相次いで発生している。
昨年春頃の一連の安全上のトラブル等の発生を受け対策を講じ、一旦は事案の発生が低減したものの、本年度に入り再び重大な事案が発生するなど、安全管理システムが現場を含めた社内全体に有効に機能しているとは言えず、航空輸送の安全への社会的な信頼に影響を及ぼしかねない。
従って、安全管理システムの総点検を行った上で、必要な是正を行うとともに、安全統括のトップが率先して航空安全に対する意識の再徹底を図り、現場を含めた貴社全体が高い緊張感をもって、更なる安全性向上に取り組むよう厳重に注意する。
2025/8/29
厳重注意

今回の厳重注意を真摯に受け止め、経営トップ自らが先頭に立ち、全社員が一丸となって再発防止策に徹底的に取り組むことで、ANAウイングスへの信頼回復に努めてまいります。

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