Pilot 運航乗務職

ANAの安全・快適な運航を担うプロフェッショナル

ANAでは、入社前に操縦士資格を取得している方(ライセンサー)の採用と併せて、未経験の方の中からパイロットとして適性のある人財を見出し、入社後に一から育成する「自社養成パイロット」の採用を行っています。
ANAのパイロットへの志と適性があれば、学部・学科、文系・理系などを問わず、誰でもチャレンジいただけます!

ミッション

運航の責任者として、ANAの信頼を築く

ANAのパイロットは、「お客様を安全かつ快適に目的地に届ける」という使命を担っています。特に「安全」を最優先とし、「定時性」や「快適性」、「経済性」なども総合的に判断しながら、ANAの運航を支えています。
日々の運航を着実に遂行し、地球環境への配慮など、様々な視点をもって大空を飛ぶことが求められます。さらに機長は、フライトの責任者となるため、常に人格、技倆、識見を磨き続けながら、安心と信頼をお客様へ届けています。

パイロットになるための訓練とキャリアステップ

ANAのパイロットになるためにはいくつかのルートが存在しますが、その一つに自社養成パイロットの道があります。
ANAに入社後、一から訓練を積み、パイロットに必要な資格を取得します。パイロットは一つひとつのフライトで経験を積みながら、長い時間をかけて高みを目指す仕事です。様々な航空機での訓練と審査を経て、訓練生、副操縦士、機長へとステップアップしていきます。副操縦士任用後、機長になるまでには約10年。機長になった後も、新たな機種の操縦資格の取得や後進の育成にも取り組み、パイロットとしての人間力と技倆を高め続けます。

ANAパイロットのキャリアパスを示す図。ANA入社後、約1~2年の地上配置を経て、運航業務員に必要な免許を取得する基礎訓練(約1年半~2年)を実施。その後、副操縦士任用訓練として技能訓練(約10ヵ月)と路線訓練を受け、副操縦士となる。約10年間の副操縦士経験を積み、約1年の機長昇格訓練を経て機長へとキャリアアップする流れが示されている。

地上配置

入社後はまずは1年〜2年程度の地上配置から始まり、全国各地のANA拠点にて、空港での旅客業務や営業業務等に携わります。社会人としての基礎とともにANA社員として必要な知識を身につけ、配属先社員との信頼関係を築き、操縦以外の業務の理解を深める狙いがあります。

基礎訓練

運航乗務員として必要な事業用操縦士技能証明や計器飛行証明等の免許を取得し、飛行機を操縦するための基礎知識や技術を習得します。訓練同期と切磋琢磨しながら訓練に励み、運航乗務員としての基礎をつくります。

副操縦士任用訓練

ANAの副操縦士となるための訓練です。乗務する航空機の免許を取得すると共に、ANAの運航乗務員として必要な経験・知識及び能力を付与するために実施します。基礎訓練からはじまった運航乗務員になるための総仕上げの訓練です。

運航乗務員として乗務を開始した後も、
パイロットとして高い技倆を保つために様々な訓練があります。

機長昇格訓練
機長に昇格するための訓練
移行訓練
乗務を行う機種を変更するための訓練
定期訓練
定期的に実施する、保有資格を維持するための訓練
復帰訓練
過去に乗務経験のある型式機へ乗務するための訓練
任用訓練
ANAの運航乗務員として乗務するため又は訓練担当教官などの資格を取得するために行う訓練

運航業務以外の仕事

  • (フライトシミュレーターによる訓練)

    後輩を育てる

    実際のフライト以外の場面においても、パイロットとしての技倆を高めていくために、長期的成長を見守る班長や、訓練のプログラム作成、指導教官などを行います。

  • 安全と信頼を守る

    ANAの運航の安全と信頼を守るため、機長は定期的に審査を受けています。
    国土交通省の代理人として審査を行う「査察操縦士」は、機長の知識や技倆を公正な視点から見極めます。

  • 本社機能をサポートする

    パイロットの立場からANAの企業活動をサポートします。様々な部署と連携しながら、人財採用や広報活動、顧客満足度向上などに取り組みます。

安全で快適なフライトをつくるために

パイロットの仕事はコックピットの中だけで完結するものではありません。乗務前から運航に関するあらゆる情報を集め、安全で快適なフライトを実現するための入念な準備が行われます。また、乗務中も変化する様々な条件に柔軟に対応していくことで、最適なフライトをつくっていきます。

パイロットの1日の流れ

  • 出発約1時間前

    運航支援者とその日の最新の航路情報、気象情報、機材に関する情報をチェックし、フライトの方針を確認します。また、コックピットクルーとしての結束と連帯感を高めていきます。

  • 出発約35分前~離陸

    搭乗便に乗り込んでから離陸までの時間は限られています。その間にコンピュータのセットアップ、外部点検、客室乗務員とのブリーフィングを実施します。整備士から整備状況を確認するなど、それぞれの持ち場で専門性を発揮している各職種との連携も、安全で快適なフライトには欠かせません。

  • 離陸~着陸

    管制の離陸許可を得て滑走路に進入し、いよいよ離陸。離陸後は揺れの状況を確認し、シートベルトサインを解除します。自動操縦巡航中も常に想定されるリスクに備えながら、計器のモニタリングや外部監視を継続。着陸時は状況により客室乗務員に到着時刻、天候、降下中の揺れの状況などを知らせ、滑走路上の目標とする場所に接地するよう、慎重に操作を行います。

  • 着陸後

    客室乗務員からお客様と客室の状況の報告を受けた後に降機します。到着地の運航支援者に飛行中に発生した異常、次便のために有効な情報(経路上の天候、揺れなど)を報告する「デブリ―フィング」を行い業務終了となります。

パイロットの乗務スケジュール

パイロットは国際線・国内線ともに乗務し、世界中を飛び回ります。国内線の場合は、日帰りから2泊3日のパターンを基本とし、国際線の場合には渡航先で1〜2日滞在します。安全・定刻・快適な運航を実現するため、体調管理には細心の注意を払い、休日にもランニングなどで体を動かしているパイロットも少なくありません。

B787機長の1ヵ月のスケジュール例

1ヵ月間のフライトスケジュールの例を示した図。フライトの有無、フライトがある場合は出発地・目的地・時間、フライトがない場合はOFFやシミュレーター、会議、有給休暇などの予定が記載されている。
  • ※スタンバイとは、天候や機材状況などによるイレギュラーに備え、定時性を確保するための交代要員として空港に待機すること
  • ※資格維持のために航空身体検査や定期訓練、定期審査などのスケジュールが組み込まれることもある

※FCAT(Flight Crew Assessment Test)はANAが実施するANAグループ共通のパイロット適性検査です