潜伏キリシタン関連の世界遺産をめぐる旅
出津教会(イメージ)写真:長崎県観光連盟
- 長崎

遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった黒崎の地に建つ教会。1897年にド・ロ神父の指導で敷地が造成され、1920年に完成しました。
- 住所
- 黒崎教会 〒851-2324 長崎県長崎市上黒崎町26
- アクセス
- 長崎空港から車で約80分
- 営業時間
- 9:00~17:00 ※教会での行事により入館できない場合あり

遠藤周作の代表作「沈黙」の舞台となる外海地区のなかでも角力灘(すもうなだ)を見下ろす絶好のロケーションに建つ「遠藤周作文学館」は、遠藤周作の没後、手元に残された約3万点にも及ぶ遺品・生原稿・蔵書等をご遺族から寄贈・寄託いただき、日本を代表する文学者遠藤周作とその文学の世界を堪能し、理解・研究する場となっています。

明治15年(1882)、ド・ロ神父の設計施工で建てられた教会で平成23年(2011)に国の重要文化財に指定されました。その後、明治24年(1891)に一部改築、同42年には玄関部を増築し、現在の教会の形になりました。外壁は煉瓦造り、玄関は石作り、内部は木造で、三廊式の漆喰塗り平天井となっており、屋根は瓦ぶきでとても低い。これは、海岸に面した風の強い立地条に配慮したものと考えられています。鐘楼の鐘は神父がフランスから取り寄せたもので、朝夕に美しい鐘の音を谷間一帯に響かせています。

マルコ・マリー・ド・ロ神父は、1840年(天保11年)にフランスの由緒ある 貴族の次男として誕生し、まだキリシタン弾圧が続いていた1868年(明治元年)に死をも覚悟して 来日。外海へ赴任してからは布教活動とともに、フランスで学んだ建築・医学・産業など の幅広い分野の知識を活かし、「隣人を自分のように愛しなさい」というキリスト教の教えを実践。宗教を礎とした深い人類愛で、外海の人々のために力を注 ぎ、一度も母国へ帰ることなく、1914年(大正3年)に享年74歳で逝去しました。

病⼈の療養地として⼈が近づかなかった頭ヶ島に、19世紀半ばに潜伏キリシタンが移住し⾃らのかたちで信仰を続けた集落。五島崩れの時に、信徒は牢から全員逃げ出して島を離れ、迫害が終わってからこの地に戻ってきました。頭ヶ島天主堂は、鉄川与助の設計施⼯によって建設され、近くの⽯を切り出して1917年に完成したもので、これは彼らの潜伏の終焉を⽰しました。外壁はグレイ、内装は五島の椿や花を模した柄とブルーの⾊彩を基調とした装飾が⾒る⼈の⼼を和ませてくれる教会です。
天主堂の近くには、⽯の上にはクルスが添えられている頭ヶ島キリシタン墓地があります。











