
9月18日決勝ラウンド2日目レポート
決勝2日目 ― 総評 ―
第44回ANAオープンゴルフトーナメント終了
優勝はB・ジョーンズ選手
ANAオープンゴルフトーナメント最終日は、ほぼ無風ながら時折強い雨も降るコンディションでの戦いとなりました。
首位で最終日をスタートしたB・ジョーンズ選手は序盤でスコアを伸ばせず。対して快調にバーディを重ねたのが、ホストプロの池田勇太選手。2人による緊迫した優勝争いがバックナインで繰り広げられました。
優勝争いの結末は、並んで迎えた最終18番ホール。池田選手が痛恨のボギーを叩いたのに対し、パーでしのいだB・ジョーンズ選手が通算18アンダーでツアー14勝目となるANAオープン初優勝を成し遂げました。池田選手はわずかに1打及ばず2位、同じく最終ホールにスコアを伸ばしたホストプロの石川遼選手が3位。優勝こそならなかったものの、2人のホストプロが大会を大いに盛り上げました。
Position | Score | Player | Total |
---|---|---|---|
1 | -18 | B・ジョーンズ | 270 |
2 | -17 | 池田 勇太 | 271 |
3 | -16 | 石川 遼 | 272 |
第44回のANAオープンは最後まで目が離せない優勝争いとなり、大きな盛り上がりを見せ、幕を閉じました。来年の第45回のANAオープンではどのようなドラマが繰り広げられるのか、ご期待ください。
決勝2日目
― フォトギャラリー ―
決勝2日目
― 選手コメント ―
B・ジョーンズ選手 18アンダー(1位)FR 70

──自身3年ぶりの優勝。ツアー通算14勝です
ここ3年くらい自分のゴルフが難しいと感じていて、頭のどこかでもう日本では勝てないのでは、と思うこともありました。でも今週ですべてが変わった感じがします。ここ1ヶ月ほどいいゴルフができているけど、予選はよくても週末にうまくできないことが続きました。平均して20位台の順位でしたね。今週はショットもパットもよく、こうして勝つことができました。今の気持ちはファンタスティック(素晴らしい)という感じ。
──手術をしたこの2、3年はストレスが溜まる時期だったのでは?
ケガする前は毎年勝っていたのに、1回目の手術して、その後2回目の手術をして、自分のキャリアも縮まってしまうかと思うこともありました。休んでいる間も、若い選手がどんどん出てきて活躍しているのを見ていたし、1年間休んで復帰するまでも大変な時期でした。戻ってからも自分の自信を取り戻すことが難しかった。また、ケガの前までは長尺パターで、復帰してからはルール変更もあり、ショートパターにしました。今週初めてショートパターでも勝つことができることを証明できました。ショートパターでの優勝はプロではこれが初。自分にとっては大きな出来事。13勝してから、14勝目までがすごく長い期間だったが、この優勝で自信を取り戻すと思います。ゴルフもいい状態に戻ってきてるし、今後も15、16勝と勝ちたいと思います。若い選手がたくさん出てきて自分の時代は終わったかなと思うときもあるけど、また先を目指していきたい。
──2013年、ANAオープン2ラウンド目の15番ホールで棄権しました
その時は手首を傷めて棄権しました。15番でショットを木に打ち込み、ラフからのショットが重たいラフで違和感を覚えた。日本の整体などでもよくならず、2013年の11月8日に1回目の手術。2014年の5月8日に2回目の手術をしました。今も手首の中に金属のネジが入っています。違和感を感じるときもありますが、ゴルフ中は気になりません。だから常に自分の中ではこの試合に戻ってこよう思っていました。1年間トーナメントを休まなくてはならなかったが、この試合で勝てたということは、1年間休んでも自分は勝てるんだと実感できたし、うれしい。
──今日の調子はいかがでしたか?
今日は途中のボギーでも、自分のゴルフがよかったのであまり心配はなかった。フラストレーションが溜まる前半だったが、過去の経験も生かしてプレーできたと思います。首位から落ちたときも1打差、2打差だし、試合は終わったわけじゃないと思ってプレーしていました。
昨年はプライベートでもいろいろ大変な年だった。過去のマネジメント会社の税金未納の問題があったりして、自分がそれを払わなきゃいけなかったり、母親の健康問題もありました。今は両方とも解決したけど、その去年に比べたらハッピー。ゴルフへの姿勢もよくなってきていると思います。

池田 勇太選手 17アンダー(2位)FR 67

──最後は惜しかったですね
何もいうことはないです。
──18番ホールの3打目のアプローチは?
思い切ってつっこまないといけないと思いました。すべて自分のミスなんで言い訳もないです。自分が下手なだけです。
──最後はスライスしましたか?
真っ直ぐに近いスライスだと思いますけど、打ててないからだと思います。
──だいぶ疲れも抜けてきましたか?
戦えるようにはなってきたと思います。ショットも悪くないし、パットも悪くはないので。あとはティーショットをよく考えることだと思います。
──トップ10も久しぶりですが、それでも「優勝しないと」という気持ちですか?
そりゃそうでしょ。優勝しないと意味がないです。

石川 遼選手 16アンダー(3位)FR 68

──最後まで集中してプレーしているように見えました
10番から全部ティーショットがフェアウェイにいき、ドライバーの収穫はありました。一昨日から悪いところが出ていましたけど、優勝争いのなかで勇太さんが非常に安定していたので意識させてもらいました。勇太さんと対照的なプレーになってしまうとその時点で負けだと思ったので。勇太さんより常に上に、前に打ってチャンスにつけようとしていました。また、今日はよいパッティングができました。特に15、16番はどちらか入ってもよいぐらい手応えあるパッティングでした。もうダメかなと思ったんですけど、17番でよいティーショットで、3打目もチップインは狙っていたけどバーディにつなげられたということが大きかったです。半ばあきらめた感じはありましたが、最後までベストをつくすことはできました。

──昨日悔しかった4番でよいプレーがありました
ティーショットをまったく同じプッシュアウトしてしまったんですけど、そこで焦らずに横に出しました。3打目は自分の好きな115ヤードを52度のウェッジで打って、パーを取れればいいなと思って打ちました。ちょっと右にいったと思ったのが入りましたね。
──15、16番で順手、そのあとクロスに戻した理由は?
タッチが最後まで出なかったです。クロスハンドの方が自分的にはよいストロークができました。この2日間は強さが合っていなかったです。直線的に打てるパットは転がりがよいと思ったので、クロスハンドにしました。15、16は曲がるラインだったので、順手の方がよいかと思いました。2つとも自分的には良いパッティングだったので、クロスハンドよりも順手でよいストロークだなと思えれば順手に戻すと思います。でも、まだもう少しかかりそうですね。タッチという意味では順手の方が出ていました。
──自分ではそのショット見えましたか?
見えなかったです。雨も結構降っていたので、ギャラリーの歓声もわからなかったです。大きな歓声だったので、近くに寄ったのかなと思ったら、どうやらちょっと違うぞと。
──KBCから2週休んで、ツアーの流れの経験値が上がりましたか?
3試合とも上位で、その順位でしか味わえない雰囲気とかプレッシャーのなかでプレーできました。その収穫は練習では得られないものですし、今日も最後のティーショットは絶対に曲げられない状況のなか、ドライバーでフェアウェイに打てたのが財産になっていくと思います。あそこで、3番ウッドでフェアウェイに打っても、「ドライバーで打ったらどうなっていたんだろう」と半信半疑になってしまいます。17番までよいドライバーを打てていたので、それを18番でできるかどうかというトライでもありました。飛んでも曲がってる選手はアメリカで上位にいかないですし、自分クラスの飛距離の選手がきざんでしまうとトップ10やトップ20が精いっぱいのコースはあるので、ドライバーの精度を高めていかないといけない。後半のティーショットができていれば、アメリカでもそれだけチャンスにつけられるます。チャンスを決めるかどうかは、そのときの運や流れもあるので。でも全体の内容としては、このバックナインは初日に近い、むしろ初日よりも手応えは感じました。初日よりもプレッシャーはあったし、一度どん底のような状態になり昨日は後半ちょっと崩れたので、その感覚も少し残ってるなかでできたので価値もあります。スコアを抜きにすれば初日よりも今日のバックナインの方が価値はある、そういうゴルフができたと思います。
──3週空いて日本オープンで松山選手やアダム選手とまわります
やるべきことは変わりません。1ヶ月前にKBCに出た時から自分が取り組んでいることはほとんど何も変わらないので、精度を高めていきたい。コンスタントによいものが出せるように練習あるのみです。狭山は輪厚よりも曲がったときになかなかリカバリーをさせてもらえないコースです。ラフも高麗で洋芝のラフみたいにコントロールできず絶対フライヤーしてしまうので、そこでスコアを伸ばしていけるようなゴルフをしていきたいですね。今日のバックナインのプレーができれば、何の試合だろうがティーショットをフェアウェイに打ってセカンドをチャンスにつけるゴルフになると思います。フジサンケイでもKBCでもドライバーが曲がっていて、終わり方としては今週が一番ショットの手応えを感じています。あとはもう少しスピード、力がボールに伝わればよいなと思います。
──来週以降のご予定は?
自宅近郊で練習すると思います。

今平 周吾選手 15アンダー(4位)FR 70

──3連続バーディのときは、今日はいけるかと思いました
自分でも今日はいけるかなと思ったんですけど、後半出だしの3パットがもったいなかったですね。
──(一時的に)1位になっているのはわかっていましたか?
わかっていました。
──意識はしましたか?
あまりしなかったと思うんですけど、どこかで意識していたのかもしれないですね。

──後半うまくいかなかったのはグリーン上ですか?
前半からグリーンのタッチが合わず、重いと思って打ったら全部オーバーして。そこが今日はダメだったのかなと思います。
──優勝争いのプレッシャーはありましたか?
初めて味わうような緊張感が今週はありました。悔しいですね。
──体の調子はいかがでしたか?
うまく体が動かなかったです。後半ぐらいから少しありました。
──追いかけているときはどのような気分でしたか?
そんなに緊張感はなかったんですけど。
──優勝するのに足りないと思った部分はありましたか?
やっぱり経験がもうちょっと必要だと思いました。
──そういう意味ではいい経験ができましたね。
色んなことを学びました。たとえば緊張してうまくパットやショットが打てないことがわかりました。そういうのに慣れてくると優勝できるのかなと。
──去年との違いは感じますか?
去年よりはちょっと成長したと思います。
──セガサミーの時とは違いますか?
1回でもトップに立ったのが、あのときとは違いますね。